眠れない・疲れが取れないときに。自律神経を整えるアロマの取り入れ方

なんとなく疲れが取れない、夜になっても頭が休まらない、イライラしやすい、眠りが浅い。

このような不調が続くと、「自律神経が乱れているのかも」と感じる方も多いのではないでしょうか。

自律神経は、呼吸、体温、血流、消化、睡眠など、私たちの体の働きを無意識に調整している神経です。忙しさやストレス、睡眠不足、生活リズムの乱れなどが続くと、自律神経のバランスが崩れやすくなることがあります。

そんなときに、日々のセルフケアとして取り入れやすいのがアロマです。

アロマは、香りによって気分を落ち着けたり、リラックスする時間を作ったりするために使われます。特にラベンダーやベルガモット、ゼラニウムなどは、リラックスしたいときの香りとしてよく選ばれます。

ただし、アロマは病気を治すものではありません。自律神経の乱れによる不調が強い場合や、めまい、動悸、不眠、強い不安などが続く場合は、医療機関に相談することも大切です。

自律神経とアロマの関係、リラックスしたいときにおすすめの香り、日常での使い方、注意点をわかりやすく解説します。

自律神経とは?眠れない・疲れが取れない原因になることも

自律神経とは、私たちの意思とは関係なく、体の働きを調整している神経のことです。

たとえば、呼吸、心拍、血流、体温、消化、発汗、睡眠などは、自分で意識して動かしているわけではありません。こうした体の働きを、無意識のうちに整えてくれているのが自律神経です。

自律神経には、大きく分けて「交感神経」と「副交感神経」があります。

交感神経は、日中の活動や緊張しているときに働きやすい神経です。仕事をしているとき、集中しているとき、運動しているとき、ストレスを感じているときなどは、交感神経が優位になりやすくなります。

一方、副交感神経は、休息やリラックスしているときに働きやすい神経です。眠る前、食後、ゆったり過ごしているときなどは、副交感神経が働き、体を休ませる方向へ導いてくれます。

本来は、この2つの神経が状況に合わせて切り替わることで、心と体のバランスが保たれています。

しかし、忙しさやストレス、睡眠不足、不規則な生活が続くと、交感神経が優位な状態が長くなり、体がうまく休息モードに切り替わりにくくなることがあります。

その結果、

・夜になっても頭が冴えて眠れない
・寝ても疲れが取れない
・朝から体が重い
・イライラしやすい
・肩こりや頭痛が続く
・胃腸の調子が乱れやすい
・気持ちが落ち着かない

といった不調を感じることがあります。

もちろん、これらの不調がすべて自律神経の乱れによるものとは限りません。病気や薬の影響、ホルモンバランス、過労などが関係している場合もあります。

ただ、毎日忙しく過ごしている方ほど、体が緊張状態から抜け出せず、「休みたいのに休めない」「眠りたいのに眠れない」という状態になりやすいものです。

そんなときは、生活リズムを整えることに加えて、意識的にリラックスできる時間を作ることが大切です。

アロマは、香りを通じて気持ちを切り替えたり、眠る前のリラックスタイムを作ったりするために取り入れやすいセルフケアのひとつです。

アロマは自律神経にどう関係する?

アロマの香りをかぐと、気持ちが落ち着いたり、ほっとしたりすることがあります。

忙しい日や緊張が続いた日でも、好きな香りを感じると、ふっと肩の力が抜けるように感じる方もいるのではないでしょうか。

香りは、鼻から入り、脳へと伝わります。香りをきっかけに気分が変わったり、リラックスしやすくなったりすることがあるため、アロマは心と体を休ませる時間づくりに役立つセルフケアとして取り入れられています。

自律神経のバランスを整えるためには、日中の緊張状態から離れ、夜に向けて休息モードへ切り替えることが大切です。

しかし、仕事や家事、介護、人間関係の悩みなどで頭がいっぱいになると、夜になっても気持ちが休まらないことがあります。

そのようなときに、アロマの香りを取り入れることで、「今から休む時間」と気持ちを切り替えるきっかけになります。

たとえば、寝る前にラベンダーの香りを使う、入浴中にやさしい香りを楽しむ、仕事の合間に柑橘系の香りで深呼吸するなど、香りを使った小さな習慣が、リラックスする時間を作る助けになります。

ただし、アロマは医薬品ではありません。

「自律神経の乱れが治る」「不眠が必ず改善する」といったものではなく、あくまで心身を休ませるための環境づくりとして考えることが大切です。

眠れない状態が長く続く、強い不安がある、動悸やめまいがある、日常生活に支障が出ているといった場合は、アロマだけで対処しようとせず、医療機関に相談しましょう。

アロマは、睡眠、休養、食事、運動などの生活習慣と組み合わせることで、毎日のリラックス習慣として取り入れやすくなります。

自律神経を整えたいときにおすすめのアロマ

自律神経の乱れが気になるときは、まず「自分が心地よい」と感じる香りを選ぶことが大切です。

一般的にリラックスによいと言われる香りでも、自分にとって苦手な香りであれば、かえって落ち着かないことがあります。

アロマは、効果だけで選ぶのではなく、「この香りをかぐとほっとする」「眠る前に使いやすい」「気分が軽くなる」と感じるものを選ぶと、日常に取り入れやすくなります。

ここでは、眠れないときや疲れが取れないときに使いやすい代表的な香りを紹介します。

ラベンダー|眠る前に使いやすい定番の香り

ラベンダーは、リラックスしたいときに選ばれることが多い代表的なアロマです。

やさしく落ち着いた香りで、眠る前の時間や、緊張をゆるめたいときに取り入れやすいのが特徴です。

寝室でディフューザーを使ったり、ティッシュやコットンに1滴垂らして枕元に置いたりすると、手軽に香りを楽しめます。

「夜になっても頭が冴えてしまう」「眠る前に気持ちを落ち着けたい」という方に向いています。

ベルガモット|気分を明るくしたいときに

ベルガモットは、柑橘系のさわやかさと、やわらかな甘さをあわせ持つ香りです。

気持ちが沈みがちなときや、緊張をやわらげたいときに取り入れやすいアロマです。

日中の休憩時間や、仕事・家事の合間に使うと、気分転換しやすくなります。

ただし、ベルガモットなど一部の柑橘系精油には、肌につけたあとに紫外線を浴びると肌トラブルにつながる「光毒性」に注意が必要なものがあります。肌に使う場合は、使用方法をよく確認しましょう。

オレンジ・スイート|親しみやすく初心者にも使いやすい香り

オレンジ・スイートは、甘くやさしい柑橘系の香りです。

明るく親しみやすい香りなので、アロマ初心者の方にも取り入れやすい精油です。

気分を少し軽くしたいとき、リビングでくつろぎたいとき、眠る前にやさしい香りを楽しみたいときにも使いやすいでしょう。

家族がいる空間でも比較的なじみやすい香りです。

ゼラニウム|気持ちの揺らぎが気になるときに

ゼラニウムは、ローズに似た華やかさと、グリーンのようなさわやかさを感じる香りです。

気持ちが揺らぎやすいときや、緊張と疲れが重なっているときに、ゆったりした時間を作りたい方に向いています。

女性に好まれやすい香りでもあり、更年期前後の気分の変化が気になる方にも選ばれることがあります。

ただし、香りに個性があるため、最初は少量から試すとよいでしょう。

カモミール|ゆっくり休みたい夜に

カモミールは、やわらかく甘い香りが特徴です。

一日の終わりに気持ちを落ち着けたいときや、ゆっくり休みたい夜に取り入れやすい香りです。

ラベンダーと組み合わせて使われることもあります。

ただし、カモミールの香りは好みが分かれることがあります。強く香らせすぎず、少量から試してみるのがおすすめです。

ヒノキ|深呼吸したくなる落ち着いた香り

ヒノキは、日本人になじみのある木の香りです。

森林浴をしているような落ち着いた香りで、深呼吸したくなるようなリラックスタイムを作りたいときに向いています。

寝る前だけでなく、日中に気持ちを落ち着けたいときや、部屋の空気をすっきりさせたいときにも使いやすい香りです。

アロマを選ぶときは、「自律神経に良い香り」として有名なものを選ぶだけでなく、自分が心地よく感じるかどうかを大切にしましょう。

好きな香りを使うことで、香りをかぐ時間そのものが、心と体を休ませる習慣になっていきます。

自律神経を整えるためのアロマの取り入れ方

アロマは、特別な道具をそろえなくても、日常生活の中に取り入れることができます。

大切なのは、強い香りを長時間使うことではなく、自分が心地よいと感じる香りを、無理のないタイミングで取り入れることです。

眠れないときや疲れが取れないときは、体が緊張状態から抜け出しにくくなっていることがあります。アロマを使って「休む時間」の合図を作ることで、気持ちを切り替えやすくなります。

寝る前に香りを取り入れる

眠れない方におすすめなのが、寝る前のアロマ習慣です。

寝る直前までスマートフォンを見たり、仕事のことを考えたりしていると、頭が冴えてしまい、なかなか眠りに入りにくくなることがあります。

そのようなときは、寝る30分ほど前から照明を少し落とし、アロマの香りをほんのり取り入れてみましょう。

たとえば、次のような方法があります。

・ディフューザーで寝室に香りを広げる
・ティッシュやコットンに精油を1滴垂らして枕元に置く
・アロマストーンに精油を垂らす
・アロマスプレーを寝室に軽く使う

強すぎる香りは、かえって気になって眠りにくくなることがあります。寝る前に使う場合は、ほのかに香る程度がおすすめです。

入浴時間にアロマを取り入れる

お風呂は、体を温めてリラックスしやすい時間です。

ぬるめのお湯にゆっくりつかることで、心身が休息モードに切り替わりやすくなります。そこにアロマの香りを加えることで、より落ち着いた時間を作ることができます。

ただし、精油をそのまま浴槽に入れるのはおすすめできません。精油は水に溶けにくく、肌に直接ついて刺激になることがあります。

入浴時に使う場合は、アロマバス用に作られた製品を使うか、使用方法を確認したうえで安全に取り入れましょう。

浴室に香りを広げたい場合は、洗面器にお湯を張り、精油を1滴垂らして浴室の隅に置く方法もあります。直接肌につけずに香りを楽しめるため、手軽に取り入れやすい方法です。

仕事や家事の合間に香りで深呼吸する

日中に緊張や疲れを感じたときは、短い時間でも香りを使って気分を切り替えることができます。

仕事や家事の合間に、ティッシュに精油を1滴垂らして香りをかぐだけでも、ひと呼吸置くきっかけになります。

香りを感じながら、ゆっくり深呼吸してみましょう。

「息を吸う」「息を吐く」という動作に意識を向けることで、頭の中で考え続けていたことから少し離れやすくなります。

忙しい方ほど、長い休憩時間を取るのは難しいかもしれません。しかし、1分でも香りをかいで深呼吸する時間を作ることで、緊張をため込みにくくなることがあります。

朝はすっきりする香りで切り替える

自律神経のバランスを整えるためには、夜に休むだけでなく、朝に活動モードへ切り替えることも大切です。

朝なかなか起きられない、体が重い、気分がすっきりしないという方は、さわやかな香りを取り入れてみるのもよいでしょう。

たとえば、オレンジ・スイート、レモン、グレープフルーツ、ペパーミントなどの香りは、朝の気分転換に使いやすい香りです。

朝にカーテンを開けて光を浴び、香りを感じながら深呼吸をすることで、1日のスタートを整えやすくなります。

無理なく続けられる方法を選ぶ

アロマを続けるためには、手軽さも大切です。

毎日ディフューザーを使うのが面倒に感じる場合は、ティッシュやアロマストーンを使うだけでも十分です。

大切なのは、完璧に取り入れることではなく、「香りをきっかけに休む時間を作る」ことです。

自分にとって負担にならない方法を選び、眠る前、入浴中、仕事の合間など、生活の中に自然に取り入れていきましょう。

執筆者

この記事の執筆者
清水 健児

バディファミリーサービス / 生活サポートアドバイザー

バディファミリーサービス所属。
高齢者の生活支援や介護保険外サービスの相談に多数対応。

外出サポート、買い物同行、施設探しなど、
家族だけでは難しい生活支援のサポートを行っている。

現在は地域サロンの運営や、
高齢者と家族を支える生活支援サービスの普及活動にも取り組んでいます。