補聴器を検討するときに、気になるのが費用の高さです。補聴器は片耳だけでも数万円から数十万円かかることがあり、両耳で購入する場合はさらに負担が大きくなることもあります。
そのため、「補聴器に補助金はあるの?」「高齢の親が購入する場合、自治体から助成を受けられる?」「障害者手帳がないと対象にならないの?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
補聴器の購入費を支援する制度には、大きく分けて、障害者総合支援法に基づく補装具費支給制度と、自治体が独自に行っている高齢者向けの補聴器購入費助成があります。
補装具費支給制度は、聴覚障害で身体障害者手帳を持っている方などが対象となる制度です。一方で、最近では身体障害者手帳の対象にならない中等度難聴の高齢者などに向けて、補聴器購入費の一部を助成する自治体も増えています。
ただし、補助金や助成制度の内容は自治体によって異なります。対象年齢、所得制限、助成額、医師の意見書の有無、購入前の申請が必要かどうかなど、確認すべきポイントがいくつかあります。
補聴器の補助金・助成制度の種類、対象になりやすい人、申請前に確認したい条件、購入時の注意点についてわかりやすく解説します。
補聴器の補助金・助成制度には主に2種類ある
補聴器の購入費を支援する制度には、大きく分けて2つあります。
ひとつは、身体障害者手帳を持っている方などを対象とした「補装具費支給制度」です。もうひとつは、自治体が独自に行っている「高齢者向けの補聴器購入費助成制度」です。
まず、補装具費支給制度は、聴覚障害により身体障害者手帳を取得している方などが対象となる制度です。補聴器が必要と認められた場合、購入費の一部について公的な支給を受けられることがあります。
ただし、誰でも使える制度ではなく、聴力の状態や障害者手帳の有無、医師の意見書などが関係します。申請先はお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口になることが一般的です。
一方、自治体独自の補聴器購入費助成制度は、主に高齢者を対象とした制度です。身体障害者手帳の対象にはならないものの、加齢による聞こえにくさがあり、日常生活に支障が出ている方を支援する目的で行われていることがあります。
たとえば、一定以上の年齢であること、住民登録があること、耳鼻咽喉科医の診断や意見書があること、過去に同じ助成を受けていないこと、所得制限を満たすことなどが条件になる場合があります。
ただし、自治体による助成制度は、すべての市区町村で実施されているわけではありません。助成額や対象年齢、申請条件も自治体によって異なります。
そのため、補聴器の補助金を調べるときは、まず次の2つを確認するとよいでしょう。
・身体障害者手帳の対象になる可能性があるか
・住んでいる自治体に高齢者向けの補聴器購入費助成があるか
特に注意したいのは、補聴器を購入する前に申請が必要な制度が多いことです。先に購入してしまうと、あとから助成を受けられない場合があります。
補聴器を検討している場合は、購入前に耳鼻咽喉科や市区町村の窓口へ相談し、自分や家族がどの制度の対象になる可能性があるか確認しておきましょう。
補聴器の補助金・助成の対象になりやすい人
補聴器の補助金や助成制度は、「聞こえにくい人なら誰でも使える」というものではありません。制度ごとに対象条件が決められているため、まずは自分や家族が条件に当てはまるかを確認することが大切です。
身体障害者手帳を持っている方の場合は、補装具費支給制度の対象になる可能性があります。聴覚障害の程度が一定以上で、医師の判定により補聴器が必要と認められた場合、補聴器の購入費について支給を受けられることがあります。
一方で、身体障害者手帳の対象にはならないものの、加齢による聞こえにくさで日常生活に支障が出ている高齢者の場合は、自治体独自の補聴器購入費助成制度を利用できる場合があります。
自治体の助成制度では、次のような条件が設けられていることがあります。
・一定以上の年齢であること
・対象自治体に住民登録があること
・耳鼻咽喉科医による診断や意見書があること
・補聴器の使用が必要と認められること
・身体障害者手帳の交付対象ではないこと
・過去に同じ助成を受けていないこと
・所得制限を満たしていること
・購入前に申請していること
特に注意したいのは、自治体によって条件が大きく異なる点です。65歳以上を対象にしている自治体もあれば、70歳以上や75歳以上など、年齢条件が異なる場合もあります。助成額も、上限2万円程度のところもあれば、数万円以上を助成する自治体もあります。
また、多くの制度では、購入前の申請が必要です。先に補聴器を購入してしまうと、条件を満たしていても助成を受けられない場合があります。
「聞こえにくくなってきたから、まず補聴器を買おう」と考える前に、耳鼻咽喉科を受診し、自治体の窓口で助成制度の有無を確認しておきましょう。
補助金や助成の対象になるかどうか分からない場合は、お住まいの市区町村の高齢福祉課、障害福祉課、地域包括支援センターなどに相談すると安心です。
補聴器の補助金・助成を申請する流れ
補聴器の補助金や助成を利用したい場合は、購入前に申請の流れを確認しておくことが大切です。
制度によって細かな手続きは異なりますが、一般的には次のような流れで進みます。
まず、お住まいの自治体に補聴器購入費の助成制度があるか確認します。自治体のホームページで調べるほか、高齢福祉課、障害福祉課、地域包括支援センターなどに問い合わせるとよいでしょう。
次に、耳鼻咽喉科を受診します。聞こえにくさの原因が、加齢による難聴なのか、耳あかや耳の病気によるものなのかを確認してもらうためです。制度によっては、医師の意見書や診断書が必要になる場合があります。
その後、自治体の窓口で申請書類を提出します。必要書類としては、申請書、本人確認書類、医師の意見書、補聴器の見積書などが求められることがあります。
申請が認められると、助成決定の通知が届きます。多くの場合、この決定を受けてから補聴器を購入する流れになります。先に購入してしまうと助成対象外になることがあるため、必ず自治体の案内に従いましょう。
補聴器を購入した後は、領収書や購入証明書などを提出し、助成金の支給を受けます。自治体によっては、購入費の一部が後日振り込まれる場合や、指定の販売店で購入する必要がある場合もあります。
申請の流れをまとめると、次のようになります。
- 自治体に補助金・助成制度があるか確認する
- 耳鼻咽喉科を受診する
- 医師の意見書や診断書を用意する
- 補聴器販売店で見積書をもらう
- 自治体に申請する
- 助成決定後に補聴器を購入する
- 領収書などを提出し、助成金を受け取る
特に大切なのは、「購入前に申請すること」です。補聴器は高額になることもあるため、助成制度を利用できる可能性がある場合は、先に購入せず、必ず自治体や窓口に確認してから進めましょう。
補聴器を購入する前に注意したいポイント
補聴器の補助金や助成制度を利用したい場合は、購入前の確認がとても大切です。
まず注意したいのは、助成制度の多くが「購入前の申請」を条件としていることです。先に補聴器を買ってしまうと、あとから申請しても助成の対象にならない場合があります。
「聞こえにくいから早く買ってあげたい」と思うかもしれませんが、補助金を利用したい場合は、購入前に自治体の窓口へ確認しましょう。
また、補聴器は価格だけで選ばないことも大切です。安いものを選んでも、本人の聞こえ方に合っていなければ、使いにくく感じて結局使わなくなってしまうことがあります。
補聴器は、購入して終わりではありません。実際に使いながら、音の大きさや聞こえ方を調整していくことが必要です。そのため、購入後の調整やメンテナンスに対応してくれる販売店を選ぶと安心です。
特に高齢の方の場合は、次のような点も確認しておきましょう。
・本人の聴力に合った補聴器か
・耳鼻咽喉科で相談しているか
・試聴や貸し出しができるか
・購入後の調整に対応しているか
・電池交換や充電がしやすいか
・本人が無理なく装着できるか
・保証や修理対応があるか
・自治体の助成対象となる販売店か
また、補聴器と集音器を混同しないことも大切です。補聴器は医療機器ですが、集音器は周囲の音を大きくする一般的な機器です。自治体の助成制度では、集音器は対象外となることが多いため、購入前に対象機器を確認しましょう。
聞こえにくさの原因によっては、補聴器以外の治療や対応が必要な場合もあります。耳あかや中耳炎など、耳の病気が関係しているケースもあるため、まずは耳鼻咽喉科で耳の状態を確認することが大切です。
補聴器は、本人の生活の質や家族との会話に関わる大切な道具です。補助金の有無だけでなく、本人が安心して使い続けられるかどうかも含めて選びましょう。
まとめ:補聴器の補助金は、購入前に自治体へ確認しよう
補聴器は高額になることもあるため、購入を検討するときは補助金や助成制度を利用できるか確認しておくことが大切です。
補聴器の費用を支援する制度には、身体障害者手帳を持っている方などを対象とした補装具費支給制度と、自治体が独自に行っている高齢者向けの補聴器購入費助成制度があります。
ただし、助成制度の内容は自治体によって異なります。対象年齢、所得制限、助成額、医師の意見書の有無、購入できる補聴器の条件などは、市区町村ごとに確認が必要です。
特に注意したいのは、補助金や助成制度の多くが「購入前の申請」を条件としている点です。先に補聴器を購入してしまうと、あとから申請しても助成を受けられない場合があります。
補聴器を検討している場合は、まず耳鼻咽喉科で聞こえにくさの原因や聴力の状態を確認しましょう。そのうえで、お住まいの自治体の高齢福祉課や障害福祉課、地域包括支援センターなどに相談し、利用できる制度があるか確認するのがおすすめです。
また、補聴器は購入して終わりではなく、本人の聞こえ方に合わせて調整しながら使うものです。価格だけで選ぶのではなく、試聴や調整、購入後のメンテナンスに対応してくれる販売店を選ぶことも大切です。
高齢の親の聞こえにくさが気になる場合は、「まだ大丈夫」と先延ばしにせず、早めに相談してみましょう。補助金や助成制度を上手に活用しながら、本人に合った補聴器を選ぶことで、家族との会話や日常生活の安心につながります。
