導尿とは?方法・種類・注意点をわかりやすく解説

 

ご相談者

高齢の親が入院することになり、『導尿』という言葉を医師から聞きました。具体的にどのようなものか、どんな種類があるのか、注意点は何かを詳しく知りたいです。

ご相談ありがとうございます。導尿とは、尿を体外に排出させるための医療的処置のことを指します。高齢者や病気の影響で自力で排尿が難しい場合に行われることが多く、正しい理解と管理が必要です。

導尿とは何か

導尿は、尿道や膀胱にカテーテルという管を挿入して尿を排出させる医療処置です。

  • 目的
    尿の排出を補助するだけでなく、尿量を正確に測定したり、膀胱に溜まった尿を安全に排出するためにも行われます。手術中や入院時にも使用され、尿閉(尿が出ない状態)の解消にも役立ちます。

  • 対象者
    高齢者や手術後の患者、膀胱や前立腺の疾患で排尿が困難な方が主な対象です。慢性的に排尿が難しい場合、自宅でのケアや施設での管理も必要になることがあります。

導尿の種類

1. 一時的導尿(間欠導尿)

  • 特徴
    一時的にカテーテルを挿入し、尿を排出した後に管を抜く方法です。

  • 目的・使用例
    手術後や急性の尿閉のときに行われ、長期間のカテーテル使用に伴う感染リスクを抑えられます。

  • 補足
    間欠導尿は自宅でも行える場合があり、医師や看護師の指導のもとで排尿のタイミングや方法を学ぶことができます。

2. 長期導尿(留置カテーテル)

  • 特徴
    尿道や膀胱にカテーテルを常時留置する方法です。

  • 目的・使用例
    自力で排尿できない方に使用され、入院中や在宅介護で長期間管理が必要です。

  • 補足
    日常生活で感染症予防や皮膚トラブルの管理が必須です。カテーテルの位置や固定方法、排尿バッグの扱い方なども習慣化する必要があります。

3. 膀胱瘻(腹部から膀胱に導尿)

  • 特徴
    尿道ではなくお腹から直接膀胱にカテーテルを挿入する方法です。

  • 目的・使用例
    尿道が通りにくい場合や長期管理が必要な場合に使用されます。

  • 補足
    自宅での管理には専門知識が必要で、医療者の定期的なチェックが必須です。感染予防と日常的な清潔管理が生活の質を維持するうえで重要です。

導尿の注意点

  • 感染症のリスク
    尿路感染症のリスクがあるため、カテーテル挿入時や管理中は手洗いや清潔な環境の確保が不可欠です。尿の色や量、異常なにおいにも注意しましょう。

  • 皮膚トラブル
    カテーテルや排尿バッグの圧迫で皮膚がかぶれたり、炎症が起きることがあります。定期的に皮膚の状態を確認し、異常があれば医療者に相談します。

  • 定期的な医療チェック
    導尿の状態や尿量、尿の性状を医療者が確認することで、健康リスクを早期に把握できます。自宅で管理する場合も定期的に医療者の指導を受けましょう。

  • 心理的な負担
    導尿は本人にとって精神的な負担が大きいことがあります。家族はサポートと心理的安心感を与えることが大切です。

自宅で行う導尿ケアの具体的手順とポイント

1. 手洗いと清潔な環境の確保

  • 導尿前には必ず手を石けんで洗い、清潔な環境で行うことが重要です。

  • 使う道具や排尿バッグも清潔に保ち、感染リスクを最小限にします。

2. カテーテルの扱い方

  • カテーテルは無理に動かさず、固定具でしっかりと体に留めます。

  • 尿道に挿入する際は、医療者の指導に従い、優しく丁寧に扱うことが重要です。

3. 排尿バッグの管理

  • 尿の量や色を毎日確認し、異常があれば医療者に連絡します。

  • バッグは膀胱より低い位置に置き、尿の逆流を防ぐことが必要です。

  • 定期的にバッグを交換することで、感染予防につながります。

4. 皮膚のケア

  • カテーテルが接触する部分の皮膚は毎日確認し、赤みやかぶれがないかチェックします。

  • 異常があれば早めに医療者に相談し、軟膏やパッドで保護します。

5. 生活動作や日常生活の工夫

  • 日常生活で無理な動作を避け、カテーテルや排尿バッグが引っかからないよう工夫します。

  • 入浴や着替えの際は、カテーテルが濡れないよう保護するか、医療者の指示に従います。

6. 定期的な医療者のフォロー

  • 導尿の状態や尿量、尿の性状を医療者が定期的に確認します。

  • 不安や疑問があれば、すぐに看護師や訪問介護スタッフに相談しましょう。

まとめ

導尿とは、排尿が困難な方のために行う医療行為で、尿道や膀胱にカテーテルを挿入して排尿を補助します。

  • 導尿には一時的導尿、長期導尿、膀胱瘻の3種類がある

  • 感染症や皮膚トラブル、心理的負担に注意する必要がある

  • 在宅や施設での導尿は、医療者の指導と定期チェックが重要

正しい知識と管理を持つことで、安全に導尿を行い、生活や治療への影響を最小限に抑えることができます。