「うっかり期限切れの薬を飲んでしまいました…体に悪影響はある?」使用期限切れの薬のリスクと注意点

 

ご相談者

先日、頭痛がしたので以前病院でもらって余っていた薬を飲んだのですが、あとで箱を見たら使用期限が1年以上も過ぎていました。

今のところ体調に変化はありませんが、「期限切れの薬を飲んでしまって大丈夫だったのか」「何か副作用が出るのではないか」と心配になっています。

市販薬や処方薬など、使用期限が切れた薬を飲むと体にどんな影響があるのでしょうか? また、どんな場合に受診した方がよいのか教えてください。

ご相談ありがとうございます。

使用期限が切れた薬を飲んでしまい、「体に悪い影響はないか」と心配になりますよね。

薬は病気や症状を和らげるために大切な存在ですが、期限が過ぎた薬を口にすることは意外と身近な“うっかり”ミスでもあります。

特に高齢の方や、毎日たくさんの薬を服用している方、飲み忘れや飲み間違いが発生しやすい方にとっては、薬の管理や服薬のタイミングに悩む場面も多いでしょう。

「気づいたら何年も前の薬が残っていた」「飲み忘れ分をまとめて飲んでしまった」といったケースも少なくないです。

今回は、使用期限切れの薬を飲んだ場合に考えられるリスクや体への影響、受診の目安や今後の注意点について、わかりやすくご説明します。

使用期限の切れた薬を飲むとどうなる?

● 薬の効果が十分に得られない

薬にはそれぞれ「使用期限」が設定されています。

この期限は、「品質や有効成分がしっかり保たれている期間」を示しています。

期限を過ぎた薬は、成分の分解や劣化が進み、期待した効果が十分に得られない可能性があります。

たとえば、頭痛薬や抗生物質、血圧の薬など、成分が分解・減少していれば「効き目が弱まる」「治療効果が現れにくい」といった問題が起こることがあります。

食品の消費期限と同じで期限を過ぎたものを摂るのは避けましょう。

● 副作用や健康被害のリスクも

さらに、成分が劣化することで、本来なかったはずの“副反応”や体調不良が現れる可能性も否定できません。
薬によっては、成分分解により有害な物質が生じたり、飲み合わせによる予期しない副作用が強くなるケースもあります。

とくに高齢者や、持病をお持ちの方は体が薬に対して過敏な場合も多いため、少しの変化が体調悪化や思わぬトラブルにつながるおそれがあります

● 見た目や匂いが変化している薬は特に注意

使用期限切れの薬は、変色や異臭、カビ・湿気でベタつくなどの変化が見られることもあります。
こうした薬を服用することは、健康被害や中毒のリスクが高くなるため絶対に避けましょう。

● 一度飲んでしまった場合の対応

すぐに重篤な症状がなければ、慌てず様子を見ましょう。
ただし、

  • 吐き気や腹痛、湿疹など明らかな体調異変が現れた

  • 持病が悪化した

  • 多量に服用してしまった

などの場合は、早めに医療機関へ相談してください。

● 市販薬の場合

ドラッグストアや薬局で購入できる市販薬(OTC医薬品)の場合、
多くは「外箱」や「容器・瓶・アルミシート(PTPシート)」に使用期限(または有効期限)が印刷
されています。

  • 外箱の側面や底面、裏面に「使用期限」「有効期限」などの表記

  • 錠剤やカプセルの場合、アルミシート(PTPシート)の端や裏面にも印字されていることが多いです

● 病院でもらう処方薬の場合

処方薬の場合は、

  • 薬局で渡される薬袋(お薬袋)のラベル

  • 説明書(薬情)

  • 一部は調剤された容器や袋そのもの
    「調剤日」や「使用期限」「有効期限」が記載されている場合があります。

ただし、調剤薬局によっては明記がないこともあるため、不明な場合は
「処方から1〜3ヶ月以内」「水薬や点眼薬・坐薬などはさらに短い」
といった目安で管理し、古い薬は使わないよう注意しましょう。

注意点

  • 箱やラベルを捨ててしまうと期限が分からなくなることも多いので、服用中は箱や説明書を一緒に保管しましょう。

  • 薬の形状や保管条件によって、期限が異なることもあります。特に「開封後は◯日以内に使い切る」タイプの薬(抗生物質の粉薬・シロップ・目薬・点鼻薬など)は、開封日を書いておくと安心です。

特に期限切れで注意すべき薬

1. 抗生物質(飲み薬・点眼薬・点耳薬・軟膏など)

  • 抗生物質は、成分の分解や細菌汚染のリスクが高くなります。

  • 効果が弱まるだけでなく、有害な物質に変化したり、重い副作用やアレルギー反応、感染症の悪化を招くことがあります。

  • シロップや粉薬、点眼薬・点鼻薬は特に開封後すぐに期限切れやすいため注意。

2. 注射薬・インスリン・自己注射製剤

  • 冷蔵保存が必要な薬は、期限切れや温度管理不良で効果が急激に低下します。

  • インスリンは特に、劣化や細菌混入が命に関わる危険性も。

3. 点眼薬・点鼻薬・吸入薬

  • 開封後は細菌が混入しやすく、目や鼻、気道の感染症や炎症を引き起こすリスクがあります。

  • 目薬や吸入薬は、使いかけを長期保存しない・開封日を書き留めることが大切。

4. 湿布や外用剤(貼り薬・塗り薬など)

  • 経皮吸収される成分が分解し、アレルギー反応や皮膚トラブルの原因に。

  • 匂いや色が変わっている場合は絶対に使わない。

5. ホルモン薬・抗がん剤・抗不整脈薬・抗てんかん薬など

  • 効果が強い薬・コントロールが難しい薬ほど、成分の安定性や体への影響が大きい。

  • 期限切れや管理ミスは命に関わる重篤な副作用や効果不十分のリスク。

期限切れの薬の多くは「効かなくなるだけ」ではなく、時に健康被害や命に関わる危険があることを忘れないようにしましょう。
特に液体・開封後の薬・冷蔵保管が必要な薬・効果が強い薬は最も注意が必要です。