軽費老人ホームとは?費用や特徴、入居までの流れをわかりやすく解説

 

ご相談者

母が一人暮らしをしているのですが、高齢になり家事や生活に不安を感じるようになりました。
できれば費用を抑えながら安心して暮らせる施設を探したいのですが、『軽費老人ホーム』というものを最近知りました。
この施設はどんな特徴があるのでしょうか?費用やサービス、どんな方が入れるのか、詳しく教えてください。

ご相談ありがとうございます。

高齢の親のこれからの暮らしについて、「できれば本人の自由も守りながら、安心して過ごせる場所を見つけたい」と考えるご家族は多いものです。
そんな時に選択肢となるのが「軽費老人ホーム(ケイヒロウジンホーム)」です。

軽費老人ホームは、食事の提供や見守りなどのサポートを受けながら、比較的低料金で自立した生活を続けられる高齢者向け施設です。
「特養(特別養護老人ホーム)」や「有料老人ホーム」とは違い、費用を抑えつつ、プライバシーと自由な時間も大切にできるのが大きな特徴です。

軽費老人ホームの種類と特徴をやさしく解説

軽費老人ホームは、「できるだけ自分らしい生活を続けたい」という高齢者の方やご家族に人気の福祉施設です。
でも一口に「軽費老人ホーム」と言っても、実はいくつかのタイプがあり、それぞれ特徴や入居者像が少しずつ違います。
ここではA型・B型・ケアハウス(C型)の3つのタイプについて、説明しますね。

1. A型(軽費老人ホームA型)——食事付き、手厚い見守りがある「寮」のような施設

どんなところ?
A型は、「食事を作ってもらえる」「日常の困りごとを相談できる」など、サポート体制がしっかりしたタイプです。
ご自身で身の回りのことはできるけれど、毎日の食事作りや体調管理などに少し不安を感じている方にぴったり。

  • 毎日、朝昼晩の食事が出てくる

  • 職員さんが健康状態を見守ってくれる

  • お掃除やお洗濯など、生活面のちょっとした相談にも応じてくれる

ポイント!
A型は昭和の時代からある伝統的なタイプで、今は新設が少なく、施設数は減っていますが、
「一人暮らしだと食事や健康管理が不安」「誰かに見守ってもらいながら、自由に過ごしたい」
という方におすすめです。

2. B型(軽費老人ホームB型)——食事は自分で、もっと自由な暮らしをしたい方向け

どんなところ?
B型は「自炊型」で、食事は自分で作るスタイル。
共用のキッチンや自分の部屋で料理を楽しめます。
サポートは必要最低限でOK、自由度の高い生活を求めている方に向いています。

  • 食事の提供は基本なし(自分のペースで自炊ができる)

  • 身の回りのことは自分でやりたい人向け

  • 職員の見守りや生活相談はあるので、いざという時は安心

ポイント!
「人に干渉されず、できるだけ自分のペースで過ごしたい」
「でも一人暮らしだと不安なので、何かあった時だけ相談できる環境がほしい」
そんな方に向いています。
今はB型の新設はほとんどなく、全国的にも施設数が限られています。

3. ケアハウス(C型)——“今は元気、将来もし体が弱っても安心”の新しい軽費老人ホーム

どんなところ?
ケアハウスは、平成以降に増えてきた比較的新しいタイプ。
A型と同じように「食事付き」「見守り付き」ですが、
さらに将来、介護が必要になった場合でも外部の介護サービス(訪問介護など)を利用しやすいのが大きな特徴です。

  • 基本は60歳以上の自立した方が対象

  • 朝昼晩の食事を提供

  • 健康チェックや生活相談も受けられる

  • 介護が必要になったら、訪問ヘルパーやデイサービスなども利用できる

  • 部屋は「個室」が基本なので、プライバシーも守られやすい

ポイント!
「今はまだ元気だけど、将来のことを考えて備えたい」
「介護が必要になっても住み続けられる安心感がほしい」
そんな思いを持つ方に人気があります。
家族が遠方にいても、食事や見守りがあるので安心。
実際に新しくできている軽費老人ホームの多くが、このケアハウスタイプです。

  • A型…食事つき・サポートしっかり・数は減少傾向

  • B型…自炊型・自由度高め・自立志向の方に人気

  • ケアハウス…食事・見守り+介護サービスも使える・今いちばん増えているタイプ

どのタイプも「費用を抑えたい」「でも安心もほしい」という方に選ばれています。
「自分の暮らし方・将来への不安」「どこまでサポートが必要か」を考えて、ピッタリのタイプを選ぶのがポイントです。

軽費老人ホームの入居条件と費用は?わかりやすく解説

軽費老人ホームは、「できるだけ費用を抑えながら安心して暮らしたい」という高齢者やご家族に人気の施設です。
でも実際に入居を検討するとき、「どんな人が入れるの?」「毎月いくらくらいかかるの?」といった疑問が浮かぶ方も多いのではないでしょうか。

軽費老人ホーム(A型・B型・ケアハウス)の入居条件や費用の目安について、できるだけわかりやすくまとめました。

入居できる人はどんな人?

軽費老人ホームは、主に次のような方が対象です。

  • 60歳以上の高齢者(施設によっては65歳以上)
     多くの施設は「60歳以上」を入居対象としています。自立した生活ができることが基本条件ですが、「多少の支援があれば日常生活ができる」方も入居できる場合があります。

  • 身の回りのことがほぼ自分でできる方
     食事・入浴・トイレなど、基本的な生活動作ができることが大前提です。ただし、体調が悪いときのちょっとしたサポートや見守りは受けられます。

  • 保証人や保証金が必要な場合も
     入居時には、身元保証人や保証金(敷金など)が必要になることが多いです。金額や条件は施設ごとに異なるため、事前にしっかり確認しておくと安心です。

  • 所得に応じた利用料設定も
     社会福祉法人や自治体が運営することが多いため、利用者本人や家族の所得・資産状況に応じて月額費用が決まる施設もあります。年金収入が少ない方でも利用しやすいのが特徴です。

費用はどれくらいかかる?

軽費老人ホームの費用は、施設の種類や立地、居室の広さ、提供サービスによって異なりますが、目安としては次のようになります。

● A型(食事付き・伝統型)

  • 入居時費用:0円〜30万円程度(敷金や保証金として)

  • 月額費用:およそ6万円〜17万円

  • ※食費・管理費・水道光熱費などが含まれます

● B型(自炊型・自由度高め)

  • 入居時費用:0円〜30万円程度

  • 月額費用:およそ3万円〜4万円(食費は自炊なので別途)

● ケアハウス(C型・個室・介護サービス併用OK)

  • 入居時費用:0円〜数十万円(施設による)

  • 月額費用:およそ7万円〜13万円(全国平均は約10万円程度)

  • ※個室やバリアフリー設備、食事・生活相談・介護サービスなどが含まれます

なぜこんなに費用に幅があるの?

軽費老人ホームの費用に幅がある理由は、いくつかの要素が組み合わさっているからです。
たとえば、居室が個室か相部屋か、バリアフリーの設備が整っているかどうかなど、部屋の広さや設備によっても金額が異なります。また、食事が毎日提供される施設もあれば、入居者自身が自炊をするタイプもあり、食事サービスの有無も費用に影響します。

さらに、見守りや生活相談といった日常的なサポートや、将来介護サービスをどこまで利用できるかなども、費用の差につながるポイントです。
加えて、所得や家族構成に応じて利用料の減免制度が用意されている場合も多く、年金だけで生活する人にも手が届きやすいように配慮されています。
そして、都心部や地方といった地域差や、運営している法人ごとの方針によっても、同じ「軽費老人ホーム」でも費用に幅が出るのが実情です。

このように、入居者一人ひとりのニーズや暮らし方に合わせて、さまざまな条件やサービス内容を選べるため、料金設定にも幅があるのです。

どんな人に向いているの?

軽費老人ホームは、年金中心で生活している方や、ひとり暮らしに不安がある方に特に向いています。
毎日の食事や見守り、生活相談など、少しだけサポートを受けながらも、自分らしい自由な生活を大切にしたいという人にはぴったりです。

さらに、将来的に体力が落ちたり、介護が必要になった場合にも安心して暮らせる仕組みが整っているので、「できるだけ経済的に、でも安心できる場所で過ごしたい」と考えている方におすすめできる選択肢です。

 〜軽費老人ホームは「自分らしく、安心できる暮らし」の選択肢〜

軽費老人ホームは、「経済的な負担を抑えながらも、安心して自分らしい毎日を送りたい」という方にとって、とても心強い施設です。
食事や見守りといった日常生活のサポートを受けられ、介護が必要になっても柔軟に対応できる点が大きな魅力。費用や入居条件には幅がありますが、それは「さまざまな生活スタイルや希望に合わせて選べる」証でもあります。

初めての施設探しには不安もあるかもしれませんが、情報を集めて比較し、ご本人やご家族にとって「本当に納得できる場所」を見つけることが何より大切です。
困ったときは、地域包括支援センターやケアマネジャー、専門の相談窓口などにも気軽に相談してみてください。

軽費老人ホームは、「自分らしく」「安心して」歳を重ねていくための一つの選択肢です。
これからの暮らしに、少しでも前向きなヒントとなれば幸いです。