80代の母に肩を揉んであげたら、「そこは痛い」「強すぎる」と言われてしまいました。
自分ではそんなに強くしているつもりはなかったのですが、若い人と同じようにマッサージすると、どうも高齢の母にはきつすぎたようです。
高齢者にはどんなふうにマッサージしてあげればいいのでしょうか?
効果的な方法や気をつける点があれば教えてください。
とても優しいお気持ちのこもったご相談、ありがとうございます。
「疲れていそうだから、少しでも楽にしてあげたい」——その気持ちは、高齢のご家族にもきっと伝わっていると思います。
ただ、高齢者へのマッサージは、若い人と同じ感覚で行うと、逆に痛みやケガの原因になることもあるため、いくつかの注意が必要です。
以下で、やさしく、安心してできる「高齢者へのマッサージの基本」をご紹介します。
◆高齢者の体は「やさしすぎるくらい」でちょうどいい
加齢によって、高齢者の体には次のような変化が起こります:
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筋肉が減少し、皮膚や脂肪も薄くなる
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骨がもろくなり、関節も硬くなる
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血管がもろく、圧迫に弱い
つまり、若い人と同じ力加減では“強すぎるのが普通です。
また、高齢者の中には「痛い」とすぐに言えない方や、認知症などで感覚が変化している方もいるため、最初からとにかく“やさしく、浅く、短く”を心がけるのが基本です。
◆具体的なマッサージのやり方・ポイント
✅ 1. さする(撫でる)が基本
「揉む」「押す」よりも、まずは手のひらでやさしくさすることから始めましょう。
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手のひら全体で皮膚をあたためるように、一定方向にゆっくりさする
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力加減は「ティッシュが1枚動くくらいの強さ」で十分です
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肩・背中・足・手の甲などが心地よいと感じる方が多いです
✅ 2. 「揉む」「押す」なら、ごく軽く・短時間
どうしても肩こりなどが気になる場合は、
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指ではなく、手のひら全体で軽く押さえる程度
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筋肉の上をやさしく3〜5秒押して、離すを繰り返す
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長時間は禁物。1部位につき1〜2分までを目安に
力を入れるというより、“手の温かさを届ける”ようなイメージがちょうどいいです。
✅ 3. 会話しながら反応を見る
「このくらいの強さでどう?」と声をかけながら、表情や体の動きをよく見てください。
「気持ちいい」と言われたとしても、顔がしかめっ面になっていれば強すぎるサインです。
◆避けたほうがいいマッサージ
高齢者の体調や病歴によっては、マッサージが逆効果になるケースもあります。
⚠️ 以下のような場合はマッサージを避けましょう:
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骨粗しょう症がある(骨折のリスク)
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高血圧が強く出ているとき
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心不全や不整脈の持病がある
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血栓(エコノミークラス症候群など)を指摘されている
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炎症や腫れがある部位
ご本人の健康状態がわからない場合や不安なときは、まずかかりつけ医や訪問看護師に相談を。
◆「マッサージ=技術」ではなく「ふれあい」が大切
高齢者にとってのマッサージは、体の不調を和らげるだけでなく、心の安心にもつながるふれあいの時間です。
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「大丈夫?疲れてない?」
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「手、冷えてるね。ちょっとあたためようか」
そんな会話を交えながら、ゆっくりと手を当てるだけでも、十分な癒しになります。
◆まとめ:「強くないと効かない」は高齢者には逆効果!
マッサージ=「強く押す」「ぐいぐい揉む」と思いがちですが、高齢者の場合はそれが逆に危険になることもあります。
ポイントは、
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力は極力やさしく
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短時間、温かい手で触れることを意識する
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会話と反応を見ながら進める
“効果”よりも、“安心感”を重視したふれあいが、何よりのケアになります。
どうぞ、これからもその優しい気持ちを大切に、ご家族との時間を過ごしてくださいね。