私の母は現在、ある特別養護老人ホームに入居しています。ですが、最近になって職員の対応がそっけなく、他の入居者との関わりも少ないようで、母も「ここは合わないかもしれない」と言っています。
私としても、もっと安心して過ごせる施設に移ってほしいのですが、「施設を変えるのは大変だ」とも聞きます。
実際に、介護施設を変更することは可能なのでしょうか?また、手続きや注意点などがあれば教えていただきたいです。
ご相談ありがとうございます。
お母様が現在の施設に不安を感じておられるとのこと、ご家族としてとてもご心配だと思います。
まず結論から申し上げると、介護施設の変更は可能です。以下に、変更時に押さえておくべきポイントと流れをご説明します。
1. 介護施設を変えたい理由を明確にしましょう
施設を変更する前に、「なぜ変えたいのか」をはっきりさせておくことが大切です。
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職員の対応が不十分
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食事・サービスの質が期待と違う
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他の入居者との関係が悪い
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医療体制に不安がある
これらの理由が明確であれば、次に選ぶ施設の条件もクリアになりやすく、後悔のない選択につながります。
2. ケアマネージャーに相談する
現在の施設に所属するケアマネージャー、もしくは地域包括支援センターの相談員に事情を説明し、次の施設探しや手続きのアドバイスをもらいましょう。
ケアマネージャーは、入所中でも変更の相談に乗ってくれますし、次の施設との橋渡し役にもなってくれます。
3. 新しい施設の見学と比較を
新しい施設の候補が決まったら、必ず見学をしましょう。できれば家族も同行して、
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スタッフの雰囲気
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入居者の表情
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施設の清潔感や設備
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医療・介護体制
などをチェックします。可能であれば、体験入居や一時入所も検討すると良いでしょう。
4. 行政関連の手続きも忘れずに
介護施設の変更にともない、住所が他の自治体へ変わる場合は、介護保険に関する行政手続きも必要になります。
介護保険制度は市区町村ごとの運用になっているため、引越しにともなって手続きが発生するのです。
● 他の自治体に引っ越す場合
転居先が異なる市区町村である場合、原則として要介護認定を再度受け直す必要があります。
ただし、転出前に現在の自治体で「受給資格証明書」を発行してもらい、引越し後14日以内に転入先へ提出すれば、認定を引き継ぐことが可能です。
● 住所地特例が適用されるケース
介護老人保健施設・有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅などのように、住所地特例対象施設に入居する場合は、転居しても元の自治体の介護保険を継続できます。
この場合は、転出時に「住所地特例適用届」の提出が必要です。
一方で、グループホームや小規模多機能型居宅介護など、地域密着型サービスを提供する施設は特例の対象外。必ず転入先で新たに要介護認定の手続きを行う必要があります。
5. 退所と入所のタイミングを調整する
現在の施設の退所日と、新しい施設への入所日をできるだけ切れ目なく調整することが重要です。入所先が決まらないうちに退所すると、介護難民状態になってしまうことも。
また、契約時には解約に関する規定(通知期間・違約金など)を確認しておきましょう。
6. 介護施設を変えることに罪悪感を持たないで
「お世話になっているのに変えるのは失礼では…」「面倒を見てくれる施設があるだけでも感謝すべき…」と、遠慮してしまう方も多いです。
しかし、ご本人が安心して過ごせる環境を選ぶのは、当然の権利です。合わない施設で我慢することが、かえって心身の健康に悪影響を与えることもあります。
■まとめ:介護施設の変更は「早めに・丁寧に」がポイント
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・施設の変更は可能。まずは理由を明確に
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・ケアマネージャーや地域包括支援センターに相談
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・新施設の見学は必須、入所前後のスケジュール調整も大事
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・遠慮や罪悪感より、ご本人の安心を優先しましょう
「施設を変えたい」と感じた時が、見直しのタイミングです。
大切なご家族の笑顔を守るためにも、一歩ずつ行動を起こしてみてください。