老衰のサインとは?最期が近いときに見られる変化と家族ができること

 

ご相談者

90代の父が自宅で暮らしていますが、ここ最近、急に食事の量が減り、眠っている時間が長くなりました。会話も少なくなり、以前より元気がない様子です。

年齢のこともあり、もしかして老衰が近いのではないかと心配になっています。

不安な気持ちがあり、少しでも心の準備ができればと思っています。

ご相談ありがとうございます。

高齢になると、体力や食欲の低下、活動量の減少など、さまざまな変化が見られるようになります。
その中で、「これは年齢による自然な衰えなのか」「もしかして老衰が近いサインなのではないか」と、不安を感じるご家族も多いのではないでしょうか。

老衰とは、特定の病気ではなく、加齢に伴って身体の機能が少しずつ低下し、自然な経過の中で最期を迎える状態を指します。
その過程では、食事量の減少や眠る時間の増加など、いくつかの特徴的な変化が見られることがあります。

老衰が近いときに見られる主なサインや身体の変化、家族が知っておきたい心構えについて、今回は解説します。
大切な方との時間を穏やかに過ごすための参考にしてください。

老衰の主なサイン

老衰は特定の病気ではなく、加齢により身体の機能がゆっくりと低下していく自然な経過です。
その過程では、心身のさまざまな変化が見られるようになります。

ここでは、老衰が進んできたときに多く見られる主なサインを紹介します。
ただし、これらの症状は病気が原因の場合もあるため、急な変化がある場合は医療機関への相談も大切です。

食事量・水分量の減少

老衰の初期からよく見られるのが、食事や水分の摂取量の低下です。

  • 食べる量が少なくなる

  • 好きだったものにも関心を示さなくなる

  • 水分をあまり取らなくなる

これは、消化機能や代謝の低下、活動量の減少による自然な変化とされています。

体重の減少・筋力の低下

栄養摂取量の減少に伴い、

  • 体重が徐々に減る

  • 筋肉量が減る

  • 歩くのが難しくなる

  • 寝ている時間が増える

といった変化が見られるようになります。

活動量の低下とともに、日常生活の動作も少なくなっていきます。

眠っている時間が長くなる

老衰が進むと、覚醒している時間が短くなり、

  • 一日の大半を寝て過ごす

  • 呼びかけへの反応がゆっくりになる

  • 会話が少なくなる

といった状態になることがあります。

体力を温存しようとする、自然な身体の反応の一つです。

活動意欲の低下

以前は楽しんでいたことに対しても、

  • 外出を嫌がる

  • 会話が減る

  • テレビや新聞への関心がなくなる

など、活動への意欲が低下していくことがあります。

これは、身体機能の低下だけでなく、エネルギー消費を抑えるための変化とも考えられています。

体温・血圧の低下、手足の冷え

老衰が進むと、循環機能も低下し、

  • 体温が低くなる

  • 血圧が低下する

  • 手足が冷たくなる

といった変化が見られることがあります。

家族ができる関わり方

老衰が進んでくると、食事量や活動量が減り、以前のような会話や反応が少なくなることがあります。
その変化に戸惑いや不安を感じるご家族も多いですが、大切なのは、無理をさせず、その方のペースに寄り添うことです。

ここでは、老衰の時期に家族ができる関わり方のポイントを紹介します。

無理に食事や水分を取らせようとしない

食事量の低下は、老衰の自然な経過の一つです。

  • 食べられる量だけでよい

  • 好きなものを少量でも提供する

  • 無理に食べさせない

といった関わりが大切です。

無理に食事や水分を取らせることで、むせや誤嚥のリスクが高まることもあります。
「食べること」よりも、安全で苦痛のない状態を優先することが重要です。

声かけやスキンシップを大切にする

眠っている時間が増えても、聴覚は最後まで残ると言われています。

  • 名前を呼ぶ

  • 優しく声をかける

  • 手を握る、体に触れる

といった関わりは、安心感につながります。

反応が少なくても、気持ちは伝わっていると考えて、穏やかに接することが大切です。

安心できる環境を整える

体力が低下している時期は、刺激の少ない落ち着いた環境が適しています。

  • 室温や湿度を適切に保つ

  • 体位を楽な姿勢に調整する

  • 口の中の乾燥を防ぐケアを行う

など、身体の負担を減らす環境づくりを心がけましょう。

医療・介護の専門職と連携する

不安なことや判断に迷うことがあれば、

  • 主治医

  • 訪問看護師

  • ケアマネジャー

  • 介護スタッフ

などに相談することが大切です。

専門職と連携することで、ご本人にとって負担の少ないケアや、ご家族の精神的な支えにもつながります。

家族自身の心のケアも大切に

老衰の過程は、長く続くこともあれば、急に状態が変化することもあります。
「もっと何かできるのでは」と自分を責めてしまうご家族も少なくありません。

しかし、そばにいて声をかけたり、手を握ったりするだけでも、十分に大切な関わりです。

無理を抱え込まず、周囲の家族や専門職のサポートを受けながら、ご本人との時間を穏やかに過ごすことを大切にしましょう。

バディファミリーの介護保険外サポート

   

バディは、ご家族に変わって日常を支える家族の一員のような存在です。通院付き添い・外出同行・見守り・生活支援など、必要なサポートを一緒に考え行動します。