介護休業を取れる条件とは?対象になる人・ならない人をわかりやすく解説

 

ご相談者

親の介護が必要になり、仕事を続けながら対応できるか悩んでいます。
周囲から「介護休業という制度がある」と聞いたのですが、自分がその対象になるのかが分かりません。

正社員で働いていますが、勤続年数はまだ1年ほどです。
また、同居していない親でも介護休業は取れるのでしょうか。

会社に相談する前に、介護休業を取れる条件や、どんな人が対象になるのかを知っておきたいです。

ご相談ありがとうございます。

親や家族の介護が突然始まり、「仕事をどうすればいいのか分からない」と悩む方は少なくありません。

そんなときに知っておきたい制度の一つが、介護休業です。
ただし、誰でも自由に取得できるわけではなく、一定の条件を満たす必要があります。

「正社員じゃないと取れない?」
「勤続年数は関係ある?」
「同居していなくても対象になる?」

介護休業は制度があることは知っていても、条件が分かりにくく、誤解されやすい制度でもあります。

介護休業を取得できる条件を中心に、どんな人が対象になるのか、注意点は何かを、相談への回答という形で分かりやすく解説していきます。

介護休業を取れる条件とは?

介護休業は、誰でも自由に取得できる制度ではありません。
法律(育児・介護休業法)で定められた条件を満たしている必要があります。

まず、
「どんな人が対象になるのか」「どの家族の介護が対象になるのか」
という基本的な条件から確認していきましょう。

介護休業の対象になる「働く人」の条件

介護休業を取得できるのは、原則として 雇用されて働いている人です。
正社員に限らず、以下のような方も対象になります。

  • 正社員

  • 契約社員

  • パート・アルバイト

ただし、次の条件を満たしている必要があります。

① 同じ会社で一定期間働いていること

原則として、取得予定日までに継続して雇用されていることが条件です。

一般的には、「入社して間もない」「すぐに契約が終了する予定がある」場合は、対象外になるケースがあります。

※ 実際の扱いは会社の就業規則によって異なるため、「自分は対象か微妙」という場合は、事前確認が重要です。

② 介護の必要がある家族がいること

介護休業は、「常に介護が必要な状態にある家族」を介護するための制度です。

単なる通院の付き添いや一時的な手助けでは、対象にならないことがあります。

介護休業の対象になる「家族の範囲」

「どこまでの親族が対象になるのか」は、多くの方が誤解しやすいポイントです。

介護休業の対象となる家族は、以下のとおりです。

  • 配偶者(事実婚を含む)

  • 父母

  • 祖父母

  • 兄弟姉妹

  • 配偶者の父母

同居しているかどうかは条件ではありません。
別居している親や家族の介護であっても、対象になります。

「離れて暮らしている親の介護だから取れないのでは?」
と心配される方もいますが、遠距離介護でも介護休業は利用可能です。

「介護が必要な状態」とは?

介護休業の対象になるかどうかは、介護保険の要介護認定が一つの目安になります。

  • 要介護状態である

  • 日常生活を一人で送ることが難しい

  • 継続的な見守りや介助が必要

といった状況が想定されています。

ただし、必ずしも「要介護○以上」と決まっているわけではなく、実際の判断は会社や状況によって異なる場合があります。

まずは「対象かどうか」を整理することが大切

介護休業を考えるときは、いきなり会社に申し出る前に、次の点を整理しておくと安心です。

  • 自分の雇用形態

  • 勤続期間

  • 介護が必要な家族は誰か

  • その家族の生活状況・介護の必要度

これらを整理しておくことで、会社との相談もスムーズに進みやすくなります。

介護休業と介護休暇・時短勤務の違いとは?

介護が必要になったとき、
「介護休業」「介護休暇」「時短勤務」という言葉を耳にすることが多いですが、
それぞれ 目的も使い方も異なる制度です。

介護休業:一定期間、仕事を休んで体制を整える制度

介護休業は、
介護が始まった直後など、集中的に対応が必要な時期に使われる制度です。

  • ・原則、対象家族1人につき通算93日まで

  • ・仕事を「一時的に離れる」制度

  • ・介護のための環境づくり・手続きに使われることが多い

たとえば、

  • ・介護サービスの手配

  • ・病院・役所・ケアマネとの調整

  • ・今後の生活の方向性を決める

といった場面で活用されます。

※ 介護休業中は原則無給ですが、条件を満たせば給付金の対象になる場合があります。

介護休暇:突発的な用事に対応する短期の休み

介護休暇は、日常的に発生する介護の用事に対応するための制度です。

  • ・年5日まで(対象家族が2人以上の場合は年10日まで)

  • ・1日単位・時間単位で取得可能な場合が多い

  • ・通院付き添い、急な呼び出しなどに対応しやすい

介護休業と違い、「長く休むほどではないけれど、今日・今週は休みたい」
という場面で使われます。

時短勤務(短時間勤務):仕事を続けながら介護するための制度

時短勤務は、
仕事を続けながら介護と両立するための働き方の調整です。

  • ・1日の労働時間を短縮できる

  • ・介護期間中、継続的に利用するケースが多い

  • ・会社の制度として設けられていることが多い

毎日フルタイムで働くのが難しくなった場合に、勤務時間を減らすことで、体力的・精神的な負担を軽減できます。

制度名 主な目的 期間・使い方
介護休業 集中的に介護体制を整える 一定期間まとめて休む
介護休暇 突発的・短期の介護対応 1日・時間単位で休む
時短勤務 仕事と介護の両立 働き方を継続的に調整

介護休業が取れない・注意が必要なケース

― 事前に知っておきたい落とし穴 ―

介護休業は心強い制度ですが、すべてのケースで必ず取得できるわけではありません。

「制度があるから大丈夫」と思っていたら、実は対象外だった、ということも起こり得ます。

特に注意しておきたいケースを紹介します。

勤続期間が極端に短い場合

入社して間もない場合、介護休業の対象外になることがあります。

法律上は一定の条件を満たせば対象になりますが、実際には会社の就業規則で、

  • ・入社から一定期間が経過していない

  • ・試用期間中である

といった理由で、取得が認められないケースもあります。

「まだ1年未満だから無理かも」と思い込まず、就業規則や人事担当への確認が重要です。

契約期間が決まっていて、終了が近い場合

契約社員・パート・アルバイトの場合、契約期間との兼ね合いが重要になります。

  • ・介護休業の途中で契約終了予定

  • ・更新されないことが明らかな契約

このような場合、介護休業を取得できない、または制限されることがあります。

「常に介護が必要な状態」と判断されない場合

介護休業は、継続的な介護が必要な状態を前提とした制度です。

そのため、

  • ・一時的な体調不良

  • ・数日の付き添いのみ

  • ・見守りは必要だが介助はほぼ不要

といったケースでは、
介護休業の対象外と判断されることがあります。

この場合は、介護休暇や有給休暇の利用が現実的です。

すでに介護体制が整っていると判断される場合

会社側が、介護サービスが十分に導入されている、他の家族が主に介護を担っていると判断した場合、「介護休業の必要性が低い」とされるケースもあります。

特に、
「何のために介護休業が必要なのか」を説明できないと、理解を得にくくなることがあります。

「取れないかも」と感じたら、すぐ相談を

介護休業は制度が複雑で、会社ごとの差も大きいのが実情です。

「自分のケースは微妙かもしれない」と感じたら、

  • ・就業規則を確認する

  • ・人事・総務に早めに相談する

  • ・社外の相談窓口を活用する

といった行動が大切です。

介護は突然始まることも多いため、早めに情報を集め、選択肢を知っておくことが、仕事と介護を両立するための大きな助けになります。