介護関連サービス事業協会(CSBA)とは?―介護保険外サービスの信頼性向上を目指す新たな協会

近年、高齢化が急速に進む日本社会において、公的介護保険サービスだけでは対応しきれない「介護保険外サービス(生活支援・配食・通院付き添い等)」の役割が改めて注目を集めています。

こうした背景を受けて、2025年2月27日、生活支援サービスや配食サービスなどを展開する企業10社が中心となり、「介護関連サービス事業協会(英文 Care‑related Service Business Association/略称 CSBA)」が設立されました。

協会のミッションは、

  • ・介護保険外サービスの社会的認知度を高めること

  • ・利用者・家族が安心してサービスを選べる環境を整えること

  • ・事業者が質の高いサービスを提供できるよう信頼性の仕組みを作ること

とされています。

介護関連サービス事業協会の設立までの経緯

介護関連サービス事業協会(CSBA)ができた背景には、日本の高齢化がどんどん進んでいることがあります。

お年寄りが増えるにつれ、介護が必要な人も増えていますが、「公的な介護保険のサービスだけでは十分にサポートできない…」というケースが多くなってきました。

介護保険サービスではまかないきれないサービスは、たとえば、

  • ・家事や掃除、買い物のサポート

  • ・配食(お弁当やおかずの宅配)

  • ・病院や買い物の付き添い

などがあり、働きながら家族の介護をしている人や遠方の両親のために使いたいと、全国でもニーズが高まっています。

こうした状況を受けて、「安心して利用できる介護保険外サービスを増やしたい!」「サービスの質や信頼性をちゃんと見える形で示したい!」という思いから、業界を代表する企業10社が中心となって、新しい協会をつくることになりました。

具体にどういうことをしている協会なのか

介護関連サービス事業協会(CSBA)は、介護保険の対象外となる「生活支援サービス」「配食サービス」「通院付き添いサービス」など、いわゆる介護保険外サービスの普及・信頼性向上を目的に立ち上げられた協会です。
具体的には、次のような活動を行っています:

1. サービス別ガイドラインの策定

協会では、生活支援や配食サービスなど、業種ごとにサービス提供のルールや基準となる「ガイドライン」を作成しています。

例えば、「利用者契約を結ぶ際のチェック項目」「金銭・財産管理の流れ」「情報共有・見守り体制」など、安心してサービスを利用できるように事業者に対するガイドラインが明文化されています

このようなガイドライン整備によって、利用者側が“どんなサービスなら信頼できるか”を判断しやすくなり、事業者側も“きちんとした提供体制を整える”動きが促されます。

2. 認証制度の運用(「100年人生サポート認証」など)

ガイドラインを基に、協会はサービスを一定の基準で評価・認証する制度も整えています。例えば「100年人生サポート認証」という名称で、2025年7月を目途に認証申請受付を開始する旨が公表されています。

この認証制度により、利用者やその家族が「この事業者・サービスは基準をクリアしている」と安心して選べる指標が提供されることを目指しています。

3. 情報発信・普及啓発活動

協会は、介護保険外サービスそのものの社会的認知を高めるため、広報活動・啓発イベント・業界セミナーなどを実施しています。

また、行政機関・研究機関・関連団体との連携も進めており、サービス提供環境を改善し、利用者がより適切な選択をできるような環境づくりをしています。

4. 会員事業者の質向上支援・ネットワーク構築

協会の会員となった事業者に対して、研修プログラムや情報共有の場を提供することで、サービス品質の向上を支援しています。

さらに、異なる業種(生活支援・配食・通院付き添い等)の事業者が連携することで、「地域包括ケア」「多様なニーズへの対応」という観点から、横断的なネットワークづくりも推進されています。

5. サービス分野の拡大と産業振興

協会は、現状では生活支援サービス・配食サービスを中心にガイドライン・認証体制を整備していますが、将来的には通院付き添い・住まい支援・地域交流支援といったさらなる保険外サービス分野にも範囲を広げる意向を示しています。

これは、高齢化が進む中で「介護保険だけでは賄いきれない多様なニーズ」を支える産業として、保険外サービスが成長産業となる可能性をも見据えた動きです。

つまり、介護関連サービス事業協会は、

  • 利用者が安心して“保険外サービス”を選べる環境をつくり

  • サービス提供事業者が質を保ちつつ展開できる仕組みを整え

  • 保険外サービスそのものを社会に定着させることで、地域包括ケア体制を補う役割を担おうとしています。

このような活動を通じて、高齢者・そのご家族の暮らしを支え、「安心して選び・利用できるサービス」の普及を目指しているのです。

利用者側のメリット

この協会が立ち上げられた背景には、利用者(高齢者やそのご家族)が、介護保険の枠を超えて必要とする“暮らしの中の支援”を安心して頼める環境を整えるという目的があります。利用者側にとって、具体的には次のようなメリットが期待できます。

1. 信頼できる事業者を“見える化”できる

協会では、サービス提供事業者が守るべきルールや基準(ガイドライン)を策定し、さらに一定の基準を満たす事業者を認証する制度を進めています。

これにより、利用者側は「この会社・このサービスなら安心」「基準をクリアしたマーク/ラベルがある」という指標を持ってサービス選びができる可能性が高まります。

つまり、事業者の数が多くても“どこを選べばいいか分からない”という悩みが軽くなります。

2. 多様なニーズに応じたサービスを選びやすくなる

介護保険の対象外となるサービス(例:買い物代行、配食、通院付き添い、家事支援など)は、地域や事業者によって質・内容がバラバラでした。協会が「標準」「質の目安」を整備することで、利用者は自分の状況に合ったサービスを“安心して”選びやすくなります。

例えば、「要介護認定を受けていない」「介護保険の枠を超えた支援が欲しい」という場面でも、選択肢が明確になることが期待できます。

3. 家族介護者(ケアをする側)の負担軽減につながる

協会の理念には「高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせる」「家族等の介護者の負担軽減」も明記されています。

家族が“どこに頼ればいいか分からない”という不安を抱える時、認証制度やガイドラインによる「安心できるサービス」選びの手助けがあることは大きな支えとなります。

サービス選びの時間や精神的な負担が軽くなることで、介護の全体的な“質と安心”が高まる可能性があります。

4. 将来的には地域包括ケアの“補完”としての役割

協会は、介護保険制度の中で補いきれない“暮らし支援”の領域をフォローすることを目指しています。

つまり、「介護保険サービスでできないことをカバーできるサービス」が、信頼性・透明性をもって利用できるようになるという点で、利用者にとって“制度の穴”を安心して埋められる可能性があります。

5. サービスの質が向上することで結果的に安心度が上がる

認証制度やガイドライン整備によって、事業者側も“質を維持・向上”させるインセンティブが働きます。

これにより、結果として利用者側が「サービスで困った」「この会社どうかな?」と感じるリスクが下がることが期待されます。

安心できる基準がある、選択肢が増える、家族の負担が減る、地域での暮らしを支えるサービスが頼みやすくなる、という点で、サービスを探している高齢者やそのご家族にとって「選びやすく・使いやすい環境」が整いつつあると言えます。

今後のロードマップ ― 協会が目指す未来と実行スケジュール

設立されたばかりの介護関連サービス事業協会(CSBA)は、介護保険外サービスの質・信頼性を高め、利用者が安心してサービスを選べる環境を整えるため、中期的な計画(ロードマップ)を提示しています。

ここではその主要な計画と、今後のスケジュール感をわかりやすく整理します。

1. 直近~2025年中:ガイドライン策定と認証制度スタート

協会はまず、「生活支援サービス」「配食サービス」といった保険外サービス分野を対象に、事業者が守るべき「ガイドライン」を2025年5月頃に公表しました。

続いて、ガイドラインに基づいた**認証制度「100年人生サポート認証」**を2025年7月頃に開始する予定と明記されています。

この段階では、まず対象となるサービス業種を限定しつつ、「信頼できるサービス提供事業者」を見える形にすることが重視されています。

2. 中期的展開:認証対象の拡大と事業者・利用者の利便性向上

認証制度をスタート後、対象となるサービス分野を「通院付き添い」「住まい支援」「趣味・交流支援」などに徐々に拡大する計画が示されています。

会員事業者に対して研修・情報共有・ネットワーク構築を支援する体制を強化し、地域レベルでの横断的な連携(異なるサービス分野間・自治体間)を促進していきます。

利用者側にとっても、「どこが認証を受けた安心な事業者か」が分かるよう、認証事業者リストの公開やロゴ活用、広報活動を進める予定です。

3. 長期ビジョン:保険外サービスの社会的地位向上と地域包括ケア補完体制への統合

協会は、将来的には“介護保険サービス+介護保険外サービス”のハイブリッド型支援が地域包括ケアの中で標準的な枠組みとなることを視野に入れています。

また、質的な維持・向上だけでなく、サービスの普及・事業規模の拡大を通じて「保険外サービスを補完的な産業に育てる」方向も掲げています。

将来的には、デジタル技術やICT、見守り機器を活用したサービス提供体制、さらには全国的な認証・基準の統一化を進め、ユーザー・事業者・行政が共通基盤で利用できる環境を整える意図も読み取れます。

4. スケジュールのポイントと利用者・事業者への影響

2025年中:ガイドライン公表・認証制度開始。事業者はこのタイミングで準備を進めることが重要です。

2026〜2028年頃:認証対象のサービスを拡大し、認証事業者数の増加・利用者認知の向上を図る段階。

2030年以降:保険外サービスを地域包括ケアシステムの中で補完的な位置づけとし、全国的な普及と質の維持を目指すステージ。

利用者・家族にとっては、「認証マーク」「認証事業者リスト」が使いやすくなり、選びやすさ・安心感が高まることが期待されます。

事業者にとっては、「認証取得」がビジネス上の信頼性や差別化につながるため、早期参画・準備が有利になります。

介護関連サービス事業協会は「まず基盤を整える」「次に分野拡大・普及を進める」「最終的に制度の中で位置づけを確立する」という3段階構造のロードマップを描いています。

利用者にとって安心してサービスを選べる指針を、事業者にとっては質の高い提供者として認証される機会を創出する、この流れを理解しておくことは今後のサービス選び・事業参画の双方で大きなメリットとなるでしょう。

経済産業省も関わっている ― 協会と国のつながり

介護関連サービス事業協会(CSBA)は、民間の事業者だけでなく、経済産業省(経産省)などの国の後押しを受けて誕生した協会です。

この「国も一緒に進めている」という点は、利用者や事業者にとっても大きな安心材料になっています。

なぜ経済産業省が関わっているの?

日本では高齢化が進み、介護サービスのニーズが急増しています。

その一方で、「介護保険だけではカバーしきれないサービス」(例:家事・配食・付き添い等)がどんどん必要とされています。

経済産業省は、“地域の暮らしを支える新しい産業”として、こうした保険外サービスの広がりや質の向上に早くから注目してきました。

どんな形で協力しているの?

  • 協会設立の時点から、経産省が参加しています。
    設立式や記者会見にも経済産業省の担当者が参加し、「国としても重要なテーマ」とアピールしています。

  • ガイドラインや認証制度づくりにも国が関与しています。
    サービスの基準(ガイドライン)は、経産省の方針や指針を踏まえて協会と一緒に作られています。
    つまり、国と民間が一緒になって“安心して選べるルール”を整えているのです。

利用者や家族は、国が後押ししている制度だから「安心できる」と感じやすく、事業者にとっても、「公的に認められた仕組み」で信頼度アップ。今後のビジネスチャンスも広がりやすい。

「介護保険外サービス」を、社会の新しい支えとして普及させる大きな力になるメリットがあります。

関連リンク集(外部サイトへ移動します)

介護関連サービス事業協会

認証制度「100年人生サポート認証」について

介護関連サービス事業協会設立について(経産省)

経済産業省:業界自主ガイドライン策定の通知

生活支援サービスガイドライン

配食サービスガイドライン