◆「ナーシングホーム」ってなに?
介護施設の種類を調べていると出てくる「ナーシングホーム」。
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、これは医療と介護の両方に対応した高齢者施設のことを指します。
名前に「ナーシング(nursing)」=看護が入っているように、医療的ケアが必要な方が安心して暮らせる環境が整った施設です。
◆ナーシングホームと普通の老人ホームの違い
| 項目 | ナーシングホーム | 一般的な老人ホーム(例:介護付き有料老人ホーム) |
|---|---|---|
| 医療ケアの体制 | 24時間看護師常駐のところも多い | 看護師は日中のみ、または非常勤 |
| 医療依存度が高い方 | 受け入れ可能(胃ろう・たん吸引・在宅酸素など) | 一部の医療行為は対応不可な施設もある |
| 終末期ケア(看取り) | 積極的に対応 | 施設によっては看取りに非対応のところも |
| 対象となる方 | 医療的ケアが継続的に必要な方 | 介護が主、医療行為はあまり必要ない方 |
| 費用 | 比較的高め(月額25〜35万円以上の施設も) | サービスや立地によるが、平均よりやや安めも多い |
ナーシングホームは、病院を退院した後も医療が必要な方や、終末期を施設で過ごしたい方に向いた選択肢です。
◆ナーシングホームが向いているのはこんな方
以下のようなケースでは、ナーシングホームのほうが適している場合があります。
✅ 医療的な処置が日常的に必要な方
たとえば以下のような医療ケアに対応できる施設が多いです。
-
胃ろう・経管栄養
-
たんの吸引
-
在宅酸素療法
-
人工呼吸器
-
褥瘡(床ずれ)ケア
-
インスリン注射や血糖値管理
※対応範囲は施設によって異なるため、事前確認は必須です。
✅ がんの終末期や難病など、病院での長期療養が難しい場合
ナーシングホームは、看護師と介護士が協力して終末期ケア(看取り)にも対応できる体制を持つところが増えています。
「病院にはもう入れない」「でも家では介護ができない」——そんなときの選択肢にもなります。
✅ 病院を退院したけど、自宅に戻るのが難しいケース
「リハビリ病院を退院しなければいけないが、在宅での介護が不安」というときも、ナーシングホームが候補になります。
◆注意点:誰でも入れるわけではない?
ナーシングホームの多くは**民間運営の「住宅型有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」**などに分類されます。
そのため、入居の条件や費用は施設によって大きく異なり、介護保険の対象外のサービスも多いのが現状です。
また、医療行為に対応しているとはいえ、すべての疾患・状態に対応しているわけではないため、次の点に注意しましょう:
-
医療処置の内容によっては受け入れ不可の施設もある
-
入院治療が必要な状態の場合、対応できないこともある
-
施設の見学時に、看護師の常駐時間・医療連携先を確認することが大切
◆費用はどのくらいかかる?
ナーシングホームは、手厚い医療体制と人員配置の分、費用はやや高めになる傾向があります。
| 項目 | 一般的な目安 |
|---|---|
| 入居一時金 | 0円〜数百万円(不要の施設も多い) |
| 月額費用 | 20〜35万円程度が多い(居室・食費・介護サービス含む) |
| 医療費 | 介護保険・医療保険の自己負担分あり(1〜3割) |
医療ニーズが高いほど、介護保険だけではまかないきれない部分があるため、月額費用の確認+将来の自己負担見通しを施設見学の際にしっかり相談しましょう。
◆まとめ:医療と介護が両方必要なときの頼れる選択肢
ナーシングホームは、病気があっても「家のように安心して暮らせる場所」を目指した施設です。
「退院後にどうしたらいい?」「もう病院での治療は難しいけど、自宅介護には不安がある」そんな悩みに応えてくれる選択肢になりえます。
ただし、施設によって医療体制や費用面に違いがあるため、事前の見学・相談は不可欠です。
迷ったときは、ケアマネジャーや地域包括支援センターなど、専門職に相談しながら、自分たちに合った施設を探していきましょう。
