「母の介護が始まりそうなのですが、ケアマネージャーってそもそもどこにいるんでしょうか?
役所に行けば会えるのか、施設にいるのか…どこに相談したらいいのかすらわからなくて、不安です。」
ご相談ありがとうございます。
家族の介護が現実になったとき、まず最初に多くの人がぶつかるのが「誰に相談したらいいの?」という壁です。
中でも「ケアマネージャー(介護支援専門員)」という言葉は聞いたことがあっても、どこにいるのか、どうやって会えるのかがわからないという声が多く聞かれます。
ケアマネージャーとは?どんな役割の人なのか
ケアマネージャー(正式には「介護支援専門員」)は、介護を必要とする高齢者と、そのご家族を支える“相談のプロ”です。
介護保険制度の仕組みに精通しており、本人の状態や生活環境を踏まえて、最適な介護サービスの計画(ケアプラン)を作成するのが主な仕事です。
どんなときに必要なの?
たとえば――
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「退院後、家でどんな介護サービスが使えるかわからない」
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「訪問介護やデイサービスってどうやって申し込めばいいの?」
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「親が介護保険を受けるにはどうしたらいいの?」
こんなときに、ケアマネージャーが間に入って手続きをサポートし、本人の状況に合ったサービス利用を調整してくれます。
「介護に関する窓口担当・調整役」だと思っていただくと分かりやすいです。
行政手続き、介護サービス事業者とのやり取り、ご家族へのアドバイスまで、幅広く支援してくれる心強いパートナーです。
ケアマネージャーはどこにいる?探し方のポイント
「ケアマネージャーに相談したいけど、どこに行けば会えるの?」という疑問はとても多いです。
実は、ケアマネージャーはさまざまな場所に所属しており、目的によって適切な窓口が異なります。
1. 居宅介護支援事業所(地域のケアマネが所属する場所)
自宅での介護を考えている場合は、「居宅介護支援事業所」にいるケアマネージャーに相談するのが一般的です。
地域の介護事業所や訪問看護ステーションなどに併設されていることもあり、役所や地域包括支援センターに尋ねれば紹介してもらえます。
探し方のコツ:
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市区町村の高齢者福祉課に「居宅介護支援事業所の一覧をください」と尋ねる
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地域包括支援センターに直接相談してみる
2. 地域包括支援センター
65歳以上の方の総合相談窓口である地域包括支援センターにも、主任ケアマネージャーが在籍しています。
介護保険の申請前や、支援が必要かどうか分からない段階でも気軽に相談できる場所です。
例:
「母が最近よく転ぶようになった。まだ介護申請はしていないけど不安…」
→ 地域包括支援センターに相談すると、必要に応じてケアマネや医療との連携も行ってくれます。
3. 介護施設内のケアマネージャー
特別養護老人ホームやグループホームなど、施設に入居している方には、その施設専属のケアマネージャーが担当します。
施設入所前から相談可能な場合もあるため、入所を検討している方は事前に問い合わせてみるのがよいでしょう。
ケアマネージャーに相談できること・できないこと
ケアマネージャー(正式名称:介護支援専門員)は、介護保険サービスの調整や相談に関する専門職ですが、何でも対応できるわけではありません。
ここでは、「どこまで相談できるのか?」という疑問にお答えします。
相談できること
1. 介護保険サービスの利用に関すること
「デイサービスってどうやって使うの?」「訪問介護って何をしてくれるの?」
→ ケアマネは、ご本人や家族の希望に沿ったサービスの組み立てや、手続きの代行を行います。
2. 介護保険の申請手続き
「申請の仕方がわからない」「主治医の意見書ってどうすればいいの?」
→ 初めての申請でも、手順を教えてもらえたり、書類の準備を手伝ってもらえる場合も。
3. 家庭での介護の相談
「トイレに間に合わないことが増えてきた」「夜間の見守りが大変」
→ 状況に応じて適切なサービス(福祉用具や訪問介護)を提案してくれます。
4. サービス事業者との連携・調整
→ どの事業所に依頼するか、料金やサービス内容の調整など、すべてケアマネが間に入って動いてくれます。
相談できないこと
1. 医療行為の判断や治療方針
ケアマネは医師ではないため、「薬の処方」「病気の診断」などはできません。医療的な相談は主治医へ。
2. 家族内の相続・金銭トラブルの解決
介護の相談とは異なる法的な問題については、弁護士や専門家に依頼する必要があります。
3. 高齢者本人の意思に反したサービスの強制
たとえ家族が希望しても、ご本人の同意なく無理にサービスを導入することはできません。
ケアマネージャーをうまく活用するコツ
介護の要となるケアマネージャーですが、「相談しづらい」「思った通りに動いてくれない」と感じることも。
ここでは、ケアマネとの信頼関係を築き、介護生活をより良くするためのコツをお伝えします。
1. 日常の変化や困りごとは、こまめに伝える
「最近、夜中に何度も起きるようになった」「食事の量が減ってきた」など、小さな変化こそケアマネに伝えましょう。
→ その情報をもとに、必要なサービスを柔軟に見直してくれます。
例文:
「この1週間、母が食事を残すことが多くて心配です。何かサポートできることはありますか?」
2. 「こうしてほしい」という希望は遠慮せずに伝える
「もっと入浴回数を増やしたい」「できれば男性ヘルパーがいい」など、希望や不安は率直に伝えることで、より合ったケアプランが作れます。
例文:
「父は同性の方が落ち着くようなので、男性の訪問ヘルパーさんにお願いできませんか?」
3. 定期的な面談にはできるだけ参加する
ケアマネは、少なくとも月1回は本人・家族と面談を行い、ケアプランを調整します。
このときにしっかり話すことで、サービスの質も変わってきます。
ポイント:
家族が同席することで、現場での困りごとを共有しやすくなります。
4. ケアマネも「人」。感謝や信頼を伝えることが関係性を深める
ケアマネは多くの家庭を担当している中で動いています。
「いつもありがとうございます」といった一言が、より丁寧な対応につながることもあります。
ケアマネージャーに相談するタイミング
ケアマネージャーはいつでも相談できる存在ですが、特に「これは早めに伝えておくと良い」という場面があります。ここでは、相談のベストタイミングについてご紹介します。
1. 体調や生活の変化があったとき
たとえば、以下のような場合は、すぐにケアマネに相談しましょう。
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歩行が不安定になってきた
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トイレの失敗が増えた
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認知症の症状が進んだと感じる
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入退院した
理由:
状況の変化に応じて、サービス内容や回数を調整する必要があるからです。適切な支援が早めに入ることで、介護者の負担も減ります。
例文:
「父が最近、夜間に何度もトイレに起きるようになりました。なにか使える福祉用具などありますか?」
2. 家族の介護負担が大きくなったとき
介護する側が疲れを感じたり、時間的・精神的に限界を感じている場合も、ためらわずにケアマネに伝えましょう。
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仕事と介護の両立が難しい
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自分の体調も崩してきた
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介護に対してイライラしてしまうことが増えた
例文:
「最近、介護に疲れてしまって…。もう少し短時間でもいいので、家に来てもらえるサービスを増やせないでしょうか?」
3. 今後の見通しが立たなくなったとき
今後どんなサービスが使えるのか、施設への入所は視野に入れたほうがいいのか、など将来の見通しについて不安になったときも、ケアマネは力になってくれます。
例文:
「父の介護が今後どこまで続くのか不安で…。施設入所なども検討すべきでしょうか?」
ケアマネージャーが合わないと感じたら?
介護を進めていくうえで「このケアマネージャーとはなんだか合わないかも」と感じることもあるかもしれません。そんなとき、どうすればよいのでしょうか?
1. 合わないと感じるケースとは?
以下のような場合、「相性が悪いかも」と感じる人が多いです。
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話をあまり聞いてくれない
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提案が一方的で、本人や家族の希望を汲んでくれない
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忙しすぎて連絡がつきにくい
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介護の専門的な説明が不足していて不安になる
相手が悪いというよりも、「価値観」や「コミュニケーションの相性」の問題であることも少なくありません。
2. まずは率直に気持ちを伝えてみる
本当にちょっとした行き違いや誤解から関係がうまくいっていないこともあります。
まずは「●●が気になっています」と穏やかに伝えてみましょう。
例文:
「最近、介護について気になっていることがあっても、なかなか相談できなくて…もう少し頻繁に様子を見てもらえますか?」
3. 担当変更も可能です
もし改善が難しい場合は、ケアマネの変更も可能です。
以下の方法があります。
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現在のケアマネが所属する居宅介護支援事業所に「担当を変えてほしい」と伝える
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居宅介護支援事業所ごと変更する(市区町村の窓口や地域包括支援センターで紹介してもらえます)
ポイント:
変更理由を伝えるときは、感情的にならず、できるだけ冷静に伝えるとスムーズです。
4. ケアマネとの相性は介護生活の質にも影響
ケアマネージャーは、介護保険サービスの調整役であり、生活の質を左右する存在です。
だからこそ「我慢してつきあう」のではなく、「信頼できる相手と進めていく」ことがとても大切です。
ケアマネージャーを探すには? 見つけ方と相談先
介護が必要になったとき、「まずは誰に相談すればいいの?」「ケアマネージャーってどこにいるの?」と戸惑う方は少なくありません。ここでは、ケアマネージャーの探し方や相談先について、わかりやすくご紹介します。
1. まずは地域包括支援センターへ相談を
65歳以上の高齢者の相談窓口として、各市区町村に地域包括支援センターが設置されています。介護の悩みだけでなく、認知症・医療・福祉・生活支援など幅広い相談が可能です。
連絡の流れ:
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お住まいの地域の包括支援センターに電話
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相談内容を伝える(例:「親の介護でケアマネを探したい」など)
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必要に応じて支援事業所やケアマネを紹介してもらえる
POINT:
介護保険申請をしたばかりの人や、要支援1・2の人もここが最初の窓口になります。
2. すでに要介護認定がある場合
要介護1~5の認定を受けている方は、居宅介護支援事業所に直接連絡してケアマネージャーを探すことができます。市町村の介護保険課で事業所一覧をもらうことも可能です。
探し方の例:
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市役所で「ケアマネの事業所リストがほしい」と相談する
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インターネット検索で「〇〇市 居宅介護支援事業所」と調べる
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信頼できる病院や施設から紹介してもらう
3. ケアマネ選びで大事なこと
ケアマネを選ぶ際には、以下の点も意識してみてください。
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話しやすさ・対応の丁寧さ
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希望や生活背景に寄り添ってくれるか
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サービス調整のスピード・柔軟さ
初回の相談で「合いそうか」見極めることも大切です。
4. ケアマネを変えたい場合の相談先
すでに担当がいるが変更したい場合も、上記の地域包括支援センターや市町村の介護保険課に相談できます。
ケアマネージャーは介護の“パートナー”
介護は、突然始まることも多く、家族にとっては戸惑いと不安の連続です。そんなとき、支えとなるのが「ケアマネージャー(介護支援専門員)」という存在です。
ケアマネは、介護保険サービスを受けるための要となる人。利用者や家族の状況を丁寧に聞き取り、最適なサービスや事業所を選び、必要に応じて調整・連絡を行ってくれます。
また、定期的に訪問し、状況に応じてケアプランを変更したり、必要な支援を提案したりと、介護生活がスムーズに続くよう伴走してくれる「介護のパートナー」です。
不安なとき、まずは相談を
「どうすればいいかわからない…」そんなときこそ、一人で抱え込まずに地域の支援窓口やケアマネージャーに声をかけてみましょう。情報を知ることで、状況が整理され、必要な一歩が見えてくるはずです。