最近、親の介護が必要になり、今まで通りフルタイムで働くことが難しくなってしまいました。
仕事を休んだり、時短勤務に切り替えたりすることで、収入が大きく減るのが心配です。
最悪の場合は退職も考えないといけないかもしれませんが、
もし働けなくなった場合、国や自治体から何か支援金や手当を受け取ることはできるのでしょうか?
実際に介護で離職した方の体験談や、利用できる制度について詳しく知りたいです。
ご相談ありがとうございます。
親の介護をきっかけに、仕事を休まざるを得ない、時間を減らさざるを得ない、場合によっては退職も視野に入れる必要が出てくる——
そんな状況に置かれ、経済的な不安を抱えている方は決して少なくありません。
実際、介護離職者は毎年約10万人を超えており、「このまま働き続けられるのか」「家計をどう維持するか」「何か国のサポートは受けられないか」と悩む方の声が多く寄せられています。
ですが、介護のために働けなくなった場合に利用できる公的支援金や手当、支援制度はいくつも用意されています。
介護休業給付金や失業手当、自治体の独自給付、生活保護の介護扶助など、知っておきたい制度をこれから詳しくご紹介していきます。
1. 介護休業給付金を活用する
介護休業給付金の概要
「介護休業給付金」は、家族の介護が必要になったとき、仕事を一時的に休んでも経済的な負担を軽減できるように設けられた雇用保険制度の一つです。
会社員やパート、派遣社員など雇用保険に加入している方が、配偶者や親など「対象家族」の介護のために休業した場合に支給されます。
対象となる人・家族
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対象者:雇用保険に加入している会社員、パート、派遣社員(自営業やフリーランスは対象外)
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介護の対象家族:配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫
※血縁・姻族を問わず幅広く対象となります
支給内容・期間・金額
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支給額:介護休業開始前の賃金の67%
(2025年現在。※社会保険料や税金はここから差し引かれます) -
支給期間:最大93日間(3回まで分割取得も可能。1人の家族につき通算93日まで)
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分割取得:連続で取得しなくても、必要なタイミングで分けて休むことができます(例:数週間ずつ3回に分けて取得 など)
申請方法・手続きの流れ
会社に申し出る
まずは勤務先の人事担当者または上司に「介護休業を取得したい」と伝えます。
会社ごとに申し出期限や様式があるため、早めに相談しましょう。
会社からハローワークへ書類提出
休業開始後、必要書類(休業申請書、賃金証明など)を勤務先が用意します。
多くの場合、会社がまとめてハローワークへ提出しますが、申請漏れがないかご自身でも確認を。
給付金の支給
ハローワークで審査のうえ、指定口座に給付金が振り込まれます。
手続きや支給には1~2か月かかる場合があります。
利用時のポイント・注意点
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介護休業を取得した日数だけ支給対象となります(有給休暇は含まれません)。
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1人の家族につき最大93日ですが、複数の家族を介護する場合はそれぞれに取得できます。
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介護休業中でも社会保険への加入は継続されます(保険料は一部免除される場合あり)。
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申請には「要介護認定」や医師の意見書など、介護が必要であることの証明書類が必要になる場合があります。
こんな時に役立つ!
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突然の親の入院や退院、介護サービスの調整など「短期間だけ集中的にサポートしたい」
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介護サービスを利用開始するまでの「つなぎ期間」
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本格的な介護離職を避け、まずは仕事を続けられるか見極めたいとき
2. 失業手当(特定理由離職者の給付)を受ける
仕事を辞めざるを得なくなったとき、いわゆる「失業手当(基本手当)」を受け取れる制度があります。その中でも、介護や育児、親の看護など「やむを得ない事情」で退職した場合に該当するのが 特定理由離職者 と呼ばれる区分です。
この区分に当てはまると、通常の「自己都合退職」よりも有利な条件で失業手当の受給が可能になることがあります。
対象となるケース
特に「親の介護を理由に離職した」場合には、この特定理由離職者に該当する可能性があります。例えば、次のような事情がある場合です:
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親が病気・けが・長期入院などで介護が必要になり、自らの離職を余儀なくされた。
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親の扶養・介護を継続するために勤務を辞めるしかなかった。
※ただし、申請の際には「離職理由」「介護必要性」「就労可能性」などがハローワークで確認されます。
優遇されるポイント
特定理由離職者として認められると、次のような優遇が期待できます:
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待機期間(失業手当を受けるまでの無給期間)が軽減または免除されることがあります。
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通常よりも比較的緩やかな受給要件(加入期間など)が適用されるケースがあります。
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所定給付日数が長く設定される可能性があります(ただし条件によって異なります)
手続き・注意点
離職票に記載される「離職理由」が重要です。介護を理由として退職した場合は、ハローワークにて「特定理由離職者」の該当とするか相談しましょう。
雇用保険の加入期間や被保険者期間等の条件を満たしているか確認が必要です。特定理由離職者の場合、離職前の1年間で被保険者期間が6か月以上あれば受給資格を得られるケースがあります。
ただし、“介護を理由に働けなくなった”状態で、求職・就労可能な意思がないとみなされると受給資格が取り消される可能性があります。
3. 生活保護や自治体の介護支援制度を利用する
介護のために離職や減収が続き、家計が立ち行かなくなってしまう場合、生活保護の利用も選択肢のひとつです。
生活保護は、「最低限度の生活を保障し、自立を支援する制度」であり、介護を必要とする高齢者や介護者の方も、条件を満たせば利用できます。
主なポイント
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受給対象:世帯の収入が最低生活費(自治体ごとに定める基準額)を下回る場合
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申請方法:お住まいの市区町村の福祉事務所・役所で申請。面談や家庭訪問、収入・資産状況の審査があります
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介護扶助:生活保護を受給すると、「介護扶助」という枠で、介護保険サービスの自己負担分(1~3割)が全額公費負担となり、実質的に無料で利用できます
こんな場合はすぐに相談を
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介護のために退職し、無収入・低収入になった
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介護サービスの自己負担が払えない
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家計の貯金が底をつき、医療・介護費用に困っている
申請には、本人・同居家族の収入・資産証明や、生活実態の説明が必要です。
「家や車があるから無理…」と諦めず、一度自治体窓口で状況を詳しく相談してみましょう。
自治体独自の介護者支援・給付制度
国の制度以外にも、各市区町村が独自に設けている介護者支援制度が存在します。
介護離職や在宅介護世帯を対象にした給付金・支援金制度は、地域によって内容が異なります。
主な例
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介護者応援給付金・在宅介護世帯支援金
…介護のために離職・休職した方、在宅介護が長期に及んでいる世帯に一時金や見舞金を支給 -
家族介護者への相談支援・介護教室の無料開催
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見守りやヘルパー派遣の費用助成
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住宅改修・福祉用具貸与費用の補助
自治体によっては、「要介護者がいる世帯は水道料金の割引がある」「家族介護者のリフレッシュサービス」など、経済的だけでなく精神的な支援も行っています。
制度利用のポイント
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支援の有無や内容、申請方法は自治体ごとに異なります
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まずは市区町村役所の「福祉課」「介護保険課」に相談し、最新の情報を確認しましょう
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「広報誌」や「自治体ホームページ」にも、地域独自の支援情報が掲載されていることが多いです
利用できる支援金・制度一覧
| 制度 | 内容 | 受給対象者 | 支給期間・金額 |
|---|---|---|---|
| 介護休業給付金 | 介護で休職した場合の支援 | 雇用保険加入者 | 給与の67%を最大93日間 |
| 失業保険(特定理由離職者) | 介護で退職した場合の支援 | 雇用保険加入者(1年以上) | 90日~330日分の失業手当 |
| 生活保護(介護扶助) | 介護サービス費用の補助 | 生活保護受給者 | 介護サービス自己負担額を全額補助 |
| 自治体の介護支援制度 | 介護による経済支援 | 市区町村の独自制度による | 自治体により異なる |
リバースモーゲージも検討できる
介護費用や生活費のための資金調達方法として、「リバースモーゲージ」という制度もあります。
リバースモーゲージとは?
リバースモーゲージは、「自宅などの持ち家を担保に、金融機関や自治体からお金を借りる」仕組みです。
住み慣れた家に住み続けながら、まとまった資金や毎月の生活費を借りることができ、借入者が亡くなった後に家を売却して返済にあてるという流れです。
どんな時に役立つ?
たとえば、「年金や貯金だけでは親の在宅介護費用が賄いきれない」「施設入所やバリアフリーリフォームにまとまったお金が必要」「今の家に愛着があるので、住み慣れた場所で最期まで暮らしたい」といった場面で、リバースモーゲージが頼りになります。
特に、都市部など一定の資産価値がある家に住んでいる方は選択肢にしやすいでしょう。
また、「子どもは独立して家を相続する予定がない」「自分たちの生活を第一に考えたい」というケースでも向いています。
メリットと現実的な注意点
この制度の大きなメリットは、家を売らずに住み続けながら現金を得られること。月々の返済が不要なため、収入が年金だけになっても生活を大きく変える必要がありません。
まとまった費用だけでなく、毎月一定額を分割して受け取ることも可能な商品が多いので、介護サービスや生活費の補填に便利です。
一方で、いくつか注意も必要です。
リバースモーゲージは、家の資産価値が十分にある場合にのみ利用でき、古い家や地方の一部エリアでは審査に通りにくいことがあります。また、契約者が亡くなった時点で家を手放すことになるため、「実家を残したい」「将来家族が住む予定がある」といったご家庭には不向きかもしれません。
さらに、借入額や利用条件は金融機関や自治体によって大きく異なり、長生きリスクや金利変動リスク、途中で家の価値が下落した場合の追加請求などもゼロではありません。必ず、契約前に家族や専門家と十分相談し、将来のシミュレーションをしておきましょう。
どこで相談できる?
リバースモーゲージは、都市銀行や地方銀行のほか、一部自治体(社会福祉協議会など)でも取り扱っています。
まずはご自身の住まいの価値や条件を調べ、複数の金融機関や社会福祉協議会、ファイナンシャルプランナーなどに相談することをおすすめします。
また、最近では自治体独自の生活支援資金制度として、低金利・無利子で利用できるケースもあり、資産の少ない高齢者家庭にとって選択肢が広がっています。
早めに相談して経済的負担を軽減しよう!
介護によって働けなくなると、収入が減少し経済的に厳しくなる可能性があります。しかし、介護休業給付金・失業保険・自治体の支援など、活用できる制度は意外と多いのです。
まずは、ハローワークや自治体の福祉窓口に相談し、利用できる制度を確認することが大切です。
「介護のせいで生活が成り立たない…」と悩む前に、早めに支援制度を調べ、経済的負担を軽減しましょう!
バディファミリーの介護保険外サポート
バディは、ご家族に変わって日常を支える家族の一員のような存在です。通院付き添い・外出同行・見守り・生活支援など、必要なサポートを一緒に考え行動します。