「老後って、みんなどんな趣味を楽しんでいるの?」——人生後半を豊かにする“趣味の見つけ方”ガイド

 

ご相談者

現在、62歳の会社員です。あともうすこしで定年を迎える予定です。
幸い健康には恵まれていて、これからの人生をどう過ごしていくかを考えるようになりました。

実はこれまで仕事一筋で、これといって「趣味」と呼べるようなものがなく、土日もつい家でぼーっとテレビを見て終わることが多いです。

妻からは「何か趣味を見つけた方がいい」と言われるのですが、何を始めればいいのか、どうやって見つけたらいいのか正直わかりません。

例えば、最近は近所の公民館で囲碁教室や健康体操の講座を見かけたり、大人向けの塗り絵を見つけたりすることもありましたが、なんとなく踏み出せずにいます。

趣味ってやっぱり無理に探すものじゃないとも思うのですが、何もせずに何年も過ぎてしまうのも怖いなと感じています。

定年後の生活を充実させるために、無理なく始められる趣味や、気楽な見つけ方があれば教えていただけますか?

ご相談ありがとうございます。

定年を間近に控え、これからの人生の過ごし方についてお悩みになるお気持ち、よくわかります。
仕事や家族を優先してこられた方ほど、「趣味」という言葉にハードルを感じる方も少なくありません。

ですが、今までの経験や日々の暮らしの中にも、趣味につながるヒントはきっとあります。
無理に何かを始めなければ…と焦る必要はありません。これからの時間を、少しずつ“自分のために”使ってみる、そんな気持ちで新しい一歩を踏み出してみませんか?

そもそも趣味があると何がいいの?

1. 毎日に「楽しみ」と「張り合い」が生まれる

趣味を持つことで、日々の生活に自然と“楽しみ”や“張り合い”が加わります。
たとえば「次の水彩画サークルに向けて少し練習しよう」と思ったり、「家庭菜園の野菜がどれくらい育ったかな?」と朝が待ち遠しくなったり――。
こうした小さな目標やワクワク感は、気持ちを前向きにしてくれます。

また、趣味は「やらなければいけないこと」ではなく、「やりたいからやること」。だからこそ、義務感ではなく純粋な楽しさが原動力になります。
忙しかった現役時代には感じられなかった、“自分のための時間”を過ごせるのも、趣味の大きな魅力です。

2. 心と体の健康維持に役立つ

実は多くの研究で「趣味を持つ人は健康寿命が長い」とも言われています。
例えばガーデニングや散歩など体を動かす趣味は、筋力やバランス感覚の維持に役立ち、転倒予防や認知症予防にもつながります。

一方、手芸や書道、囲碁や将棋など、頭と手先を使う趣味も、脳への良い刺激になります。難しく考えず、「ちょっとやってみる」だけでも十分です。
また、趣味の時間がリラックスやストレス解消にもなり、睡眠や食欲の安定にもつながることが多いのです。

3. 人とのつながりや会話が生まれる

「趣味は一人でするもの」というイメージもありますが、実際には趣味をきっかけに人とつながるチャンスが増えるものです。
たとえば地域のサークルや教室に参加すれば、新しい友人ができたり、共通の話題が生まれたり。
「最近こんな作品ができたんだ」「この花の名前、知ってる?」など、会話のきっかけが自然と増えていきます。

オンラインでの交流も盛んになってきており、趣味の掲示板やSNSで仲間を見つける人も増えています。
こうしたつながりは、孤独感をやわらげ、毎日に安心感や心の安定をもたらしてくれます。

4. 自分らしさや自己肯定感を育ててくれる

「趣味」とは、上手・下手や成果を競うものではありません。
自分のペースで「好き」「やってみたい」を追求できるからこそ、自然と自信や“自分らしさ”が育ちます。

たとえば、料理を作って家族や友人にふるまうことで感謝されたり、折り紙や編み物を完成させて「自分にもできた」と思える瞬間。
こうした積み重ねは、年齢を重ねても自己肯定感や前向きな気持ちを高めてくれます。

5. 新しい挑戦や発見につながる

定年後は「まだやったことがないこと」にチャレンジする絶好のチャンス。
今まで興味はあったけど忙しくて手を出せなかったこと、昔やっていたけどしばらく遠ざかっていたことなど、気軽に“初めて”を体験できます。

例えば

  • 写真撮影やスマホの操作を学んでみる

  • ボランティア活動に参加して地域と関わる

  • 旅行やグルメ探訪で新しい土地や味に出会う

――こうした新しい体験は、脳や心にもフレッシュな刺激を与えてくれます。「人生100年時代」、何歳になっても自分の世界を広げ続けられるのが、趣味のすばらしさです。

趣味の見つけ方 ——「やってみたい」を育てる3ステップ

「趣味を持ったほうがいい」と分かっていても、「自分に合う趣味が分からない」「どこから始めればいいの?」と感じる方も多いはずです。
子どものころのように夢中になれるものがなかなか見つからず、つい「自分には趣味なんてない」と思い込んでしまう方も少なくありません。

でも実は、趣味のきっかけは身近な毎日の中にたくさん隠れています。
大切なのは「うまくやらなきゃ」「ちゃんと続けなきゃ」と思い込まず、**気軽に“ちょっと試してみる”**気持ちで第一歩を踏み出すこと。
ここでは、誰でも実践できる“趣味の見つけ方”のヒントをたっぷりご紹介します。

1. 「これまで好きだったこと・得意だったこと」を思い出す

まずは、過去を振り返ってみましょう。
子どものころや若い頃、ちょっと夢中になった遊びや習いごと、
仕事や家事の合間に「意外と好きだったな」と思えることはありませんか?

  • 小さいころ夢中になった遊びや部活動

  • 旅行先で楽しかった体験

  • 仕事で「得意だった」「褒められた」こと

  • 日常でつい時間を忘れてしまうこと

「昔はよく料理をしていた」「カメラを買ったけど、最近は使っていない」
——そんな“小さな好き”や“得意”が、今の趣味につながることも多いのです。

2. 「身近な人の趣味」を参考にしてみる

自分一人で考えてもなかなかピンとこないときは、家族や友人、知り合いが楽しんでいることを観察してみるのもおすすめです。

  • 友人や配偶者が夢中になっている趣味を見せてもらう

  • 地域のサークルや講座の案内をチェックする

  • テレビや雑誌、SNSで紹介されている新しい趣味を“見るだけ”でもOK

「一緒にやってみない?」と誘われたら、最初は見学だけでも大丈夫。
「これは自分に合いそう」と感じたら、思い切って体験してみるのもよいでしょう。

3. 「新しいこと」に少しだけ挑戦してみる

趣味は“最初から夢中になれるもの”とは限りません。
むしろ、「ちょっと面白そう」「やったことはないけど気になる」くらいの気持ちでOK。

  • 100円ショップで手芸キットやパズルを買ってみる

  • 公民館の無料体験講座や体操教室に申し込んでみる

  • YouTubeで動画レッスンを眺めてみる

  • 散歩コースを変えて、写真を撮ることから始めてみる

「続かなかったらどうしよう」と思わず、まずは1回、試しにやってみる。
うまくできなくても、「なんとなく楽しかった」「気分転換になった」
それだけでも立派な“趣味への一歩”です。

◆ 趣味を見つけるヒント集

  • できるだけハードルを下げてスタートする
     →最初から“道具をそろえる”必要はありません。まずは「見てみる」「触れてみる」くらいで十分です。

  • 「ひとり趣味」も「みんな趣味」もOK
     →一人で黙々と取り組む趣味も、誰かと一緒に楽しむ趣味も、どちらも正解です。無理に人と合わせる必要はありません。

  • 失敗しても気にしない
     →途中でやめたり、また別の趣味に興味が移ってもまったく問題ありません。「自分のペース」で“探し続ける”ことを大事にしましょう。

趣味は「探すもの」ではなく、「少しずつ出会っていくもの」。
最初は小さな一歩でも、その先に新しい世界が広がっていきます。
ぜひ気負わず、日々の暮らしの中から、あなたらしい“楽しみ”を見つけてみてください。