
「最近、親の様子がなんだかおかしい」
「もしかして認知症…?」
そんな不安を抱いたとき、どう行動すればいいのか。
今回は、親が認知症になったときに知っておきたい基本的なステップを、実際の経験や専門家の意見をもとにまとめました。
1. まずは冷静に。状態を見守る
親の言動に違和感を覚えたとしても、すぐに「認知症だ」と決めつけるのは避けましょう。
まずは冷静に、変化を記録しながら日常の様子を観察することが大切です。
たとえば「同じ話を何度もする」「物を置いた場所を忘れる」「道に迷う」など、認知症の初期症状が見られる場合は、いつ・どんな場面で起きたかをメモしておくと、後々の診断にも役立ちます。
もし親と離れて暮らしている場合、認知症の兆候を把握するのは簡単ではありません。
でも、電話やビデオ通話の内容からでも違和感を感じ取ることができます。
・同じ話を何度も繰り返していないか
・時間や予定をうまく把握できていない様子はないか
・以前よりも会話がちぐはぐだったり、怒りっぽくなっていないか
などを意識してチェックしてみてください。
また、近所に住む親戚や昔からの友人、自治体の見守りサービスなどにも協力をお願いできると安心です。
定期的に訪ねてくれる人がいれば、日常の様子を代わりに見守ってもらえます。
さらに、最近では「見守り家電」や「会話記録ができる電話機」などのIoT機器(インターネットに接続して通信可能な家電や照明器具など)も登場しています。
「冷蔵庫を開けた形跡がない」「テレビがついていない」などの異変を通知してくれるものもあるので、状況に応じて導入するのも一つの方法です。
2. かかりつけ医 or 専門医に相談する
状態を見守ったうえで「これはおかしい」と思ったら、できるだけ早く医療機関へ相談しましょう。
かかりつけ医に相談してもよいですし、可能であれば「もの忘れ外来」や「認知症専門外来」などを受診すると、より専門的な診断とアドバイスが受けられます。
初期の段階であれば進行を遅らせる薬が使えることもあるため、早期受診はとても重要です。
どんな病院に行けばいいの?
最初は、普段から診てもらっている“かかりつけ医”に相談するのがおすすめです。
顔なじみの医師であれば、本人も抵抗感が少なく、相談しやすいでしょう。
より詳しい診断が必要な場合は、以下のような専門機関を紹介してもらえます:
・もの忘れ外来(認知症専門の外来)
・精神科・神経内科のある病院
・高齢者専門の外来(老年内科など)
地域によっては「認知症疾患医療センター」もあります。ここは、診断だけでなく相談支援や連携もしてくれるので心強いです。
ただし、「自分が認知症かもしれない」と受け入れるのは本人にとっても怖いこと。
「病院なんか行きたくない!」と強く拒否されるケースも珍しくありません。
親が病院に行きたがらないときは?
この場合は無理に“認知症”という言葉を出さず、受診の目的を変えてみるのがポイントです。
例:
「健康診断に行こうか」
「最近ちょっとフラつくって言ってたよね? 念のため診てもらおう」
「血圧、最近高めじゃない?ちょっとだけ病院行ってみよ」
など、別の症状を口実にして受診につなげるのが効果的です。。
また、受診がどうしても難しい場合は、
・医師に家族だけで相談する
・地域包括支援センターに状況を話す
といった方法でも初期対応が可能です。
医師から「認知症の疑いがある」と言われた場合、親本人が納得しやすいように、本人の尊厳を傷つけない言い方で医師に説明してもらえるとスムーズになることもあります。
よくあるケース①:最近忘れっぽいのが気になるとき
✖ 言っちゃダメ:
「最近物忘れがひどいよ。病院行ったほうがいいよ」
✔ 言い換えテク:
「私も最近よく忘れるの。心配だから一緒に見てもらおうよ」
「年に一回くらい、頭の健康診断も受けたほうが安心なんだって」
📝ポイント:自分のこととして話す。対等な立場で誘うのがコツ。
よくあるケース②:本人が「病院は嫌い」と言い張る
✖ 言っちゃダメ:
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。頑固なんだから」
✔ 言い換えテク:
「ちょっと血圧とか調べるだけだから、すぐ終わるよ」
「先生と世間話でもして帰ってこようよ」
「ついでに私も診てもらうから、一緒に行こう?」
📝ポイント:ハードルを低くする。付き添いの名目で誘うのも有効。
よくあるケース③:怒って拒否する・不機嫌になる
✖ 言っちゃダメ:
「ほら、やっぱり最近変だから行こうよ」
「いつもおかしなこと言ってるじゃない」
✔ 言い換えテク:
「最近ちょっと疲れやすそうだから、体のこと見てもらうだけ」
「病気じゃなくて“予防のため”に行くんだよ」
「○○さん(親しい知人)もこないだ検査に行ったって言ってたよ〜」
📝ポイント:比較や“予防”という言葉で納得感を作る。
おすすめの“セリフテンプレ集”
「ちょっとお医者さんに話してみようか。最近のこと、詳しく聞いてくれるって」
「最近テレビで“認知症は早めに気づけば対応できる”って言ってたよ」
「かかりつけの○○先生、久しぶりに行ってみない?元気か聞いてみたいし」
「私が行くついでに、ちょっと一緒に寄ってみよう?」
さらに安心材料として使える工夫
・病院名を出さずに「ちょっと相談に行く」と言う
・事前に医師に事情を話しておき、自然な会話で診察してもらう
・自治体の「認知症初期集中支援チーム」や「訪問診療」が使える地域もある
事前に整理しておくこと
✅ 症状のメモを用意する
・いつから、どんな症状があるか
・どんな場面で困っているか(例:財布をどこに置いたか忘れる、料理の手順がわからなくなる)
・気になる行動や性格の変化(怒りっぽくなった、落ち込みがち など)
📝 口頭で伝えきれないときは紙に書いて渡すと◎
✅ 本人の既往歴・服用中の薬の一覧
・持病(高血圧・糖尿病・心臓病など)
・現在服用している薬(お薬手帳がベスト)
・アレルギー歴や手術歴もあればメモ
📝 認知症と似た症状を起こす病気もあるため、医師に正確に伝えるのが大切。
✅ 家族の立場から見た“生活の困りごと”
・会話がちぐはぐで話が通じない
・ガスの消し忘れが増えた
・電話の使い方がわからなくなっている
・同じものを何度も買ってくる など
📝 些細に思えることも、医師にとっては重要な診断材料になります。
持ち物チェック
・保険証(本人の)
・お薬手帳
・かかりつけ医からの紹介状(ある場合)
・事前に書いた「気になる症状メモ」
・本人の履き慣れた靴、ゆったりした服(検査の可能性もあるため)
診察時に意識すること
「どのようなことで困っていて受診に至ったのか」
「日常生活で気になる行動・変化」
「本人が病院に来るのを嫌がっていたか、納得しているか」
本人の前では“認知症”という表現を控える配慮も医師と事前に相談しておくと、雰囲気が穏やかになります。
説明が多くて混乱することもあるので、聞いた内容をメモしておくとあとで家族で共有できます。
3. 家族で話し合い、協力体制を作る
認知症の親を支えるには、家族の協力が不可欠です。
一人で抱え込むと、心身ともに疲弊してしまいます。兄弟姉妹がいる場合は、早めに集まり、役割分担を明確にしておきましょう。
「誰が病院に付き添うか」「日常の世話は誰が担うか」「金銭管理はどうするか」など、具体的な分担があると後々のトラブルを防ぐことができます。
よくある家族間トラブル
・「誰が介護するか」で揉める(押しつけ合い)
・「まだ大丈夫でしょ」と、家族内で認知症の深刻さに温度差
・金銭的負担を巡ってギクシャク
・介護をしている人と、していない人で不満がたまる
・遠方にいる家族が「口は出すけど手は出さない」と言われる
📝ポイントは、“情報共有”と“役割の明確化”がカギ。
家族で決めておくべきこと(リスト)
・主な連絡窓口(情報管理役)を誰にするか → 通院・福祉サービス・ケアマネとのやりとりなど、情報を一本化すると混乱しにくい。
・通院・手続きなどの付き添い担当 → 近隣に住んでいる人が優先的に動くかどうかを相談。
・金銭面の分担・親の口座管理 → 通帳・年金・医療費・介護費など。成年後見制度を利用するかも話し合っておくと◎。
・介護・生活支援サービスの導入時期と判断基準 → どうなったらヘルパーを頼む?施設に入るか?をざっくり共有。
・緊急時(倒れた・行方不明など)の対応フロー → 誰が最初に動く?何をする?病院・警察・連絡先を確認。
遠方に住んでいる家族ができること
・定期的な電話やオンライン面談で様子を聞く
・LINEグループなどで家族間の情報共有のハブになる
・金銭面や事務的なこと(書類整理、調査、支払い)をリモートでサポート
・実家に帰れるときは「手伝い」ではなく介護者の“休み”を作るつもりで
📝「近くにいないから何もできない」はNG。やれることはたくさんあります。
話し合いのコツ
「誰が悪い」ではなく「どうしたら親にとって一番いいか」を軸に話す
家族だけで難しい場合は、第三者(地域包括支援センターの職員、ケアマネなど)を交えて話すと冷静になれる
一回きりで終わらず、定期的に状況を共有&見直す機会を作ることが大事
4. 公的サービス・地域資源を調べる
認知症の介護は、自分たちだけで完結させようとせず、必ず公的な支援を活用しましょう。
まずは、地域の「地域包括支援センター」に相談を。ここが介護支援の入り口になります。
必要であれば「要介護認定」を申請し、介護保険サービスの利用につなげることができます。
デイサービスや訪問介護、ショートステイなど、親の状態に応じた支援が受けられます。
地域包括支援センターそもそも、どんなところ?
地域包括支援センターは、厚生労働省が設置を推進している高齢者の総合相談窓口。
以下のようなことを無料で相談できます:
・認知症に関する不安や介護の悩み
・介護保険の申請手続き
・福祉サービスの紹介や調整
・高齢者虐待・金銭トラブルなどの相談
・ケアマネージャーやサービス事業者との連携
📍 各市区町村に必ず設置されており、地域ごとに担当エリアがあります。
相談するときの注意点
✅ 「困っていること・症状・経緯」は事前にメモしてから行くと◎
例:
最近何に困っているのか?
家族がどんなサポートをしているか?
通院歴や服薬状況は?
✅ 感情ではなく“事実ベース”で伝えると話が早い
→「もう無理です!」よりも「ガスの消し忘れが週2回ある」「名前を3回間違えられた」のように具体的に。
✅ 家族で話し合ってから行くとスムーズ
→ 誰が今後関わるのか、本人は受診や支援に前向きか?など
✅ できれば“本人を連れて行く”と、初動が速い
→ 本人が拒否する場合は、まずは家族だけで相談でもOK。ケースワーカーが状況を聞いてくれます。
✅ 「今すぐサービス受けたい」には時間がかかることを想定しておく
→ 特に「介護認定」が必要なサービスは申請→認定→ケアプラン…とステップを踏みます。
介護認定(要介護認定)を受けるまでの流れと期間
1. 市区町村へ申請(地域包括支援センターが代行してくれることも)
・本人または家族が申請可能(地域包括センターやケアマネが代行もOK)
・必要なもの:保険証、印鑑、申請書など
2. 調査員による「訪問調査」
・市町村の調査員が本人の自宅などに来て、約75項目をチェック
・「立ち上がれるか」「記憶の状態」など生活全般の評価
・同時に、主治医に「主治医意見書」を依頼(自治体が手配)
3. 認定審査会での判定(※1〜2ヶ月かかる)
・調査結果+主治医意見書を元に、介護度が判定される(要支援1〜2/要介護1〜5)
・通常、申請から結果が届くまで約30〜45日程度
※ただし、地域や状況により60日以上かかることも。
4. 結果通知 → ケアマネとの面談 → サービス開始へ
・介護度が出たら、ケアマネージャーが担当に付き、ケアプランを作成
・その後、訪問介護・デイサービスなど具体的な支援がスタート
要注意ポイント
⚠ 申請中でも利用できる「暫定サービス」もある → 状況が急を要する場合、認定結果を待たずにサービス利用開始できる制度。地域包括支援センターに相談を。
⚠ 非該当になってしまった場合も、再申請・異議申し立てが可能 → 状況の変化に応じて、数ヶ月後に再申請することも多い。
⚠ 要支援・要介護の違いで使えるサービスが大きく変わる → 「要支援」だと施設入所が難しいこともあるため、状況をケアマネとよく相談して。
5. お金と法律の備えをする
認知症が進行すると、本人の意思確認が難しくなるため、お金や財産の管理は早めに手を打っておく必要があります。
たとえば「任意後見制度」や「家族信託」などを使えば、家族が代わりに財産を管理することができます。
銀行口座の凍結や相続トラブルを避けるためにも、元気なうちに将来のことを話し合っておきましょう。
1. 遺産分割でもめる
親が認知症になった場合、遺言書がないと、遺産分割でもめる原因になります。特に兄弟姉妹間で「公平じゃない」といった問題が発生することが多いです。
⚠ トラブルを防ぐための対策:
-
遺言書の作成
できるだけ早い段階で、遺言書を作成しておくことが最も効果的です。公正証書遺言を作成すれば、法的効力が高いので安心です。 -
遺産分割協議書を早めに取り決めておく
親が元気なうちに、家族で「お金や不動産をどう分けるか」を話し合って、書面にしておくと後で争いを避けられます。 -
遺言執行者の指定
遺産分割の際に、誰が遺言書を執行するかを明確にしておくと、さらにトラブルが少なくなります。
2. 介護費用の負担
認知症の親の介護にかかる費用は、予想以上に高額です。特に施設に入所するとなると、月々の費用が数十万円になることも。
⚠ トラブルを防ぐための対策:
-
公的介護保険をフル活用
介護保険を使ってできるだけ公的サービスを活用することが大切です。介護度が上がることで利用できるサービスが増えるので、ケアマネージャーとしっかり相談して、必要なサポートを受けるようにします。 -
親の資産状況を把握しておく
親がどれだけの財産を持っているのかを正確に把握しておくことで、どれくらいの資金が介護に使えるかがわかります。もし資産が少ない場合は、施設費用や介護サービスが長期的に続くことを視野に入れて準備する必要があります。 -
長期的な支出計画を立てる
親が施設に入る場合や訪問介護が続く場合、介護費用は数年間にわたることが多いので、今後の支出をどうするか(たとえば親の貯金をどう管理するか)を考えておきましょう。
3. 成年後見制度の問題
認知症が進行すると、法的に契約や財産管理ができなくなる場合があり、その場合には成年後見人を立てる必要があります。後見人を選ぶ際のトラブルが発生することがよくあります。
⚠ トラブルを防ぐための対策:
-
早めに後見人を選定
親が元気なうちに「成年後見人は誰にするか」を決めておくことが重要です。家庭裁判所での申立てが必要なので、時間もかかりますし、後見人が決まるまでの間に財産の管理に支障が出る可能性もあります。 -
後見人を家族内で決める場合のルール作り
親が後見人を指定できる段階であれば、家族内で誰が後見人になるかを話し合っておくとスムーズです。 -
信託契約や代理契約の活用
「成年後見制度」以外にも、親の財産を管理するために、信託契約や代理契約を使う方法もあります。これらの方法について、弁護士や司法書士に相談しておくと良いでしょう。
4. 医療費・介護費用の支払いを巡る争い
介護にかかる医療費や生活費をどのように分担するかについて、家族間で意見が分かれることがあります。特に、親の貯金や年金をどう使うかが問題になることが多いです。
⚠ トラブルを防ぐための対策:
-
生活費の分担を明確にしておく
親の介護費用や医療費は、どれくらいを誰が負担するかを事前に家族内で話し合って、書面にしておくとトラブルを避けやすいです。 -
親の年金や貯金をどのように管理するかのルールを決めておく
親の資産をどのように管理し、使っていくかについても事前に話し合い、決めておくことが重要です。
5. 相続放棄や遺留分の問題
親が亡くなった際、相続財産の取り決めや遺留分に関する争いが起きることもあります。
⚠ トラブルを防ぐための対策:
-
遺言書を早めに作成しておく
親が元気なうちに、遺言書を作成しておくことで、相続トラブルを避けることができます。遺言執行者を指定しておくと、相続後の手続きがスムーズになります。 -
遺留分に関する配慮
相続人の法定相続分を超える遺産分けをする場合、遺留分の問題が発生する可能性があります。このあたりの法的な配慮をしっかりしておくと後の争いを防げます。
6. 日常生活の工夫をする
認知症の親と向き合うときは、「できないこと」より「まだできること」に目を向ける姿勢が大切です。
たとえば、冷蔵庫に「卵」「牛乳」とラベルを貼る、毎日のスケジュールを見えるところに書き出す、服をコーディネートしておくなど、小さな工夫が日常の混乱を減らしてくれます。
また、叱る・否定するのではなく、「そうだったね」「ありがとう」と声をかけることで、本人の安心感にもつながります。
生活環境の工夫
1. 家の中の安全対策
認知症が進行すると、家の中での転倒や火の元の管理が難しくなることがあるので、安全対策を強化しましょう。
-
手すりやスロープを設置
階段やトイレ、浴室など、転倒のリスクが高い場所に手すりを取り付けると、歩行が安定します。 -
火災警報器の設置と火の元管理
火を使うことがある場合は、火災警報器を設置し、ガスコンロに自動消火機能をつけるのもおすすめ。ガスの使い忘れが防げます。 -
整理整頓と障害物の排除
家の中の通路を広くし、家具や物を整理することで、歩きやすく安全な環境にします。
2. 日常動作の補助具を活用
-
食事用補助具
手が震える、または力が入りにくくなった場合、持ちやすい滑り止め付きの食器や、スプーンやフォークのグリップが太くなっているものを使うと食事がしやすくなります。 -
入浴補助具
浴室用の椅子、手すり、滑り止めマットなどを設置して、入浴時の安全を確保します。 -
衣類の工夫
ボタンやファスナーが難しい場合は、マジックテープ付きの服や、着脱が簡単なストレッチ素材の衣類を選ぶと良いです。
日常生活をサポートするサービス
1. 訪問介護サービス(ホームヘルパー)
介護保険を利用して、訪問介護を受けることができます。
ホームヘルパーが家に来て、次のようなことをサポートしてくれます:
-
食事の準備や掃除
認知症が進行すると、日常的な掃除や料理が難しくなるので、ヘルパーに頼むことができます。 -
服薬の管理
定期的な薬の服用が忘れられないように、服薬管理をサポートしてもらえます。 -
お風呂や着替えの介助
身体介助が必要な場合、ヘルパーがサポートしてくれます。
2. デイサービス(通所介護)
日中、外に出て他の利用者と過ごすことで、社会とのつながりを保ちつつ、身体的・精神的な刺激を与えることができます。
-
リハビリ
体操やレクリエーション、認知症予防のための脳トレを行うデイサービスがあります。 -
食事や入浴
一日のうちに食事や入浴を済ませることができるので、家族の負担が減ります。
3. ショートステイ(短期入所)
介護をする家族が一時的に休息を取りたいときに利用できるショートステイ。
一定期間、介護施設に宿泊してもらい、ケアを受けながら休息できます。
これにより、家族が自分の時間を確保できるので、精神的にも楽になります。
視覚・聴覚に配慮した工夫
1. 音声アラーム機能を活用
認知症の進行により、時間感覚が不明確になったり、食事や薬の時間を忘れることがあるため、音声アラーム機能を利用してリマインダーを設定できます。
-
音声付き時計やカレンダー
時間や曜日、日付を音声で知らせてくれる時計やカレンダーを使うと、混乱を防げます。 -
服薬アラーム
薬の時間が来たことを知らせてくれるデジタルアラームやスマホアプリも便利です。
2. 視覚的な手がかりを増やす
部屋や家の中に、大きな文字でわかりやすい表示をつけることで、混乱を避けることができます。
-
「トイレ」「寝室」などの明確なラベル
部屋に名前や機能を明示したラベルをつけると、本人が迷うことが減ります。 -
視覚的な記憶補助
簡単な絵を使ったカレンダーや、日々の予定を視覚的に把握できるようにする方法も有効です。
その他、日常生活で便利なツール・アプリ
1. 認知症向けアプリ・ゲーム
スマホやタブレットを活用して、認知症の進行を遅らせるためのアプリやゲームを使うことも有効です。
脳トレアプリや記憶力を鍛えるゲームで、日々の軽い刺激を与えることができます。
2. 見守りサービス
認知症が進行している場合、見守りカメラやGPSトラッキングを使うことで、外出時の安全を確保したり、迷子になった場合の対応ができます。
-
GPS付き携帯電話やリストバンド
外出中に迷子にならないように、GPS機能付きのデバイスを持たせると安心です。 -
見守りカメラ
自宅に設置しておけば、家族が遠隔で状況を確認でき、緊急時に対応しやすくなります。
日常のコミュニケーションを工夫
1. 簡単で優しい言葉で伝える
認知症が進行すると、複雑な言葉や指示が理解しづらくなります。
簡単で繰り返しの言葉を使うことが効果的です。
例えば「今からご飯だよ」「お風呂に入る時間だよ」といったシンプルな言葉を使いましょう。
2. 視覚・聴覚に配慮した環境づくり
静かな環境を作り、テレビや音楽の音が大きすぎないようにすることで、集中して会話をしやすくなります。
7. 介護者自身の心のケアも忘れずに
介護をする側が追い詰められてしまっては、本末転倒です。
イライラしたり、孤独を感じることがあっても当然。そんなときは、信頼できる人に話を聞いてもらったり、家族会やサポートグループに参加したりして、自分の気持ちを吐き出す場を持ちましょう。
介護者のメンタルケアこそが、長く安定した介護の鍵になります。
介護者自身のケア方法
1. 自分の時間を作る
介護者自身が休息やリフレッシュの時間を持つことが非常に重要です。心の余裕がないと、介護にも悪影響を与えることがあります。
-
・短時間でも外出する
近所を散歩するだけでも、リフレッシュになります。たった10分、15分でも気分転換になるので、できる限り自分の時間を作るようにしましょう。 -
・趣味の時間を大切に
好きな趣味に没頭する時間を持つことで、気分が軽くなります。例えば読書、映画鑑賞、ガーデニングなど、自分に合った趣味を持ち続けることが大切です。
2. 定期的に休息を取る
介護は長期戦になることが多いため、定期的に**「休む」ことを許可**することが重要です。
-
・介護を一時的に外部に委託する
ショートステイやデイサービスを利用して、介護から離れる時間を作ることができます。これにより、リフレッシュすることができ、介護者自身の心身の健康が守られます。 -
・介護の負担を家族で分担する
他の家族と協力して、負担を分け合うことも重要です。介護が一人に集中しないよう、助けを求めることが大切です。
3. カウンセリングやサポートグループの利用
介護に関するストレスや不安を一人で抱え込むのは非常に危険です。カウンセリングやサポートグループに参加することで、専門家や同じ立場の人々と心を共有することができます。
-
・カウンセリング
精神的に追い詰められたと感じたときは、心理カウンセラーに相談するのが有効です。感情を話すことでストレスを解消することができます。 -
・サポートグループ
他の介護者と意見交換ができるサポートグループに参加すると、孤独感が和らぎ、心の負担が軽減します。ネットでのフォーラムや地域のサポートグループも活用できます。
4. ストレス管理を行う
日常的にストレスを上手に管理する方法を取り入れることが、介護者の心のケアには欠かせません。
-
・深呼吸や瞑想を行う
毎日のちょっとした時間を使って、リラックスする時間を持ちましょう。深呼吸や瞑想は、ストレスを軽減するための効果的な方法です。 -
・軽い運動をする
散歩やストレッチなど、軽い運動を日常に取り入れることで、ストレスが解消され、気分がスッキリします。体を動かすことで、心身ともにリフレッシュできます。
5. 栄養と睡眠を大切にする
介護をしていると、つい自分の健康が後回しになりがちですが、栄養と睡眠を大切にすることが介護者の心身の健康に直結します。
-
・バランスの取れた食事を摂る
忙しくても、栄養バランスを考えた食事を摂ることが重要です。特に、心を落ち着ける効果のあるビタミンB群やマグネシウムを意識して摂るようにしましょう。 -
・質の良い睡眠を確保する
睡眠不足が続くと、精神的な疲れが溜まり、イライラしたり、感情的になりやすくなります。可能であれば、昼間に短い仮眠をとることで、睡眠不足を補うことも検討しましょう。
心のケアをサポートする具体的なサービス
1. 介護者向けの支援サービス
いくつかの地域には、介護者自身の健康をサポートするための支援サービスがあります。これらのサービスを活用することで、心のケアがより充実します。
-
・介護者のための相談窓口
地域包括支援センターや福祉相談窓口では、介護者向けに心理的なサポートを提供していることがあります。支援員と話すだけでも、心の重荷が軽くなることがあります。 -
・介護者のためのリフレッシュ休暇
一部の自治体や介護施設では、介護者のための休暇制度やリフレッシュサービスを提供しています。これを利用して、定期的に休息をとることができます。
介護者自身が気づくべきサイン
-
・イライラや不安が増える
-
・体調不良や睡眠不足が続く
-
・無気力感や孤独感を感じる
-
・感情が制御できなくなる
もし、これらのサインに気づいたら、無理をせずにサポートを求めたり、休息の時間を確保することが大切です。
まとめ
親の認知症は、家族にとっても大きな転機となります。
でも、一歩一歩対処していけば、必ず道は開けていきます。
無理せず、一人で抱え込まず、周囲の支援とともに、穏やかな介護を目指していきましょう。