70代の父が、最近「夕飯のあとに寝ると胃がムカムカする」と言うことが増えてきました。本人は「年のせいだ」と言っていますが、少しでも楽に過ごせる方法があれば知りたいです。食後に横になるとダメって聞いたこともあるのですが、実際のところどうなんでしょうか?高齢者にとって消化にやさしい寝方やタイミングがあるなら、教えてほしいです。
ご相談ありがとうございます。
年齢を重ねると、「最近、食後に胃が重たい」「夜中に胸やけで目が覚める」といった悩みが増えてきませんか?
特に夕食後、少し横になっただけで不快感を感じる…という声は、シニア世代に多く聞かれます。実はその原因のひとつに、“寝る姿勢”や“寝るタイミング”が関係している場合があります。
今回は「消化にやさしい寝方ってあるの?」と気になっている方からの相談をもとに、体に負担をかけない寝る姿勢やタイミングについて、わかりやすくご紹介します。
食後すぐ寝るのはなぜよくないのか?
「夕食を食べたあと、すぐ横になりたくなる…」というのは、高齢になるほどよくあることです。
でも実は、食後すぐに寝てしまうことが、胃や食道に負担をかけてしまう原因になることがあります。
ここでは、その理由と気をつけたいポイントを解説します。
胃の中の食べ物が逆流しやすくなる
食事をすると、食べ物は食道を通って胃に入り、ゆっくりと消化されていきます。
しかし、食後すぐに横になると、胃の中の内容物が重力で上へ戻りやすくなり、「胃もたれ」や「逆流性食道炎」の原因になることがあります。
特に高齢になると、胃や食道の働きが若いころより弱くなっているため、逆流しやすくなっている方も多いのです。
胃腸の働きが鈍くなり、消化に時間がかかる
寝てしまうと体の活動が落ち着き、胃腸の動き(ぜん動運動)も弱くなります。
その結果、食べたものがうまく消化されずに長く胃にとどまり、胃が重たく感じたり、朝まで残った感じがしたりすることがあります。
呼吸が浅くなったり、睡眠の質が下がることも
胃が膨れた状態で横になると、胃が横隔膜を押し上げて、呼吸が浅くなることがあります。
そのため、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めてしまったりと、睡眠の質にも影響が出ることがあります。
「食べてすぐ横になる」=全てが悪いわけではない?
なお、「完全に横になる(寝る)」のは避けたほうがいいですが、背もたれのある椅子でゆったり座る、ソファに軽くもたれるなどであれば、問題ないこともあります。
大切なのは、“胃に負担をかけない体勢”を意識することです。
消化にやさしい寝方|姿勢・角度・タイミングの工夫
食後の不快感や逆流を防ぐためには、寝る時間や姿勢を少し意識するだけでも効果があります。特に高齢の方にとっては、「無理なくできる」「続けられる」ことが大切です。
ここでは、消化にやさしい寝方のポイントを3つに分けてご紹介します。
【タイミング】寝るまでに「2時間」はあけよう
消化のためには、食後すぐに寝るのではなく、最低でも2時間は間をあけるのが理想です。
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夕食はなるべく早め(18〜19時台)に済ませる
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寝る前は「お茶や水分程度」にとどめる
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夜食はできれば控える
どうしてもお腹が空く場合は、消化のよいおかゆ・スープ・ヨーグルトなどを選ぶようにしましょう。
【姿勢】「左を下にして横向き」で寝るのがおすすめ
寝るときの姿勢にもポイントがあります。
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・胃の出口は右側にあるため、「左側を下にして横になる」ことで消化を助け、逆流を防ぎやすくなります。
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・仰向けよりも、やや横向きの方が胃に負担がかかりにくいです。
ただし、心臓への負担や体のクセによっては合わない方もいるので、無理はせず、寝心地の良い向き+少し角度を意識するくらいでもOKです。
【角度】上半身を少しだけ「起こす」のが効果的
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背中を15〜30度ほど起こすような「頭を高くした姿勢」は、胃酸の逆流を防ぐのに効果的です。
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ベッドの背もたれを少し上げたり、クッションや抱き枕を使って頭・背中をゆるやかに支えるだけでも違いがあります。
特に、逆流性食道炎の傾向がある方は、上半身を起こすだけで夜の不快感が和らぐことがあります。
【食後すぐ横になりたいときは?】
「すぐに横になりたい…」そんなときは、リクライニングチェアや背もたれのあるソファに軽くもたれて休むのがおすすめです。
完全に寝る体勢をとらず、ゆるやかな角度で身体を休めるだけでも胃への負担は軽減できます。
寝方ひとつでも、消化のしやすさは大きく変わります。
無理なく取り入れられる工夫から、ぜひ試してみてください。