高齢者向けスマホを買って後悔した理由|“らくらく”じゃなかった体験談

「操作が簡単」
「高齢者でも安心」
「はじめてのスマホにおすすめ」

このような言葉に惹かれて、親に高齢者向けスマホを買おうと考えている方は多いのではないでしょうか。確かに、高齢者向けスマホは、文字が大きい、画面が見やすい、よく使う機能にアクセスしやすいなど、スマホに慣れていない方でも使いやすいように工夫されています。

しかし実際には、購入後に「思ったより使っていない」「電話やLINEもできていない」「家族が教えにくい」と後悔するケースもあります。

高齢者向けスマホは、一般的なスマホと画面構成や操作方法が異なることがあります。そのため、本人にとっても家族にとっても、かえって分かりづらく感じる場合があるのです。

また、親本人が本当にスマホを必要としているのか、何をしたくてスマホを持つのかを確認しないまま契約すると、結局使わないままになってしまうこともあります。

スマホ選びで大切なのは、「高齢者向け」と書かれているかどうかではありません。

本人が使いたい目的に合っているか、家族が教えやすいか、困ったときにサポートを受けられるかが重要です。高齢者向けスマホを買って後悔しやすい理由、実際の声、後悔しないための選び方、購入前に確認したいポイントをわかりやすく解説します。

高齢者向けスマホを買って後悔した投稿

 

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SNS上でも、「高齢者向けだから安心だと思ったのに、実際には使いにくかった」という声が見られます。

もちろん、高齢者向けスマホが合う方もいます。文字が大きいことや、画面がシンプルなことが助けになる場合もあります。

ただし、すべての高齢者にとって「高齢者向けスマホ」が最適とは限りません。購入前に、本人の目的や操作のしやすさ、家族のサポート体制を確認しておくことが大切です。

高齢者向けスマホを買って後悔しやすい理由

高齢者向けスマホは、スマホに慣れていない方でも使いやすいように設計されています。

しかし、実際に使い始めると、本人や家族が想像していた使いやすさと違うことがあります。

ここでは、高齢者向けスマホを買って後悔しやすい理由を整理します。

専用画面が逆にわかりづらい

高齢者向けスマホは、文字が大きく表示されたり、ボタン風のメニューになっていたり、独自の画面構成になっていることがあります。

一見すると簡単そうに見えますが、一般的なiPhoneやAndroidスマホと操作方法が違うため、家族が教えにくい場合があります。

たとえば、家族が普段iPhoneを使っているのに、親のスマホだけ独自のメニュー画面になっていると、「設定画面がどこにあるのか分からない」「LINEの通知設定をどう直せばよいか分からない」といったことが起こります。

本人だけでなく、教える側の家族も操作に迷ってしまうと、スマホが定着しにくくなります。

タップや操作に慣れない

高齢者向けスマホの中には、誤操作を防ぐために、しっかり押さないと反応しない設定になっているものがあります。

しかし、人によってはそれが逆に使いづらく感じることがあります。

「押したつもりなのに反応しない」
「長押しなのかタップなのか分からない」
「画面が変わるタイミングが分からない」

このような小さなストレスが重なると、スマホを使うこと自体が面倒になってしまいます。

また、指先の力が弱い方、手が震える方、関節が痛い方にとっては、タッチ操作そのものが負担になる場合もあります。

機能が制限されていて不便に感じる

高齢者向けスマホは、操作を分かりやすくするために、機能が制限されていることがあります。

ただ、本人が少し慣れてきて「写真を整理したい」「動画を見たい」「アプリを追加したい」と思ったときに、自由度が低く不便に感じることがあります。

また、家族が使っている一般的なスマホでは簡単にできることが、高齢者向けスマホでは手順が違ったり、設定が分かりにくかったりすることもあります。

結果として、「電話しか使っていない」「LINEもほとんど開かない」「写真を見るだけになっている」という状態になることがあります。

文字が大きすぎて逆に見づらいことがある

高齢者向けスマホは、文字が大きく表示されることが多いです。

文字が大きいことは見やすさにつながる一方で、画面に表示される情報量が少なくなり、かえって分かりづらくなることがあります。

たとえば、LINEのメッセージが少ししか表示されない、設定項目が画面の下に隠れて見つけにくい、スクロールする回数が多くなるなどです。

視力が低下している方には大きな文字が必要ですが、大きければ大きいほど使いやすいとは限りません。

本人の視力や使いたい内容に合わせて、文字サイズを調整できる機種かどうかも確認したいポイントです。

家族がサポートしにくい

高齢者がスマホを使い続けるには、購入後のサポートがとても重要です。

最初の設定、LINEの使い方、写真の送り方、電話のかけ方、迷惑電話対策、通知の見方など、慣れるまでは家族が何度も説明することがあります。

しかし、家族が使っているスマホと親のスマホの画面が違うと、電話越しに説明するのが難しくなります。

「右上を押して」と言っても画面が違う。

「設定を開いて」と言っても、どこにあるか分からない。

このような状態になると、本人も家族も疲れてしまいます。

家族がサポートする前提であれば、家族と同じOSや似た操作画面のスマホを選ぶほうが安心な場合があります。

本人がスマホを必要としていない

意外と多いのが、本人はスマホを使いたいと思っていないのに、家族がすすめて購入するケースです。

「みんなスマホだから」
「ガラケーが使えなくなるから」
「LINEで連絡できたほうが便利だから」

このような理由で家族がすすめても、本人が必要性を感じていないと、なかなか使い続けられません。

スマホは、覚えることが多く、通知やアプリ、パスワード、充電などの管理も必要です。

本人にとってメリットが感じられないままだと、「難しい」「面倒」「別に使わなくていい」となってしまいます。

高齢者向けスマホが向いている人・向いていない人

高齢者向けスマホが必ず悪いわけではありません。

人によっては、文字が大きく、メニューが整理されていることで使いやすく感じる場合もあります。

大切なのは、本人に合っているかどうかです。

高齢者向けスマホが向いている人

高齢者向けスマホが向いているのは、次のような方です。

・電話やメールなど最低限の機能が使えればよい
・画面の文字が大きいほうが安心
・スマホ教室や店頭サポートを利用したい
・新しいアプリをあまり追加しない
・複雑な設定を自分で変更しない
・家族よりも店舗サポートを頼りたい

使う目的がはっきりしていて、必要な機能が限られている方には、高齢者向けスマホが合う場合があります。

高齢者向けスマホが向いていない人

一方で、次のような方は、一般的なスマホのほうが使いやすい場合があります。

・家族に使い方を教えてもらうことが多い
・LINE、写真、動画、地図、検索などを使いたい
・家族と同じ画面で説明してもらいたい
・アプリを追加して使いたい
・動作の遅さや制限がストレスになりやすい
・スマホ操作に少しずつ慣れていきたい

特に、家族がiPhoneを使っているならiPhone、家族がAndroidを使っているならAndroidなど、同じ種類のスマホにすると教えやすくなることがあります。

高齢者向けスマホで後悔しない選び方

スマホ選びで後悔しないためには、機種名や広告の言葉だけで決めないことが大切です。

「高齢者向け」「かんたん」という表現よりも、本人が実際に使えるかどうかを基準にしましょう。

本人が何をしたいのかを確認する

まずは、本人がスマホで何をしたいのかを確認しましょう。

たとえば、目的によって向いている機種や設定は変わります。

・孫の写真や動画を見たい
・家族とLINEをしたい
・電話だけできればよい
・カメラを使いたい
・地図や乗換案内を使いたい
・YouTubeを見たい
・ネット検索をしたい
・災害時や緊急時の連絡手段にしたい

「家族が便利だから」ではなく、「本人が何に使いたいか」を聞くことが大切です。

目的が電話だけであれば、無理にスマホにしなくてもよい場合もあります。逆に、写真やLINE、動画を楽しみたい方であれば、一般的なスマホをシンプルに設定したほうが合うこともあります。

家族と同じOSを選ぶ

家族が使い方を教える予定であれば、家族と同じOSを選ぶのがおすすめです。

家族がiPhoneを使っているならiPhone、Androidを使っているならAndroidを選ぶと、画面を見ながら説明しやすくなります。

同じOSであれば、LINE、電話、カメラ、写真、設定、通知などの操作を家族が把握しやすく、トラブル時にも対応しやすくなります。

特に離れて暮らしている場合は、電話で操作説明をする場面が増えます。

そのときに画面構成がまったく違うと、説明が難しくなります。

店頭で実際に触ってから決める

スマホは、カタログや広告だけでは使いやすさが分かりません。

購入前に、できれば店頭で本人に実際に触ってもらいましょう。

確認したいのは、次のような点です。

・画面の文字は見やすいか
・タップしやすいか
・電話をかけやすいか
・LINEやメールを開きやすいか
・戻る操作が分かりやすいか
・音量は十分か
・本体の大きさや重さは持ちやすいか
・充電器を差し込みやすいか

本人が「これなら使えそう」と感じられるかどうかが重要です。

家族がよいと思っても、本人が使いにくいと続きません。

まずは練習期間を作る

いきなり契約して本格的に使い始めるのではなく、練習期間を作る方法もあります。

たとえば、家族のおさがりスマホやタブレットをWi-Fi環境で使ってもらい、LINE、写真、動画視聴などを試してみる方法です。

実際に触ってみると、本人がどこでつまずくのか、何に興味があるのか、どの操作が苦手なのかが分かります。

練習してから機種を選ぶことで、「買ったけれど使わなかった」という後悔を減らしやすくなります。

必要な機能だけに絞って設定する

スマホを使い始めるときは、最初から多くの機能を使わせようとしないことが大切です。

ホーム画面には、必要なアプリだけを置きましょう。

たとえば、

・電話
・LINE
・カメラ
・写真
・地図
・天気
・家族への連絡ボタン

など、本人が使うものだけに絞ると分かりやすくなります。

不要な通知を減らす、使わないアプリを見えにくくする、文字サイズや音量を調整するなど、最初の設定も重要です。

「何でもできるスマホ」より、「安心して使えるスマホ」を目指しましょう。

購入後のサポートを確認する

スマホは、買ったあとに使い方を覚えていくものです。

そのため、購入時にはアフターサポートも確認しておきましょう。

・初期設定をしてもらえるか
・電話帳の移行をしてもらえるか
・LINEの設定を手伝ってもらえるか
・スマホ教室があるか
・店頭で相談できるか
・電話相談窓口があるか
・家族が遠隔でサポートできるか

特に最初の数か月は、分からないことが多く出てきます。

この時期にしっかりサポートを受けられるかどうかが、スマホを使い続けられるかに大きく関わります。

機種選びで確認したいポイント

高齢者のスマホ選びでは、料金や本体価格だけでなく、日常的な使いやすさを確認しましょう。

画面の大きさ

文字や写真を見やすくするためには、ある程度画面の大きさがあるほうが安心です。

ただし、大きすぎると片手で持ちにくく、重く感じることがあります。

本人が実際に持って、重さや操作感を確認しましょう。

音の聞こえやすさ

高齢者の場合、着信音や通話音の聞こえやすさも重要です。

店頭では、スピーカー音量、着信音、通話音量、バイブレーションの強さなどを確認できると安心です。

補聴器を使っている方は、通話時に聞き取りやすいかも確認しましょう。

操作のしやすさ

タップの反応、戻る操作、ホーム画面への戻り方、電話の出方、電話の切り方など、基本操作が分かりやすいかを確認しましょう。

特に、スマホに慣れていない方は、「電話に出る」「電話を切る」「LINEを開く」「写真を見る」といった基本操作だけでもつまずくことがあります。

充電のしやすさ

スマホは毎日充電が必要です。

充電端子が差し込みにくい、ケーブルの向きが分かりにくい、充電できているか分からないといったことがあると、使わなくなる原因になります。

置くだけで充電できるタイプや、充電しやすいスタンドを使うのも選択肢です。

料金プラン

スマホ本体だけでなく、毎月の料金も確認しましょう。

通話が多いのか、インターネットをどのくらい使うのか、LINE通話を使うのかによって、合う料金プランは変わります。

使わないオプションが付いていないか、サポート料金は必要か、契約期間や解約条件はどうなっているかも確認しておくと安心です。

まとめ:高齢者向けスマホは「本人が使えるか」で選ぼう

高齢者向けスマホは、文字が大きく、画面がシンプルに見えるため、はじめてのスマホに向いているように感じるかもしれません。

しかし、実際には、専用画面が分かりづらい、家族が教えにくい、タップしにくい、機能が制限されている、本人が必要性を感じていないなどの理由で、購入後に後悔するケースもあります。

大切なのは、「高齢者向け」と書かれているかどうかではなく、本人が何をしたいのか、実際に使いやすいのか、困ったときに誰がサポートできるのかを確認することです。

スマホ選びで確認したいポイントは、次のとおりです。

・本人がスマホで何をしたいのか
・家族と同じOSで教えやすいか
・店頭で実際に触って使えそうか
・文字の大きさや音量は合っているか
・電話やLINEなど基本操作が分かりやすいか
・必要な機能だけに絞って設定できるか
・購入後のサポートを受けられるか
・毎月の料金が負担にならないか

スマホは、買って終わりではありません。使い方を覚え、困ったときに誰かに聞きながら、少しずつ慣れていくものです。

親にスマホを持ってもらいたい場合は、いきなり契約するのではなく、家族のおさがりやタブレットで練習したり、店頭で実際に触ってみたりすることから始めてもよいでしょう。

本人が安心して使えること、家族が無理なく教えられること、必要な機能だけをシンプルに使えること。

この3つを意識して選ぶことで、「せっかく買ったのに使わなかった」という後悔を減らしやすくなります。

執筆者

この記事の執筆者
清水 健児

バディファミリーサービス / 生活サポートアドバイザー

バディファミリーサービス所属。
高齢者の生活支援や介護保険外サービスの相談に多数対応。

外出サポート、買い物同行、施設探しなど、
家族だけでは難しい生活支援のサポートを行っている。

現在は地域サロンの運営や、
高齢者と家族を支える生活支援サービスの普及活動にも取り組んでいます。