介護休暇中の給料は無給って本当!?介護休暇で損をしないために大事なこと

 

ご相談者

最近、母の通院付き添いが増えてきて、有給を使って仕事を休むことが多くなってきました。
会社に“介護休暇を使いたい”と相談したのですが、『給料は出ないかもしれない』と言われ、不安になっています。

介護休暇って無給なんですか?

ご相談ありがとうございます。

家族の介護が始まると、多くの方が最初に悩むのが「仕事との両立」です。

特に、通院付き添い・ケアマネジャーとの面談・施設探し・役所手続きなどが増えてくると、「少し仕事を休みたい」と感じる場面も増えてきます。

そんな時に利用できる制度のひとつが「介護休暇」です。

しかし実際には、

「介護休暇って有給なの?」
「休んだら給料は減る?」
「介護休業とは何が違うの?」

といった疑問を持つ方も少なくありません。

特に、まだ介護が始まったばかりの段階では、制度の違いがわかりづらく、不安を抱えながら仕事と介護を両立している方も多いでしょう。

介護休暇中の給料の考え方や、無給・有給の違い、収入を減らさずに介護と仕事を両立するためのポイントについて、わかりやすく解説していきます。

結論からいうと、介護休暇は法律上「無給」が基本

まず結論からお伝えすると、介護休暇は“休みを取得する権利”として法律で認められている制度ですが、会社に対して給料の支払いまでは義務付けられていません。

そのため、介護休暇を取得した場合、無給扱い・欠勤扱い・有給休暇へ振替など、実際の運用は会社によって異なります。

「介護休暇=有給で休める制度」と思われがちですが、法律上はあくまで“休める制度”であり、給料が保証される制度ではない点に注意が必要です。

ただし、会社によっては福利厚生の一環として、

有給の介護休暇、特別休暇制度、積立有給制度などを導入しているケースもあります。

そのため、まずは勤務先の就業規則や人事担当へ確認してみることが大切です。

また、「数日だけ休みたい」のか、「長期間介護が必要になりそうなのか」によって、利用すべき制度も変わってきます。

短期間の付き添いや手続き対応であれば介護休暇、長期的な介護対応が必要であれば「介護休業」や介護休業給付金の活用も視野に入ってきます。

「介護休暇」と「介護休業」は似てるけど違う制度です

介護に関する制度でよく混同されるのが、「介護休暇」と「介護休業」です。

名前は似ていますが、目的や取得期間、給料の考え方は大きく異なります。

簡単にいうと、

  • 介護休暇
    → 通院付き添いや役所手続きなど、短期間の介護対応のための制度
  • 介護休業
    → 本格的な介護に備え、介護体制を整えるための制度

という違いがあります。

介護休暇は、対象家族が1人の場合は年5日まで取得でき、比較的短時間・短期間の利用を想定しています。
一方で、介護休業は対象家族1人につき通算93日まで取得でき、長期的な介護準備に利用される制度です。

また、大きな違いとして、介護休暇は法律上「無給」が基本ですが、介護休業では条件を満たすことで雇用保険から「介護休業給付金」が支給されます。

そのため、

  • 数日だけ付き添いが必要 → 介護休暇
  • 長期的に介護対応が必要 → 介護休業

というイメージで考えるとわかりやすいでしょう。

ただし、介護休業は“介護を自分一人で続けるため”ではなく、介護サービスの利用や今後の介護体制を整えるための制度です。

仕事と介護を両立していくためには、制度だけでなく、外部サービスや周囲のサポートも上手に活用していくことが大切になります。

無給を避けたい場合はどうする?

介護休暇が無給の場合、やはり気になるのは生活費への影響です。

特に、

  • ・仕事を休む回数が増えてきた
  • ・通院付き添いが定期的にある
  • ・施設探しや手続きが続いている
  • ・今後さらに介護負担が増えそう

という状況になると、「このまま収入が減ったらどうしよう」と不安を感じる方も少なくありません。

実際には、介護が始まったからといって、すぐに仕事を辞めるわけにはいかない家庭も多く、“できるだけ収入を減らさずに介護と両立する方法”を模索している方がほとんどです。

そのため、多くの方は会社の制度や介護サービスを組み合わせながら、仕事への影響を最小限に抑えています。

有給休暇を使う

もっとも一般的なのが、有給休暇を活用する方法です。

介護休暇は無給でも、有給休暇を利用すれば給料を維持したまま休むことができます。

たとえば、

  • ・病院への付き添い
  • ・ケアマネジャーとの面談
  • ・役所手続き
  • ・施設見学
  • ・退院時の対応

など、単発で発生する介護対応では特に利用しやすい方法です。

また、「まずは有給休暇で様子を見る」という方も多く、介護がどの程度長引くのか分からない初期段階では、有給休暇で対応するケースも少なくありません。

ただし、介護が長期化すると有給休暇だけでは足りなくなることもあります。

そのため、「どこまで自分が対応するのか」「外部サービスをどこまで使うのか」を早めに整理しておくことも重要になります。

時間単位休暇を活用する

最近では、時間単位で有給休暇を取得できる会社も増えています。

介護は、“丸1日休まなければならない”ケースばかりではありません。

実際には、

  • ・午前だけ病院へ付き添う
  • ・夕方だけ施設見学へ行く
  • ・昼休みにケアマネと打ち合わせする
  • ・デイサービスの契約に立ち会う

など、数時間だけ対応が必要になるケースも多くあります。

こうした場合、時間単位休暇を利用することで、仕事への影響を抑えながら介護対応しやすくなります。

特に、介護初期は細かな手続きや相談が増えやすいため、「少しだけ抜けられる制度」があるだけでも精神的負担は大きく変わります。

介護サービスを活用する

介護が始まると、「自分がやらなければ」と抱え込みすぎてしまう方も少なくありません。

しかし、家族だけで介護を抱え込むと、仕事との両立が難しくなり、結果的に心身の負担が大きくなってしまうこともあります。

そのため、早い段階から介護サービスを活用することも非常に重要です。

たとえば、

  • ・デイサービス
  • ・訪問介護
  • ・見守りサービス
  • ・配食サービス
  • ・病院付き添いサービス

などを利用することで、「自分が毎回対応しなければならない状況」を減らしやすくなります。

最近では、介護保険だけでは対応しきれない部分を補う“介護保険外サービス”を利用する家庭も増えています。

特に、

  • ・通院同行
  • ・外出付き添い
  • ・買い物代行
  • ・見守り
  • ・一時的な付き添い

などは、家族の負担軽減につながりやすい支援のひとつです。

「仕事を辞める前に、外部サービスを使ってみる」という考え方も、介護離職を防ぐためにはとても大切になります。

執筆者

この記事の執筆者
清水 健児

バディファミリーサービス / 生活サポートアドバイザー

バディファミリーサービス所属。
高齢者の生活支援や介護保険外サービスの相談に多数対応。

外出サポート、買い物同行、施設探しなど、
家族だけでは難しい生活支援のサポートを行っている。

現在は地域サロンの運営や、
高齢者と家族を支える生活支援サービスの普及活動にも取り組んでいます。