母が一人で暮らしています。今のところ元気ですが、最近「物忘れが増えたかも」と感じることがあったり、「ちょっと転んだ」と聞いたりして、不安になることがあります。遠方に住んでいるため、頻繁に様子を見に行くこともできません。母の生活を尊重しつつ、何かあったときにすぐ気づけるような対策や工夫があれば知りたいです。
ご相談ありがとうございます。
高齢の親が一人暮らしをしていると、元気に過ごしていても「本当に大丈夫かな?」「もしものとき、すぐ気づけるだろうか」と、ふとした瞬間に不安になることがあります。
年を重ねるにつれて、転倒や体調の急変、認知症の心配なども出てくる中で、「見守りたいけど、干渉しすぎたくない」という悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
今回は、一人暮らしの高齢者に向けた日常の対策や見守りの工夫についてご紹介します。
高齢者の一人暮らしに潜む主なリスクとは?
一人暮らしをしている高齢者が元気に見えていても、年齢とともに少しずつ高まっていく“生活上のリスク”は少なくありません。
まずは、どんなことが起こり得るのかを家族が正しく把握しておくことで、「備える意識」がぐっと現実的なものになります。
転倒やケガのリスク
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室内でのつまずき・ふらつき・段差での転倒
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入浴中やトイレでの滑りによるケガ
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救助を呼べないまま長時間倒れてしまう「孤立状態」
高齢者の事故原因の多くは「転倒」と言われており、ちょっとした段差やカーペットのめくれが命に関わるケースもあります。
急な体調変化・持病の悪化
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高血圧や糖尿病などの持病が悪化しても気づかれにくい
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孤独な環境が食欲低下や脱水症状、熱中症などにつながる
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病院に行きたくても、自力で動けない・伝えられない状態に陥る可能性
家族と同居していればすぐ気づける変化も、一人暮らしでは「発見が遅れる」ことが大きな問題です。
認知機能の低下や判断ミス
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服薬忘れや重複服用
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水道・ガス・火の不始末
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詐欺や訪問販売などへの対応ミス
本人は「しっかりしているつもり」でも、判断力が徐々に落ちていくことで思わぬトラブルが起きることもあります。
孤立・精神的な不安定さ
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会話や交流が減り、うつ状態に近づく
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「迷惑をかけたくない」と助けを求めづらくなる
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見守る人がいないことで不安が増す
身体だけでなく、心の元気を保つことも一人暮らしの大きな課題です。
家庭でできる対策|見守り・安全対策・声かけの工夫
高齢の親や家族が一人で暮らすことに不安を感じたとき、「すぐ引っ越してもらう」などの大きな決断をせずとも、家庭側のちょっとした工夫で“安心できる暮らし”を支えることは十分に可能です。
ここでは、今すぐ取り入れやすい具体的な対策を3つの視点でご紹介します。
見守りの工夫|離れていても“気づける仕組み”をつくる
一人暮らしの高齢者を見守るには、「見張る」のではなく「自然に見守る」ことが大切です。
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定期的な電話・LINE・ビデオ通話の習慣をつくる
→ 1日1回の「おはよう」「元気にしてる?」だけでも、安否確認になります。カレンダーに○をつけてもらう“見える習慣”もおすすめ。 -
見守り家電の活用
→ 冷蔵庫やポットの使用を感知するセンサー付き家電を設置すれば、生活の動きが家族のスマホに通知されます。
→ 「異常がないこと」を確認できる安心感が得られます。 -
郵便受け・新聞受けの確認を地域と連携
→ 「数日間取り出していない」などの変化に早く気づけます。 -
見守りサービス・自治体の緊急通報装置の登録
→ 24時間対応で、体調異変時にボタン1つで通報できるタイプも。民間サービス(セコム・ALSOKなど)も柔軟に選べます。
安全対策|家の中を“事故の起きにくい環境”に整える
高齢者の事故の多くは、実は“家の中”で起きています。 だからこそ、毎日過ごす空間を少し工夫するだけで、大きな事故のリスクを大幅に減らすことができます。
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段差・カーペットの滑り止め対策
→ マットの角や、床とマットの境目でつまずくケースが多いため、両面テープやノンスリップ素材を活用しましょう。 -
トイレ・風呂・廊下に手すりを設置
→ 立ち上がりや移動の際のバランスを保ちやすくなり、転倒を防げます。浴室内には滑り止めマットもあると安心です。 -
夜間用の足元ライト・人感センサー照明の設置
→ 夜中にトイレに行くときなど、真っ暗な中を歩くのは非常に危険。自動で灯るライトは“転ばない暮らし”を支えます。 -
ガスコンロをIHに変更、もしくは自動消火機能付きに
→ 認知機能が落ちると「火を止めたかどうか忘れる」ことが増えてきます。IHやタイマー付きのコンロなら安心。 -
薬の管理は、1回分ずつ小分けする or 薬カレンダーを使う
→ 飲み忘れや重複服用を防ぎ、服薬ミスによる体調不良を防ぎます。家族が定期的にチェックできる仕組みも◎。
声かけと心のケア|「見守り=気にかけている」を伝える
高齢者の一人暮らしで見落とされがちなのが、“心の安心”です。
身体が元気でも、話す相手がいない、頼れる人がいないという状況が続くと、孤独感や不安から元気を失うことがあります。
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「元気にしてる?」「何か困ってない?」の一言をこまめに
→ 電話やLINEの内容は長くなくてOK。大事なのは“気にかけているよ”という気持ちを伝えることです。 -
過干渉にならず、「頼りにしてるよ」という姿勢で関わる
→ 指示・注意ばかりだと反発されることも。本人の“できること”を尊重し、「○○はお母さんの方が上手だね」など、役割や自信を持てる声かけを。 -
「ありがとう」「頼ってくれてうれしい」など、自己肯定感が高まる言葉を
→ 高齢者は「迷惑をかけたくない」と感じていることが多いため、頼られたことに感謝する姿勢が関係性を良くします。 -
地域のつながり(民生委員・ご近所さん)をゆるやかに築いておく
→ 近所で顔見知りがいると、急な変化に気づいてもらいやすくなります。ご挨拶の延長で「何かあれば連絡を」と伝えておくだけでも大きな支えに。
“見守りながら、自立を支える”がこれからの一人暮らし対策
高齢者が一人暮らしをするうえで、家族が感じる不安は決して特別なことではありません。
ただ、「すぐに同居しなければ」「すべてを管理しなければ」と考えなくても、ちょっとした工夫や仕組みで、離れていても安心できる環境はつくることができます。
今の暮らしを尊重しながら、必要なところだけやさしく支える。
それが、「見守り=管理ではなく、信頼のかたち」であるということ。
ご家族も、ご本人も、今より少し安心できる一歩を踏み出してみてください。