高カロリーゼリーは保険適用される?―介護現場での利用と申請のポイントを解説

 

ご相談者

最近、家で介護をしている父が食欲が落ちてきて、病院で“高カロリーゼリー”を勧められました。市販品もあるようですが、できれば費用の負担を少しでも軽くしたいです。こうした栄養補助ゼリーは介護保険や医療保険で適用されるのでしょうか?また、保険適用で利用できるもの・できないものの違いや、手続きの方法などがあれば教えてください。

ご相談ありがとうございます。

高カロリーゼリーは、食事量が減ってしまった高齢者や、効率的にエネルギー・栄養補給をしたい方にとって、介護現場でも医療現場でもよく活用されています。
ですが、「保険適用で購入できるのか?」「どんな場合に保険で認められるのか?」という点は、実際には分かりにくい部分も多いのが現状です。

ご家族やご自身の負担を少しでも減らし、安心して栄養補給を続けるために、ぜひ参考にしてください。

高カロリーゼリーとは?

高カロリーゼリーとは、少ない量でも効率的にエネルギーや栄養素を摂取できるように工夫されたゼリー状の栄養補助食品です。
一般的なゼリーよりも“カロリー密度”が高く、1個あたり80~200kcal程度のエネルギーを摂ることができる商品が多く販売されています。
味もフルーツやコーヒー風味などさまざまで、食べやすさに配慮された製品が多いのも特徴です。

1. 高カロリーゼリーが必要とされる背景

高齢になると、さまざまな理由で「食事量が減る」「噛む力や飲み込む力が弱くなる」「食欲がわかない」といった悩みが出てきます。
また、病気や手術後のリハビリ期間、がんや慢性疾患などで体力や栄養が不足しがちな方にも、効率よくエネルギーを補給する手段として高カロリーゼリーが選ばれることが多いです。

家で介護をしているご家族にとっても、「普通のごはんを無理にたくさん食べさせるのは大変」「体力や免疫力が落ちてしまうのが心配」といった時に、高カロリーゼリーは大きな助けになります。

2. 主な成分や特徴

高カロリーゼリーには、炭水化物や脂質などのエネルギー源のほか、たんぱく質やビタミン、ミネラルなど体に必要な栄養素がバランスよく配合されているものが多いです。
とくに医療用や介護用の製品では「たんぱく質強化」「電解質調整」など、体の状態や医師の指導に合わせて選べる商品も増えています

また、ゼリー状なので口当たりがよく、のどにつまりにくいという利点もあります。食べやすさや安全性を重視して、固さやとろみの調整ができるタイプもあります。

3. 市販品と医療・介護現場で使われる製品

ドラッグストアやスーパーで手軽に買える市販の高カロリーゼリーも多くありますが、病院や介護施設など医療・介護現場で使用される“医療用”の高カロリーゼリーも存在します。
医療用は栄養バランスが特に重視されていたり、特定の疾患や嚥下障害(飲み込みづらさ)に合わせて作られているものも多いです。

「どの商品を選んだらいいかわからない」という場合は、医師や管理栄養士、ケアマネージャーなど専門職に相談し、本人の体調や目的に合ったものを選ぶことが大切です。

高カロリーゼリーが保険適用になる条件

高カロリーゼリーはとても便利な栄養補助食品ですが、「保険を使って購入できるのか?」という点は、利用する方やご家族にとって気になるところです。
実際には、高カロリーゼリーが医療保険や介護保険で適用になるケース自己負担になるケースがあります。ここでは、その条件や注意点について分かりやすくまとめます。

1. 医療保険で適用されるケース

まず、医療保険が適用されるのは「経腸栄養剤」として医師が“必要”と判断した場合です。
たとえば、下記のような条件に当てはまる場合に限り、医師の指示のもとで処方される「医療用の高カロリーゼリー(経腸栄養剤)」は医療保険でカバーされます。

  • 病気や治療の影響で、通常の食事摂取が難しい

  • 摂食・嚥下障害があるため、普通食では必要なエネルギーを摂取できない

  • 医師が「栄養管理上、経腸栄養剤が必要」と認めた場合

この場合、医師の処方箋が必須となり、「処方薬」として薬局で受け取る形となります。
保険適用となれば、自己負担は通常の医療費(例:1~3割負担)と同じ割合になります。

なお、「食欲不振」や「少し元気がないから…」といった一般的な理由では、医療保険の適用は認められませんので注意が必要です。

2. 介護保険で適用されるケース

介護保険の場合、「高カロリーゼリー自体の購入費用」は原則として介護保険の給付対象にはなりません
なぜなら、介護保険は「福祉用具」や「居宅サービス」などに使える保険であり、
食事や栄養補助食品自体の費用(食材・食品代)は含まれていないからです。

ただし、

  • 嚥下障害のある方が「とろみ調整剤」や「ゼリー状食品」を福祉用具として利用する場合

  • 介護施設などでの食事サービスの一環として提供される場合

など、状況によっては間接的に利用されているケースもあります。

詳しくは、担当のケアマネージャーや介護事業所、地域包括支援センターにご相談ください。

3. 市販品や一般の栄養補助ゼリーについて

スーパーやドラッグストアなどで販売されている市販の高カロリーゼリーは、基本的に医療保険や介護保険の適用外です。
自己負担での購入となりますが、手軽に入手できる点や種類の豊富さは大きなメリットです。

もし、「医療費控除」や特別な助成制度が利用できる自治体があれば、領収書を保管しておくとよいでしょう。

4. 適用条件のまとめとポイント

  • 医療保険で保険適用になるのは、医師が経腸栄養剤として“処方”した場合のみ

  • 介護保険での直接的な適用は基本的に不可だが、状況によっては利用が認められるケースもある

  • 市販品は自己負担が基本だが、日常の栄養補助として活用できる

  • 迷ったときは医師・ケアマネ・専門職へ相談が一番確実