父は80歳になりますが、日常生活は元気で、特に大きな病気もしていません。ところが、ここ数か月で少しずつ体重が減ってきています。食欲はあるように見えるし、外にも出ているのですが「なんでこんなに痩せるのか」と心配です。高齢者が元気に見えるのに痩せることはあるのでしょうか?病気のサインだったら怖いのですが、どう考えたらいいですか?
ご相談ありがとうございます。
高齢者は「元気そうに見えるのに痩せていく」ということが少なくありません。加齢による変化で食事量や栄養の吸収が低下することもありますが、背後に病気が潜んでいる場合もあります。放置するとフレイル(虚弱)やサルコペニア(筋肉量の低下)につながり、介護が必要になるリスクが高まるため、早めに原因を探ることが大切です。
1. 元気に見えるのに痩せる高齢者に多い原因
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加齢による代謝・筋肉量の減少
高齢になると基礎代謝が落ち、筋肉量も自然に減っていきます。「同じように食べているのに痩せていく」のは、筋肉が落ちている可能性があります。 -
消化吸収機能の低下
胃や腸の働きが弱まり、栄養が十分に吸収されにくくなります。歯や入れ歯の不具合で食べ物を噛みにくく、消化の良い食品ばかりを摂って栄養が偏ることもあります。 -
内臓や代謝に関わる病気
甲状腺機能亢進症、糖尿病、慢性肺疾患、がんなどは「体重減少」を初期サインとして表すことがあります。本人は元気に見えても、体の中では病気が進んでいる可能性があるため注意が必要です。 -
薬の副作用
薬によって食欲不振や下痢などが起こり、結果的に痩せてしまうこともあります。
2. 体重減少が続くとどうなる?
「元気なのに痩せる」ことを軽く考えてしまうと、次のようなリスクにつながります。
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フレイル(虚弱)の進行
筋肉や体力が落ちると、転倒や骨折のリスクが高まります。 -
サルコペニア
筋肉量が著しく減少し、日常生活に支障が出ます。歩行が遅くなる、立ち上がりにくくなるといった兆候が見られます。 -
免疫力の低下
栄養不足が続くことで風邪や肺炎などの感染症にかかりやすくなります。 -
隠れた病気の進行
がんや内臓疾患による体重減少を見逃すと、発見が遅れ、治療の選択肢が狭まってしまうこともあります。
3. 家族にできるチェックと工夫
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体重の定期的な測定
週1回程度でもよいので記録をつけ、1〜2か月で2kg以上減少していないか確認しましょう。 -
食事内容の見直し
タンパク質(肉・魚・卵・豆製品)を意識的に増やし、栄養バランスを整えることが大切です。食欲が落ちている場合は、少量高栄養の補助食品を利用するのも有効です。 -
口腔環境のチェック
歯や入れ歯の不具合で食べづらくなっていないかを確認しましょう。歯科受診で改善することもあります。 -
生活習慣の工夫
軽い運動や散歩を取り入れることで筋肉量を維持しやすくなります。適度な活動は食欲増進にもつながります。
4. 医療機関を受診すべきサイン
次のような症状を伴う体重減少がある場合は、早めに受診しましょう。
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1か月で2〜3kg以上痩せた
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食欲が落ちている、または飲み込みにくい
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咳や息切れが続く
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便や尿の異常がある
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発熱や倦怠感を伴っている
体重減少は「加齢のせい」で済ませず、病気の可能性を考えて医師に相談することが重要です。
5. 高齢者におすすめの栄養補給法
高齢者が「元気そうなのに痩せる」とき、食事の見直しはとても大切です。ただ「たくさん食べてね」と言うだけでは解決しないことも多いため、工夫を取り入れましょう。
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少量高栄養を意識する
高齢者は一度に多く食べられないことがあるため、量より質が大切です。卵料理、豆腐、ヨーグルト、魚の煮つけなど、消化が良くてタンパク質が豊富なものを中心に取り入れると効果的です。 -
間食を上手に活用
三食で十分に栄養を摂れないときは、午前と午後に間食を入れるのがおすすめです。バナナやチーズ、ナッツ、ゼリータイプの栄養補助食品などは手軽で食べやすいです。 -
水分補給を兼ねた栄養摂取
高齢者は脱水を起こしやすく、それが食欲不振の原因になることもあります。牛乳や豆乳、経口栄養ドリンクなどを水分補給代わりに取り入れると、同時に栄養も摂取できます。 -
調理の工夫
柔らかく煮込む、食材を細かく刻む、味付けにバリエーションをつけるなどで食欲を刺激できます。「同じ料理ばかりで飽きている」ことも痩せの原因になるので、献立に工夫を加えることが大切です。
こうした工夫を取り入れると、無理なく自然に栄養を補給でき、体重減少の予防につながります。
6. 痩せやすい高齢者の体質的特徴
高齢者は誰でも同じように痩せるわけではありません。中には「痩せやすい体質的特徴」を持っている人もいます。
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基礎代謝の低下
年齢とともに筋肉が減り、基礎代謝が落ちると「太りにくく痩せやすい体質」になります。 -
消化酵素の分泌量が減る
胃酸や消化酵素が減ることで、食べたものが効率よく消化・吸収されなくなり、痩せにつながります。 -
ホルモンの変化
加齢によって食欲や代謝に関わるホルモン(インスリン、レプチンなど)が変化し、体重が減りやすくなることがあります。 -
持病や薬の影響
慢性的な病気を抱えている人や、多種類の薬を服用している人は、知らず知らずのうちに体重が落ちやすくなります。
これらの特徴を持つ高齢者は「元気そうに見えるのに痩せやすい」傾向が強いため、日々の食事や生活習慣に特に気を配る必要があります。
まとめ
高齢者が「元気に見えるのに痩せる」ときは、加齢や生活習慣の影響だけでなく、病気や栄養不良が隠れている可能性があります。
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体重の変化を見逃さず、記録する
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食事内容や口腔環境を整える
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必要に応じて医療機関で検査を受ける
家族が早めに気づいて対応することで、健康寿命を守ることができます。
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