グループホームと老人ホームの違いとは?あなたに合った施設の選び方

母親の介護施設を探していますが、「グループホーム」と「老人ホーム」の違いがよくわかりません。どちらが合っているか、どう選べばいいのでしょうか?


介護施設選びは人生の大きな決断。違いをしっかり理解しておきましょう。

こんにちは。ご相談ありがとうございます。

「グループホーム」と「老人ホーム」は、どちらも高齢者が入居してケアを受ける施設ですが、目的や対象者、介護の内容に明確な違いがあります。結論から言えば、お母さまが認知症を患っているかどうかが、まず一つの大きな判断基準になります。

以下で、具体的な違いと選び方のポイントをわかりやすく解説します。

グループホームとは?認知症の方が安心して暮らせる小規模な介護施設

グループホームとは、認知症の高齢者が少人数(1ユニット5〜9人)で共同生活を送りながら、スタッフの支援を受けて日常生活を営む施設です。正式名称は「認知症対応型共同生活介護」で、厚生労働省が定める介護保険サービスの一つにあたります。

●対象者は「認知症」の診断を受けた高齢者

グループホームへの入居には、以下のような条件があります。

  • 医師による認知症の診断を受けていること

  • 要支援2または要介護1以上の認定を受けていること

  • 施設と同一の市区町村に住民票があること(地域密着型のため)

そのため、認知症が進行していても、まだある程度自立して生活できる方に向いている施設と言えます。

●少人数で「家庭的な雰囲気」が特長

グループホームは、最大9人の小規模なユニットで生活を共にします。スタッフと利用者が顔なじみになりやすく、まるで家族のような関係を築けることが大きなメリットです。

リビングやキッチン、トイレなどを共同で使いながら、掃除・洗濯・料理といった日常の家事も、できる範囲で自分たちで行います。こうした「役割」を持つことで、認知症の進行を緩やかにし、本人の自尊心や生活の張りを保つ効果があるとされています。

●スタッフが24時間体制で見守り・支援

グループホームでは、介護スタッフが24時間常駐しており、入浴・排せつ・食事などの基本的な介護サービスを提供します。また、夜間の見守りや緊急時の対応も万全です。

ただし、医療体制は比較的簡素で、常駐の看護師がいない施設も多いため、持病や医療的ケアが多い方には向かない場合もあります。

●費用の目安

グループホームの費用は、地域や施設によって異なりますが、概ね以下のような金額感です。

  • 月額費用:12万〜18万円前後(介護保険の自己負担分、家賃、食費、光熱費など含む)

  • 入居一時金は不要な施設が多く、比較的入居のハードルが低いのも魅力です。

●グループホームが向いている方

  • 認知症の診断を受けている

  • まだある程度自立して生活ができる

  • 落ち着いた環境で生活したい

  • 家庭的な雰囲気の中で安心して暮らしたい

このように、グループホームは認知症の方が「できること」を大切にしながら、安心して暮らせる環境です。「ただケアを受ける」のではなく、「自分らしく暮らす」ことを重視した施設だと言えるでしょう。

老人ホームとは?幅広いニーズに対応する高齢者向け介護・生活施設の総称

「老人ホーム」とは、高齢者が安心して生活するための住まいを指す、広い意味での総称です。実際には、介護が必要な方に対応した施設や、元気な高齢者向けの施設まで、さまざまな種類があります。

●老人ホームには大きく分けて3つのタイプがある

「老人ホーム」と一言でいっても、その内容やサービスは大きく異なります。ここでは代表的な3つの種類をご紹介します。

① 特別養護老人ホーム(特養)
  • 対象者:要介護3以上の高齢者(原則)

  • 運営主体:社会福祉法人や自治体などの公的機関

  • 特徴

    • 介護度が重く、常時介護が必要な方向け

    • 費用が比較的安く、長期入所に適している

    • 医療ケアが必要な場合の受け入れに制限があることも

  • 注意点:人気が高いため待機期間が長いケースが多い

② 介護付き有料老人ホーム
  • 対象者:要支援・要介護の認定を受けた方

  • 運営主体:主に民間企業

  • 特徴

    • 24時間体制で介護職員が常駐

    • 食事、入浴、排せつ介助など日常の介護サービスが充実

    • 施設によっては看護師や医療機関と提携しているところも

  • 費用:月額15〜30万円前後+入居一時金が必要な場合もある

③ 住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
  • 対象者:比較的元気な高齢者、自立または要支援程度

  • 特徴

    • 見守りや生活支援が中心で、常時の介護サービスは含まれない

    • 必要に応じて外部の訪問介護サービスを利用

    • 生活の自由度が高く、自宅に近い感覚で暮らせる

●「老人ホーム」と「グループホーム」の大きな違いとは?

比較項目 グループホーム 老人ホーム(特養・有料など)
対象 認知症の診断を受けた方のみ 高齢者全般(介護の有無問わず)
定員・規模 小規模(9人以下/ユニット) 中〜大規模(数十〜数百人)
雰囲気 家庭的、共同生活 サービス重視、やや施設的
医療体制 基本的な介護中心、医療対応は限定的 看護師常駐や医療連携がある施設も多い
費用 比較的安価(月12〜18万円前後) 内容や施設により幅が広い(月15〜30万円以上も)

●老人ホームはこんな方に向いています

  • 認知症ではないが、日常生活に支援が必要

  • 介護度が高く、常時のケアや見守りが必要

  • 医療的ケアや看護対応が必要な持病がある

  • 一人暮らしに不安があり、見守られながら生活したい

老人ホームは、高齢者の暮らしを幅広く支える選択肢の一つです。介護の重さや希望する生活スタイルに応じて、自分に合ったタイプを選ぶことが何より重要です。