高齢者マーク、うちの親は付けたがらないけど…付けないとどうなるの?

 

ご相談者

今年80歳になる父が、いまだにマイカーで買い物などに出かけています。
安全運転はしていると思いますが、最近は判断が遅くなったり、駐車が不安定なことも増えてきました。
私としては「高齢者マークをつけて運転したほうがいいよ」と伝えているのですが、本人は「そんな年寄り扱いは嫌だ」と拒否気味です。
実際のところ、高齢者マークを付けないとどうなるのでしょうか? 罰則はあるんですか?

ご相談ありがとうございます。

お父様のように、運転に自信がある高齢者ほど「高齢者マーク=弱くなった証」と捉えがちですが、
実際は付けることで得られる安心や配慮も多いのが実情です。

それでは、詳しく見ていきましょう。

高齢者マークを付けるのは「義務」ではなく「努力義務」

現在の道路交通法では、高齢者マーク(正式名称:高齢運転者標識)は
70歳以上の方が付けることが“努力義務”とされています。
つまり、付けないからといって罰金や減点などの罰則はありません。

昔は一部義務だった時期もありましたが、現在は「つけたほうが望ましい」という扱いです。

では、なぜ“つけたほうがいい”と言われるのか?

理由はシンプルです。

周囲のドライバーに「この車には高齢者が乗っている」と伝えることで、配慮や注意を得やすくなるからです。

例えば…

  • 無理な追い越しや煽り運転を避けてもらいやすくなる

  • 右折や車線変更のタイミングで譲ってもらえることも

  • 駐車場などで少し時間がかかっても、イライラされにくくなる

つまり、高齢者マークは「弱点を見せる」ためではなく、安全のための“予告サイン”なのです。

付けていないことで起こる可能性のあること

罰則こそありませんが、高齢者マークをつけていないことで、こんな不利益が出るケースもあります:

  • 周囲が配慮しないため、追突や接触リスクが高くなる

  • トラブルや事故の場面で、高齢者であると気づいてもらえず誤解されやすい

  • 家族から見て「対策していない」と不安に感じる

「つけること」が本人と家族の安心につながる

お父様のように「年寄り扱いがイヤ」と感じる方は少なくありません。
しかし、高齢者マークを付けることは自分を守るだけでなく、周囲の安全も守る思いやりの姿勢でもあります。

「運転ができる」ことは大切ですが、「安全に運転し続ける」には、
少しの工夫と配慮が何よりの予防策になります。

高齢者マークは“自分を守る道具”。つけないと損かも?

高齢者マーク 努力義務(つけなくても罰則なし)
付けないと… 周囲の配慮が得られにくくなり、事故リスクが少し高くなる可能性も
付けると… 周囲のドライバーがスピードや車間を意識し、安全が保たれやすい

ご家族であれば、「年寄り扱いしているわけじゃない。お父さんに長く安全に運転してほしいから」と
“思いやり”として提案していることを伝えるのがポイントです。

もし今後、免許返納などを検討するタイミングが来た場合にも、
高齢者マークの装着はその大事なワンクッションになるかもしれません。

齢者マークをつけたがらない家族をどう説得する?

高齢者マークをつけることに抵抗を感じる方は少なくありません。
「年寄り扱いされたくない」「自分はまだ運転に自信がある」という気持ちが背景にあることが多いです。
そんな時、頭ごなしに説得しようとすると、かえって反発される可能性も。

以下のような伝え方の工夫が、本人の気持ちを尊重しつつ安全を守るうえで役立ちます。

1. 「お父さんのため」というより「周囲のため」と伝える

「年をとったから」と言うとプライドを傷つけかねません。
代わりに、周囲のドライバーへの配慮や思いやりの話にすり替えるのがおすすめです。

例:

「最近、若い人の運転って荒いじゃない? 何も悪くなくても巻き込まれるかもしれないし、
高齢者マークつけてたら“この車は気をつけてあげよう”って思ってもらえるかもしれないよ」

「お父さんの運転は上手だけど、周りが急に飛び出してくることもあるし…。
そういう時にマークがあると、ちゃんと気をつけてもらえると思うよ」

2. 「本人が損をしない」ことを強調する

高齢者マークをつけたことで、運転がラクになる、譲ってもらいやすくなるなどのメリットを伝えましょう。

例:

「マークがあると、無理な追い越しとかされにくくなるらしいよ。
信号の右折とかも、ちょっと待ってもらえることが多いって」

3. 周囲の事例をやさしく伝える

「○○さんのお父さんもつけ始めたって」と他人の事例を挟むと、本人のプライドを刺激せずに響きやすくなります。

例:

「職場の人の親御さんも、最初はつけたがらなかったけど、
今では“つけてよかった”って言ってたみたいよ」

4. 「今後も運転を続けるための一歩」として提案する

いきなり免許返納の話をすると拒絶されることもありますが、
“今後も運転を続けたいからこそ、準備としてマークをつけてみよう”という考え方は受け入れられやすいです。

例:

「マークつけて運転するって、今後も自分で運転する意志があるってことじゃない?
安全対策しておけば、周りも安心して任せられるしね」

説得のコツは「否定しない」「押しつけない」「寄り添うこと」

やってしまいがちなNG 改善ポイント
「もう年だからつけたら?」 ⇒ 「つけると周囲に気をつけてもらえるって安心だよ」
「危ないんだから早く返納して」 ⇒ 「運転続けるなら、安全第一で準備しよう」
「みんな付けてるのに!」 ⇒ 「○○さんのお父さんも、最初は悩んでたらしいよ」