最近、自分の老後について真剣に考えるようになりました。私はずっと賃貸暮らしで、今も持ち家はありません。若い頃は何とかなると思っていましたが、年齢を重ねるほど、家賃を払い続けられるのか、もし働けなくなったらどうするのか、と不安が増しています。
年金も多くはありませんし、貯金も十分ではありません。このまま賃貸で暮らし続けるのは現実的なのか、他にどんな選択肢があるのかが分からず、夜も眠れないことがあります。
老後に持ち家がない人は、どこに相談すればよくて、どんな準備をしておけばいいのか教えていただきたいです。
ご相談ありがとうございます。
持ち家がないまま老後を迎えることは、多くの方が抱えている不安の一つです。特に賃貸暮らしの場合、家賃の支払いがずっと続くため、収入が減る老後の生活設計は慎重に考える必要があります。
ただ、賃貸だからといって必ずしも老後が厳しくなるとは限りません。制度や支援を上手に使えば、安心して暮らせる方法はあります。
今回ご相談いただいた方のように「持ち家がないまま老後を迎えるのが不安」という方の悩みに答える形で、利用できる制度、住まいの選択肢、費用の考え方、相談先などを分かりやすく解説していきます。
持ち家がない老後で多くの人が感じる不安とは
ご相談者のように、賃貸で暮らし続けている方が老後を考えるとき、まず大きくのしかかってくるのが家賃の負担です。
年金生活に入ると収入は下がり、今までのように安定した給与が入ってこなくなります。その中で毎月決まった家賃を払い続けるとなると、将来への不安は自然と大きくなります。
さらに、年齢を重ねると「高齢者という理由で賃貸の入居審査が通りにくくなるのではないか」という心配も出てきます。
実際、物件によっては保証人が必要だったり、収入条件を厳しく見られたりすることがあります。これらの不安は「今は住めているけれど、更新のタイミングや引っ越しが必要になった時にどうなるのか」という不透明さにつながります。
また、体力や健康状態の変化も賃貸暮らしでは大きな問題です。階段しかないアパートに住んでいると、将来的に移動が難しくなる可能性がありますし、家がバリアフリーではないと転倒リスクも増えます。
持ち家がない場合、こうした住み替えが必要になった時に、手続きや費用をどう工面するかという悩みも出てきます。
賃貸だからこそ自由度はありますが、その分「家をどう維持するか」という心配はない一方で、「ずっと住める保証がない」という心理的な不安が付きまといます。
多くの人が同じ悩みを抱えており、実はこうした不安に対して利用できる制度やサポート、現実的な選択肢は複数存在します。
持ち家がない人が老後を安心して迎えるためにできる具体的な対策を解説していきます。
持ち家がない老後に向けて、今からできる具体的な対策
老後の住まいに不安を抱えている人ほど、「今できる対策」を把握しておくことで心の負担が大きく軽減されます。
持ち家がないからといって、必ずしも老後が不安定になるわけではありません。
賢く準備すれば、安心できる暮らしを選ぶことは充分に可能です。
ここでは、実際に多くの人が取り入れている対策や、知られていないものの有効な選択肢をわかりやすく整理してお伝えします。
老後の家賃負担を軽くするための準備
賃貸暮らしの最大の不安は「家賃を払い続けられるかどうか」です。まずはここを現実的にコントロールすることから考えましょう。
収入に合った家賃帯へ住み替える
老後になってから慌てて住み替えるより、体力に余裕のあるうちに家賃を抑えた物件へ移ることで、長期的な安定につながります。
現在の家賃が手取りの3割を超える場合、すでに家計の負担は大きくなっている可能性があります。早めに家賃の低い物件を探しておくことで、老後の生活費に余裕を持たせやすくなります。
高齢者向けの入居可物件を事前に探しておく
「高齢者だから断られた」というケースも珍しくありません。将来の選択肢を広げるためには、早い段階から“高齢者入居相談可”の不動産会社や物件情報をチェックしておくと安心です。
入居相談に強い不動産会社は、保証会社や見守りサービスと連携しているところも多く、将来の住み替えに備える土台として有効です。
老後に向けて利用できる住まいの選択肢を知る
持ち家がない人は、いくつかの制度やサービスを使うことで、不安を大幅に軽減できます。
高齢者向け賃貸住宅を検討する
「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」は、一般の賃貸より入居しやすく、見守りや生活相談が付いているため安心感があります。
家賃は一般の賃貸と比べるとやや高めになる傾向もありますが、そのぶんサポートが充実しているため、単身者や身寄りが少ない人にも人気です。
自治体のシニア向け住宅制度をチェック
自治体によっては、公営住宅やシニア向け優先入居制度が用意されています。
一般の公営住宅は競争率が高いイメージがありますが、高齢者や所得によっては優先枠が設定されることもあり、選択肢として見逃せません。
いざという時の「生活保護の住宅扶助」も選択肢
いざという時、一定条件を満たせば生活保護の住宅扶助によって家賃が補助されます。
「生活保護=絶対に避けたいもの」というイメージを持つ方もいますが、生活に困った時に住まいを守るための大切な制度です。相談するだけなら無料ですし、恥ずかしいことではありません。
住まい以外の部分で老後を安定させる準備
持ち家がない人ほど、「住まい以外の負担」を減らしておくことも重要です。住居費以外の支出を調整することで、家賃を払い続けられる環境を整えやすくなります。
生活費の固定費を見直す
スマホ代、保険料、サブスク、電気ガスなどの固定費を今のうちに整理することで、老後の生活費を無理なく抑えられます。
特に保険は、現役の頃に加入したまま内容を理解していないケースも多く、老後の負担になりやすいため注意が必要です。
身元保証サービスの検討
賃貸契約や入院、介護施設入所の際、身元保証人を求められるケースがあります。
家族に頼れない場合、民間の身元保証サービスを利用することで、将来の不安が大きく減ります。
貯蓄より「使えるお金の把握」を優先
老後は「どれくらいお金が使えるか」を明確にしておくことが重要です。
毎月の支出と将来の年金見込み額を把握し、必要なら相談窓口(社会福祉協議会など)にアドバイスを求めるのも良い方法です。
まとめ
持ち家がないことを不安に感じる人は多いですが、老後の暮らしは「いまの準備次第」で大きく変わります。
賃貸で生活する場合でも、高齢者向けの住宅や自治体の制度、身元保証サービスなど、安心して暮らすための選択肢は幅広く用意されています。
そして最も大切なのは、「住まいに関する情報を早めに集めて、将来の選択肢を複数持っておくこと」です。
家賃を抑えた住み替えや、身体の変化に合わせたバリアフリー化された住まいへの移行など、体力や判断力があるうちに動くことで、老後の不安は確実に小さくなります。
また、住まいだけに目を向けるのではなく、日々の固定費の見直しや、必要なお金の把握、必要な時に相談できる窓口を知っておくことも、老後の安心につながる大切な準備です。
持ち家の有無にかかわらず、老後の暮らしを「自分で選んでいく」ことは可能です。
不安を抱えたまま過ごすより、できる対策をひとつずつ積み重ねることで、未来の選択肢は大きく広がっていきます。
もし住まいや老後の備えに不安があれば、地域の相談窓口や専門サービスに相談してみてください。
自分に合った形で、安心できる老後をつくっていくことができます。