高齢の母と一緒に暮らしているのですが、最近、体調を崩しやすくなっている気がして心配です。テレビなどでも「感染症に注意を」とよく聞くのですが、具体的にどんなことに気をつければいいのか、正直よくわかりません。マスクや手洗いはしているつもりですが、年齢的にも抵抗力が落ちてきているので、このままで大丈夫なのか不安です。高齢の家族と一緒に暮らす中で、感染症を防ぐために家庭でできることがあれば知りたいです。
ご相談ありがとうございます。
季節の変わり目や、流行のニュースが増えてくると、「感染症が心配だな…」と感じる方も多いのではないでしょうか。
風邪やインフルエンザ、ノロウイルスに加え、最近では新しい感染症のニュースも絶えません。
でも、「マスクや手洗い以外に何ができるの?」「どこまで気をつければいいの?」と、具体的な対策がわからないまま、不安だけが大きくなることもあります。
今回は、感染症への漠然とした不安を抱える方の相談をもとに、誰でも今日からできる感染症予防の基本をわかりやすくご紹介します。
感染症って何?種類と感染経路を知っておこう
「感染症」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、簡単にいうとウイルスや細菌などが体に入り込んで起こる病気のことです。風邪やインフルエンザもそのひとつですし、高齢の方が重症化しやすい肺炎やノロウイルスも感染症に含まれます。
まずは「どんな種類があって」「どうやってうつるのか」を知ることが、予防の第一歩になります。
主な感染症の種類(高齢者がかかりやすいもの)
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風邪(かぜ)・インフルエンザ
季節の変わり目に流行しやすく、発熱・咳・のどの痛みなどの症状が出ます。 -
肺炎
高齢者にとって特に注意が必要。風邪がこじれて肺炎になるケースも多く、入院につながることもあります。 -
ノロウイルス・ロタウイルス
食べ物や接触を通じて感染するウイルス。激しい下痢や嘔吐を引き起こし、体力を奪います。 -
帯状疱疹・結核など
体の免疫力が弱くなると再発したり感染しやすくなる病気もあります。
感染の経路(どうやってうつるの?)
感染症は主に以下のような「経路(うつり方)」で広がります
| 経路の種類 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 飛沫感染 | 咳やくしゃみのしぶきが口や鼻に入る | インフルエンザ、風邪 など |
| 接触感染 | ウイルスのついた手で口・鼻・目に触れる | ノロウイルス、風邪 など |
| 空気感染 | 空気中に漂うウイルスを吸い込む | 結核、水ぼうそう など |
| 経口感染 | 食べ物や飲み物を通して感染 | ノロウイルス、O157 など |
このように、「どうやって感染するのか」を知ることで、日常生活の中で気をつけるポイントが見えてきます。
家庭の中でできる感染症予防の具体策
高齢の家族と安心して暮らすために、今すぐできること
感染症は「外でもらってくるもの」と思われがちですが、実は家庭の中でも広がるリスクがあります。特に免疫力が下がってくる高齢の家族がいる場合は、家庭内での“ちょっとした気配り”が予防につながります。
手洗いは“みんな”で、しっかりと
感染症予防の基本中の基本は「手洗い」です。
家に帰ったとき、ごはんの前、トイレの後など、タイミングを決めて習慣化するのがポイントです。
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・30秒程度かけて、指先・指の間・手首までしっかり洗う
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・洗った後は清潔なタオルやペーパータオルでしっかり拭く
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・アルコール消毒も併用すると安心(ただし手洗いの代わりにはなりません)
家族全員で行うことが大切です。「高齢の親だけ気をつければいい」ではなく、うつさない工夫が家族みんなの安心につながります。
マスクの着用と咳エチケット
体調が少しでも不安なときや、人との距離が近い場面ではマスクを着用しましょう。
高齢者と同居している場合、同居家族が外からウイルスを持ち込む可能性があります。
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・咳やくしゃみが出るときは、マスク or 肘で口を押さえる
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・マスクは鼻までしっかり覆い、外側は触らない
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・外したあとは手洗い or 手指消毒を忘れずに
こまめな換気と湿度管理
ウイルスは乾燥した空気や密閉された空間で広がりやすくなります。
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・1~2時間ごとに、数分間の換気を行う(2か所の窓を開けると効率的)
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・加湿器や濡れタオルなどで、室内の湿度を50~60%に保つ
とくに冬場は乾燥しやすいので、加湿と換気をセットで意識しましょう。
食事・睡眠・運動で免疫力を保つ
高齢者にとっては、日々の体調管理そのものが“感染しにくい身体づくり”になります。
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・タンパク質や野菜をしっかりとる
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・1日7〜8時間を目安に睡眠をとる
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・軽い体操や散歩を取り入れて筋力を維持する
無理に特別なことをしなくても、“規則正しい生活”を家族で整えることが、何よりの感染症予防です。
ドアノブやリモコンなどの共有部分も消毒を
家の中でみんなが触る場所には、ウイルスが残っている可能性も。
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ドアノブ・照明スイッチ・テレビのリモコン
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トイレのレバー・冷蔵庫の取っ手など
市販のアルコールスプレーや除菌シートで、1日1回を目安にふき取りをすると安心です。
小さなことの積み重ねが、高齢の家族を守る大きな力になります。
感染症予防は“ちょっとした心がけ”の積み重ね
感染症というと、大きな病気や特別な対策が必要に思えるかもしれません。
でも実際は、手洗いや換気、生活リズムの見直しといった“毎日の習慣”こそが最大の予防になります。
特に高齢の家族と暮らしている場合は、本人だけでなく家族みんなで予防の意識を持つことが大切です。
「うつさない」「ひろげない」「重症化させない」ために、
できることから少しずつ、家族みんなで取り組んでいきましょう。
感染症予防は、特別なことではなく、“生活習慣の見直し”から始まります。