最近、祖母が熱っぽい感じが続いていて、『こもり熱じゃない?』と言われました。初めて聞く言葉でよく分からないのですが、風邪や感染症とは違うんでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
「こもり熱」という言葉を耳にしたことがあるけれども、こもり熱って一体なんだろうという方も多いのではないでしょうか。
特に高齢者の介護や見守りをしていると、なんとなく熱があるのに、原因がはっきりしないというケースに出会うことがあります。
「こもり熱」とはどういう状態なのか、何が原因で起こるのか、放っておいても大丈夫なのか——といった疑問に、わかりやすくお答えしていきます。
「こもり熱」とは?——こもり熱の特徴
「こもり熱」は、医学的には正式な診断名ではありませんが、介護や高齢者医療の現場でよく使われる“現象”を表す言葉です。
▶ 一般的な特徴
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明らかな感染症ではないのに微熱〜37℃台後半の発熱が続く
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食欲低下・倦怠感・ぼーっとするなどの症状を伴うことも
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こもる(閉じこもる)生活や精神的ストレスと関係しているとされる
高齢者の場合、暑さ・寒さに対する感覚が鈍くなっていたり、体内の水分や血流の調整がうまくいかないことも多く、室内での過ごし方が影響しやすいと考えられます。
なぜ「こもり熱」が起きるのか?
「こもり熱」の原因はひとつではなく、以下のような複合的な要因が関係しているとされています。
1. 自律神経の乱れ
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暑さ・寒さ・ストレスによって体温調節が乱れ、体に熱がこもる状態になります
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特に高齢者は発汗機能や血流調整が低下しているため、熱が逃げにくい
2. 運動不足・血行不良
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長時間同じ姿勢でいたり、外出が減ったりすると、筋肉が使われず代謝が低下
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血行が悪くなることで体の熱がこもりやすくなる
3. 精神的な要因
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ストレスや孤独感、不安などで自律神経が乱れ、体温の調節にも影響
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介護施設や自宅で“閉じこもる”生活が続くと、心身に変調をきたしやすい
「風邪」や「感染症」との違いは?
こもり熱はウイルスや細菌による炎症反応が明確ではない点が、風邪や感染症との大きな違いです。
| 項目 | こもり熱 | 風邪・感染症 |
|---|---|---|
| 原因 | 自律神経・精神的ストレスなど | ウイルス・細菌 |
| 熱の程度 | 微熱~37℃台後半が多い | 高熱(38℃以上)になることも |
| その他の症状 | 倦怠感・ぼーっとするなど | 咳・鼻水・喉の痛みなどの炎症症状 |
| 発症の仕方 | 徐々に・慢性的 | 急性発症が多い |
【ポイント】
こもり熱は緊急性が低いことが多いですが、長引く場合は医師の診察を受けましょう。
特に高齢者は、他の疾患が隠れている可能性もあるため要注意です。
対処法と予防策
▶ 対処法(症状が出たとき)
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室内の温湿度を調整する(エアコン・加湿器など)
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水分補給をこまめに行う(脱水予防)
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軽く体を動かしたり、マッサージで血流を促す
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日中に日光を浴びる
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睡眠と休養をしっかりとる
※症状が改善しない場合は、医療機関を受診し、隠れた感染や他の病気がないか確認を。
▶ 予防のためにできること
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規則正しい生活(食事・運動・睡眠)
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できるだけ日光を浴び、外出の機会を持つ
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屋内でもこまめにストレッチや深呼吸を行う
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会話や交流の時間を意識して取り入れる(孤立予防)
「こもり熱」は一見たいしたことがなさそうに見えても、高齢者にとっては体調不良や生活機能の低下のサインであることもあります。
感染症ではないからと軽視せず、生活環境や心身のストレス状態を見直すきっかけにすることが大切です。
高齢者自身も、家族や介護職も、“こもり熱”という言葉の背景にある生活と心の変化に目を向けることが、安心・安全な毎日につながっていきます。