80代の母がテレビ通販やカタログ通販を頻繁に利用しています。必要のないものまで買ってしまい、部屋は物であふれ、お金の管理も心配です。注意すると怒るので、どうやって通販をやめさせたらいいのか困っています。
ご相談ありがとうございます。
高齢の親が通販をやめられないケースは近年増えており、多くのご家族が同じような悩みを抱えています。
「やめさせたい」と思うのは当然ですが、強く言うだけでは逆効果になることも。まずは原因を理解し、段階的に対処していくことが大切です。
高齢者が通販をやめられない理由と、やめさせるための具体的な対策
なぜ高齢者は通販をやめられないのか?
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孤独や暇つぶしの手段になっている
テレビやカタログを見ることで「誰かとつながっている感覚」や「新しいものに触れる喜び」を感じています。 -
通販業者の営業トークが巧み
「今だけ」「限定」「お得」などの言葉に心を動かされやすいのは、高齢者も例外ではありません。 -
判断力・金銭感覚の変化
加齢により判断力が低下し、「本当に必要かどうか」を見極めづらくなっている可能性もあります。
高齢者に通販をやめさせるための具体的な対策
高齢の家族に「通販をやめてほしい」と伝えるのは、思っている以上に難しいものです。通販に依存している背景には、心理的・社会的な要因が絡んでいる場合が多いため、単に「やめて」と言うだけでは、理解してもらえないこともあります。
ここでは、無理なく、そして相手の尊厳を守りながら通販の利用を減らすための5つの具体的な方法を紹介します。
1. 否定から入らない。「なぜ買っているのか」を知ることから始めよう
まず大切なのは、「なぜその商品を買ったのか」「どうして通販を利用しているのか」という本人の気持ちを知ることです。高齢者にとって通販は、商品を買うだけの行為ではなく、日常に刺激を与える楽しみの1つになっていることがあります。
「こんなもの、必要ないでしょ!」といった否定的な言葉を投げかけるのではなく、「この商品、何に使うの?」「どうしてこれが気になったの?」と、会話を通じて背景にある思いや生活の変化に寄り添う姿勢を持ちましょう。
2. 買い物履歴を一緒に確認し、「見える化」して自覚を促す
高齢者の中には、「どれだけ買っているか」「いくら使っているか」を正確に把握していない方も少なくありません。そこで有効なのが、一緒に通販の明細書やクレジットカードの利用履歴を確認することです。
「先月はこれだけ使ってるけど、本当に必要なものだったかな?」といった形で問いかけながら、金額や購入頻度を可視化していきましょう。本人が「こんなに使ってたんだ」と驚き、自主的に控えるようになるケースも多いです。
また、商品が届いても使われていないものがあれば、それも見直しのきっかけになります。「使っていないものの山」を一緒に見て、整理することも行動変容につながります。
3. 代わりの楽しみや買い物の方法を提案する
通販をやめるように伝えるだけでは、習慣は簡単には変わりません。代わりになる楽しみや習慣を提案することで、「通販をしなくても満足感が得られる」と感じてもらうことが大切です。
例えば、
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一緒にスーパーやショッピングモールへ出かける
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月に一度、「買い物の日」を設ける
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近所の直売所や商店街を訪れて、会話を楽しむ
といった**「人と関わる買い物体験」**を取り入れると、通販で得ていた満足感をリアルな体験で補うことができます。
また、趣味活動(園芸、手芸、料理など)を提案したり、地域のサークルや集まりに参加してもらうことで、通販以外に時間や関心を向けられる環境づくりを目指しましょう。
4. 通販の利用を制限する具体的な工夫を取り入れる
必要に応じて、通販の利用自体に制限を設けることも検討しましょう。以下のような方法があります。
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通販カタログの送付を停止する:企業に直接連絡すれば、カタログの郵送停止が可能です。
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テレビショッピング番組を録画制にする/視聴制限をかける:レコーダーやスマートテレビの設定で制限が可能です。
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スマートフォンやタブレットに購入制限の設定をする:パスワード認証をつけたり、決済アプリの使用制限を設けたりできます。
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クレジットカードの利用限度額を下げる、または家族名義に切り替える:過剰な購入を防ぐために実効性のある方法です。
このように、物理的・技術的な制限を「仕組みとして」整えることで、本人が通販に依存しにくい環境を作ることができます。
5. 第三者や専門家のサポートを活用する
親子間のやりとりでは感情がぶつかりやすく、うまく伝えられないこともあるでしょう。そういった場合は、介護職やケアマネジャー、地域包括支援センターの相談員など、第三者の協力を得るのがおすすめです。
特に、高齢者が認知症の初期段階にある場合や、買い物依存の傾向が見られる場合には、早めに専門機関に相談することが大切です。介護保険を利用して、生活の見守りや金銭管理の支援を受けることも可能です。
また、「成年後見制度」や「日常生活自立支援事業」といった法的・行政的サポートも検討の余地があります。
通販を「やめさせる」のではなく、「代わりを用意する」がポイント
高齢者が通販に頼る背景には、心理的な孤独、生活の退屈、そして「自分で選んでいる」という感覚を得たいという気持ちがあります。だからこそ、強制的に止めるのではなく、「一緒に見直そう」「他にも楽しいことがあるよ」と前向きな提案を添えることが重要です。
本人の尊厳を守りながら、家族全体で少しずつ生活を整えていくことで、通販への依存を自然と手放してもらえるはずです。
まとめ:通販依存は「注意」ではなく「理解」と「工夫」で改善できる
高齢者が通販をやめられない背景には、心理的・社会的な要因があります。大切なのは、頭ごなしに止めるのではなく、「なぜそうしているのか?」に目を向け、少しずつ習慣を変える手助けをすることです。