個浴とは?メリットや大浴場との違いをわかりやすく解説

 

ご相談者

介護施設や高齢者向けサービスの説明で『個浴』という言葉を見かけました。大浴場や機械浴とは何が違うのでしょうか?利用する人にとってどんなメリットがあるのか知りたいです。

ご質問ありがとうございます。

個浴(こよく)」とは、その名のとおり一人ずつ入浴できるお風呂のことです。

介護施設やデイサービスで導入されている場合が多く、大浴場や機械浴と比べて、よりプライバシーに配慮されている点が特徴です。

個浴の意味や特徴、利用するメリットについてわかりやすく解説していきますね。

個浴とは何か

「個浴(こよく)」とは、利用者が一人ずつ入浴できるように設けられたお風呂のことを指します。

大浴場のように複数人で同時に使うのではなく、完全に個別の浴室で入浴する仕組みになっており、プライバシーがしっかりと守られるのが大きな特徴です。

介護施設やデイサービスでは、高齢者が安全かつ安心して入浴できるように、この個浴を整備しているところが増えています。

一般的には家庭用のお風呂に近い形で設計されていて、浴槽・洗い場・手すりなどが備え付けられています。

浴槽の高さを低くしたり、滑りにくい床材を使用したりと、高齢者や要介護者に配慮した造りになっている点も特徴的です。

必要に応じてスタッフが浴室に同席し、洗身や入浴の介助を行うため、自宅と同じように「落ち着いた環境」でお風呂に入れることが大きな安心につながります。

また、個浴は「身体の状態に合わせて入浴方法を柔軟に調整できる」という利点もあります。

例えば、比較的自立している方はほとんど自分で入浴でき、スタッフは安全確認を中心に行うだけで済みます。

一方で、介助が必要な方にはスタッフがしっかりと身体を支えたり洗身を手伝ったりと、1対1の対応が可能です。このように利用者の状態に合わせやすいことから、個浴は幅広いニーズに対応できる入浴形態といえます。

さらに、感染症対策の面でも個浴は注目されています。

大浴場では複数人が同じ浴槽を利用するため衛生面のリスクが懸念されますが、個浴は一人ごとに清掃やお湯の入れ替えが行われることが多く、清潔さを保ちやすい環境です。安心・安全に入浴できる点は、利用者本人だけでなく、家族にとっても大きな安心材料となります。

このように、個浴とは「一人で入るお風呂」というシンプルな定義にとどまらず、プライバシー・安全性・衛生面のすべてに配慮された入浴方法であり、介護施設において重要な役割を果たしています。

大浴場や機械浴との違い

介護施設やデイサービスでは、利用者の身体状況やニーズに応じてさまざまな入浴方法が用意されています。

その代表的なものが「大浴場」「機械浴」そして「個浴」です。

同じ入浴支援でも、それぞれに特徴や目的が異なり、利用者に与える印象や安心感も大きく変わってきます。

まず「大浴場」は、温泉や銭湯のように複数人が同時に入浴できる広い浴室を指します。

見守りがしやすく、入浴の準備や片付けの効率も良いため、施設にとっては運営しやすい仕組みです。

しかし、他の人と一緒に入ることに抵抗を感じる利用者も少なくなく、特に高齢者の方は「恥ずかしい」「他人に身体を見られたくない」といった気持ちから入浴自体を負担に感じてしまう場合があります。

一方「機械浴」は、寝たまま、または車椅子に座ったままでも入浴できる特殊な浴槽設備を利用するものです。

身体の自由がききにくい方にとっては大きな助けとなり、転倒や体力の消耗を防ぐことができます。

介護する側にとっても持ち上げたり支えたりする負担が少ないため、安全かつ効率的な方法です。ただし、

入浴というよりも「身体を清潔にするための手段」という印象が強く、リラックス感や家庭的な雰囲気はあまり感じられないかもしれません。

その中間に位置するのが「個浴」です。

大浴場のような開放感や効率性はありませんが、プライバシーを確保でき、利用者にとって心理的な安心感が大きいのが特徴です。

また、機械浴ほど特別な設備を必要とせず、家庭に近い環境の中で入浴できるため「自分らしさを保ちながらお風呂に入りたい」という思いに応えてくれます。

さらに、スタッフがマンツーマンで介助できるので、転倒や事故を防ぎながら、その人の状態に合わせた細やかな支援が可能です。

つまり、大浴場・機械浴・個浴にはそれぞれメリットとデメリットがあり、どれが最適かは利用者の身体状況や希望によって変わります。

その中でも個浴は、「安全性」「プライバシー」「心理的安心感」のバランスを取った入浴方法として、多くの高齢者に選ばれやすいスタイルといえるでしょう。