介護休暇を取る条件とは?対象家族・取得日数・申請方法をわかりやすく解説

 

ご相談者

仕事を続けながら、親の介護をしたいと思っています。でも、介護休暇を取るにはどんな条件があるのか分かりません。会社は介護休暇を認めてくれるのか、不安です。介護休暇の条件や申請のポイントを教えてください。

ご相談ありがとうございます。

介護休暇は、要介護状態にある家族の介護や世話をするために、労働者が取得できる休暇制度です。親の通院付き添い、介護サービスの手続き、ケアマネジャーとの打ち合わせなど、仕事を続けながら介護に対応するために活用できます。

介護休暇は、会社独自の福利厚生ではなく、育児・介護休業法に基づく制度です。そのため、条件を満たしていれば、会社に制度が書かれていない場合でも申請できます。

ただし、介護休暇を利用するには、対象となる家族がいること、その家族が「要介護状態」にあること、日々雇用される労働者ではないことなど、いくつかの条件があります。

介護休暇を取るための条件、対象となる家族、取得できる日数、申請方法、注意点についてわかりやすく解説します。

介護休暇とは?

介護休暇とは、要介護状態にある家族の介護や世話をするために、仕事を休める制度です。

ここでいう「介護や世話」には、直接的な介助だけでなく、通院の付き添い、介護サービスの手続き、ケアマネジャーとの打ち合わせ、役所での手続きなども含まれます。

たとえば、次のような場面で利用できます。

・親の病院受診に付き添う
・介護サービスの契約や手続きを行う
・ケアマネジャーとの面談に出席する
・介護施設の見学や相談に行く
・急な体調不良で家族の見守りが必要になった
・介護に関する役所手続きに対応する

介護休暇は、長期間仕事を休む「介護休業」とは異なり、短期的・単発的な介護対応に使いやすい制度です。

「数時間だけ休みたい」「1日だけ付き添いが必要」という場合に活用しやすいのが、介護休暇の特徴です。

介護休暇を取得するための主な条件

介護休暇を取得するには、主に次の条件を満たす必要があります。

1. 要介護状態にある対象家族がいること

介護休暇は、家族の介護や世話を目的とした休暇です。そのため、まずは介護が必要な対象家族がいることが条件になります。

ここでいう「要介護状態」とは、けがや病気、身体上または精神上の障害によって、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態をいいます。

介護保険の要介護認定を受けている場合は分かりやすいですが、必ずしも介護保険の認定がなければ使えないというわけではありません。状態によっては、通院付き添いや日常生活の世話が必要な場合も対象になることがあります。

2. 対象となる家族の範囲に入っていること

介護休暇の対象となる家族は、法律で範囲が決められています。

対象となるのは、配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母です。配偶者には、事実婚の相手も含まれます。

たとえば、自分の親だけでなく、配偶者の親の介護でも介護休暇を取得できます。

一方で、親戚や知人、近所の方などは、原則として介護休暇の対象家族には含まれません。

3. 労働者であること

介護休暇は、対象家族を介護する労働者が取得できる制度です。

正社員だけでなく、パートやアルバイト、契約社員などでも、条件を満たせば取得の対象になります。

ただし、日々雇用される労働者は対象外です。また、労使協定がある場合には、1週間の所定労働日数が2日以下の労働者が対象外となることがあります。

以前は、継続雇用期間が6か月未満の労働者を労使協定で対象外にできる扱いがありましたが、2025年4月1日からその要件は廃止されています。

そのため、「入社して間もないから絶対に使えない」と自己判断せず、会社の就業規則や人事担当者に確認してみましょう。

介護休暇で取得できる日数

介護休暇で取得できる日数は、対象家族の人数によって異なります。

対象家族が1人の場合は、1年間に5日まで取得できます。対象家族が2人以上いる場合は、1年間に10日まで取得できます。

たとえば、父親だけを介護している場合は年5日まで、父親と母親の両方に介護が必要な場合は年10日まで取得できます。

この「1年間」は、会社が特に定めていない場合、毎年4月1日から翌年3月31日までとされるのが一般的です。ただし、会社によって年度の考え方が異なることもあるため、就業規則を確認しておくと安心です。

介護休暇は時間単位でも取得できる

介護休暇は、1日単位だけでなく、時間単位でも取得できます。

そのため、丸1日休むほどではない場合でも、午前中だけ通院に付き添う、午後からケアマネジャーと面談する、数時間だけ役所手続きに行くといった使い方ができます。

介護は、急な対応や短時間の用事が発生しやすいものです。時間単位で取得できることを知っておくと、仕事との両立がしやすくなります。

ただし、業務の性質によっては、時間単位での取得が難しい労働者を労使協定で対象外としている場合があります。その場合は、1日単位での取得となることがあります。

自分の職場でどのように取得できるかは、就業規則や人事担当者に確認しましょう。

介護休暇中の給与はどうなる?

介護休暇中の給与については、法律上、必ず有給にしなければならないとは定められていません。

そのため、介護休暇を有給にするか無給にするかは、会社の就業規則によって異なります。

会社によっては、介護休暇を無給としている場合もありますし、独自の制度として有給扱いにしている場合もあります。また、年次有給休暇とは別に、介護目的の特別休暇を設けている会社もあります。

介護休暇を申請する前に、給与の扱いについても確認しておくと安心です。

なお、介護休暇は年次有給休暇とは別の制度です。会社が「有給休暇を使ってください」と案内する場合でも、介護休暇として使える場面かどうかを確認しておきましょう。

介護休暇の申請方法

介護休暇の申請方法は、会社の就業規則や社内ルールによって異なります。

法律上は、必ず書面で申請しなければならないわけではなく、口頭での申出も可能とされています。ただし、実際の職場では、勤怠管理や記録のために申請書や社内システムでの手続きを求められることが多いでしょう。

一般的には、次のような流れで申請します。

1. 介護が必要な家族の状況を整理する

まず、誰の介護で休暇が必要なのか、どのような対応が必要なのかを整理します。

たとえば、「母の通院付き添い」「父のケアマネジャー面談」「配偶者の父の介護サービス手続き」など、目的を簡単に説明できるようにしておくとスムーズです。

2. 就業規則や社内ルールを確認する

次に、会社の就業規則や社内規程を確認します。

確認したいポイントは、申請方法、申請期限、取得単位、給与の扱い、必要書類の有無です。

分からない場合は、人事担当者や総務担当者に「介護休暇を取得したいのですが、申請方法を教えてください」と相談しましょう。

3. 上司や人事に相談する

介護休暇を取る日が決まっている場合は、できるだけ早めに上司や人事に相談しましょう。

急な通院や体調不良などで直前の申請になることもありますが、事前に介護の状況を共有しておくと、職場側も業務調整をしやすくなります。

伝えるときは、詳しい家庭事情をすべて話す必要はありません。

「親の通院付き添いのため、〇月〇日の午前中に介護休暇を取得したいです」
「ケアマネジャーとの面談があるため、〇月〇日に時間単位で介護休暇を申請したいです」

このように、必要な範囲で具体的に伝えるとよいでしょう。

4. 介護休暇の申請を行う

会社指定の申請書や勤怠システムがある場合は、それに沿って申請します。

申請書には、一般的に次のような項目を記入します。

・申請者の氏名
・所属部署
・介護対象者との続柄
・取得希望日または時間
・介護や世話が必要な理由
・連絡先

必要に応じて、医師の診断書や介護保険被保険者証、要介護認定に関する書類などの提出を求められることもあります。ただし、すべてのケースで診断書が必須というわけではありません。

会社から書類の提出を求められた場合は、どの書類が必要なのか、コピーでよいのか、どこまでの情報を提出すればよいのかを確認しましょう。

介護休暇を申請するときの注意点

介護休暇は法律で定められた制度ですが、職場でスムーズに取得するためには、いくつか注意したい点があります。

まず、早めに相談することです。介護は急に始まることもありますが、通院予定やケアマネジャーとの面談など、日程が分かっているものは早めに職場へ共有しておくと安心です。

次に、業務の引き継ぎを意識することです。介護休暇は労働者の権利ですが、同僚や上司と協力しながら業務を調整することで、職場の理解を得やすくなります。

また、介護休暇だけで対応しきれない場合は、介護休業、短時間勤務制度、所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限など、ほかの両立支援制度もあわせて検討しましょう。

介護は、1日休めば終わるものではなく、長く続くこともあります。無理をして仕事と介護を一人で抱え込むのではなく、制度や介護サービスを組み合わせて負担を減らすことが大切です。

まとめ:介護休暇の条件を知り、早めに職場へ相談しよう

介護休暇は、要介護状態にある家族の介護や世話をするために取得できる休暇制度です。

対象となる家族は、配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母です。親の通院付き添いや介護サービスの手続き、ケアマネジャーとの打ち合わせなどにも利用できます。

取得できる日数は、対象家族が1人の場合は年5日まで、2人以上の場合は年10日までです。1日単位だけでなく、時間単位で取得できるため、短時間の介護対応にも活用しやすい制度です。

介護休暇は、正社員だけでなく、パートやアルバイト、契約社員などでも条件を満たせば取得できます。ただし、日々雇用される労働者は対象外であり、労使協定がある場合には、週の所定労働日数が2日以下の労働者が対象外となることがあります。

介護休暇を取得したい場合は、まず就業規則や社内ルールを確認し、早めに上司や人事担当者へ相談しましょう。給与の扱いや申請方法、必要書類の有無もあわせて確認しておくと安心です。

仕事と介護の両立は、一人で抱え込むほど負担が大きくなります。介護休暇の条件を正しく知り、必要な制度や介護サービスを活用しながら、無理のない形で介護と仕事を続けていきましょう。

執筆者

この記事の執筆者
清水 健児

バディファミリーサービス / 生活サポートアドバイザー

バディファミリーサービス所属。
高齢者の生活支援や介護保険外サービスの相談に多数対応。

外出サポート、買い物同行、施設探しなど、
家族だけでは難しい生活支援のサポートを行っている。

現在は地域サロンの運営や、
高齢者と家族を支える生活支援サービスの普及活動にも取り組んでいます。